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「それに伴い」の意味とは? 正しい使い方や例文・言い換え表現を解説

にほんご倶楽部

「それに伴い」の正しい使い方(例文付き)

「それに伴い」には、前述した通り2つの意味がありますが、ビジネスの場合は特に「何かが起きた結果として」を表すことが多いです。

そのため、ビジネスワードとして「それに伴い」を使う際は、前後の因果関係を表すと考えてよいでしょう。

具体的な使い方の例文は、以下の通りです。

・「先ほど人身事故が発生しました。それに伴い、ただいま電車が遅れております」

・「資料に不備がございました。それに伴い、ご回答はしばらく保留とさせていただきます」

・「明日のイベントは混雑が予想されます。それに伴い、弊社では人員を大幅に補充いたしました」

「それに伴い」の敬語表現は?(例文付き)

「それに伴い」は接続詞として使われるため、「そして」や「そのうえ」などと同じく、本来は敬語にする必要はありません。

しかし、「それに伴い」と聞いて不躾に思う人も一定数存在するので、目上の人を相手にする場合は、「伴い」を丁寧語にした「それに伴いまして」を使う方が無難でしょう。

「それに伴いまして」の例文は以下の通りです。

・「明日はお休みをいただきます。それに伴いまして、お問い合わせへのご返答は明後日以降となります」

「それに伴い」の類語・言い換え表現

「それに伴い」という言葉には、いくつかの類語・言い換え表現が存在します。それぞれに表すニュアンスが少しずつ異なるので、場面に応じて適切なものを使用しましょう。

(1)「従って」

「従って(したがって)」は、前の出来事に引き続いて後の出来事が起こるという意味で、「それに伴い」とほとんど同じニュアンスで使える表現です。

なお、こちらも目上の人を相手にする場合は、丁寧形である「従いまして」にする方が無難だといえます。

(2)「つきましては」

「つきましては」は、もともと「ついては」の丁寧語として生まれた言葉で、「それに伴い」とほとんど同じ意味を表します。

丁寧語なので、目上の人相手にも問題なく使用できます。

その一方、「ついては」は少しぶっきらぼうに聞こえかねないので、目上か目下かを問わず、ビジネスシーンでは使わない方が良いでしょう。

(3)「その結果」

「それに伴い」と同じく、前後の因果関係を表すなら「その結果」も使えるでしょう。見ての通り、物事の「結果」を表し、日常会話からビジネスシーンまで、幅広い場面で使えます。

ただし、「その結果」と「それに伴い」の意味は、完全に一致するわけではありません。もし「何かが起きたことと並行して」を表す「それに伴い」の場合は、「その結果」に替えると文意が変わってしまうので注意しましょう。

(4)「そのため」

「そのため」も、「それに伴い」の言い換え表現として使える言葉です。

ただし、「何かが起きたことと並行して」を表す「それに伴い」の言い換えには使えないので注意しましょう。

(5)「なので」

「それに伴い」と同じ意味を日常会話で表すなら、「なので」が使い勝手がよいでしょう。

「なので」は「そうなので」の「そう」が取れて出来上がった言葉で、前後の因果関係を表す接続詞として使われます。

ただし、カジュアルなニュアンスの言葉であるため、ビジネスシーンにおいては人によって稚拙に思われたり、不快感を与えてしまったりする可能性があります。

「それに伴い」は前後の文をつなぐために使われる言葉

「それに伴い」は、「何かが起きた結果として」と「何かが起きたことと並行して」という意味で、接続詞のように使われる言葉です。

特にビジネスの場合は前後の因果関係を表すことが多く、「従って」や「そのため」と同様の使われ方をします。

また、目上の人に「それに伴い」と言うと失礼に思われる可能性があるので、「それに伴いまして」と丁寧語にするのがおすすめです。

(にほんご倶楽部)

※画像はイメージです

※この記事は2023年12月27日に公開されたものです

にほんご倶楽部 (敬語・ビジネス用語専門編集プロダクション)

いつも使っているけれど間違った認識も多い「敬語」や「ビジネス用語」。人にはなかなか聞けない常識から応用編まで、日本語に関する情報を発信。

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