「些少ですが」の意味とは。正しい使い方や「僅少」との違いを解説
「些少ですが」の正しい使い方(例文付き)
「些少ですが」は、物やお金を渡す際に「ほんのわずかで恐縮ですが」という謙遜の気持ちを込めて使います。
手土産を渡す際の「粗品(そしな)ですが」や、お茶を出す際の「粗茶(そちゃ)ですが」がイメージとしては近いでしょう。本当にわずかだと思っているわけではなく、相手を立てるために敢えてそう表現するのです。
例文
「些少ですが」は、目上の人相手に限らず、丁寧さが求められるシーンで幅広く使用可能です。
もし相手への敬意を追加したい場合は、「ですが」を「ではございますが」に変えて、「些少ではございますが」と表現するとよいでしょう。
・「些少ですが、ぜひお受け取りください」
・「些少ですが、お手伝いさせていただきます」
・「些少ではございますが、どうぞお収めください」
「些少ですが」の類語・言い換え表現
「些少ですが」には、いくつかの類語・言い換え表現があります。
どの表現も基本の意味は同じですが、それぞれに少しずつニュアンスが異なります。場面に応じて適切なものを使い分けていきましょう。
(1)「少ないですが」
「些少ですが」は少し硬い表現なので、日常シーンでは「少ないですが」と言い換えてもよいでしょう。
また、「少ないですが」と似たニュアンスのものとしては、他に「ほんの少しですが」や「ちょっとですが」などもあります。
(2)「つまらないものですが」
お金でなく贈り物を渡す場合は、「些少ですが」の代わりに「つまらないものですが」を使うこともできます。
本当につまらないわけでなく、「取るに足らないものしか用意できず恐縮です」という意味を込めた謙遜の表現。「些少ですが」が数や程度を謙遜していたのに対し、「つまらないものですが」は品質を謙遜しています。
訪問先に手土産を渡す際によく使われるフレーズです。
(3)「ほんの気持ちですが」
「ほんの気持ちですが」は、贈り物からお金まで幅広く使える表現です。特によく使われるのは、お歳暮やお中元などのシーン。口頭で伝えることもあれば、のし袋などに文字で書く場合もあり、幅広く使えます。
たいしたものではないものの、気持ちだけは入っているという、謙遜のニュアンスを伝えられる便利な表現だといえます。
(4)「心ばかりですが」
「心ばかりですが」も、「ほんの気持ちですが」と同じく、贈り物からお金まで幅広い対象に使える表現。
意味をそのままに解釈すると「心ばかりで内容が伴っていない」となりますが、あくまで謙遜の意志を込めた表現なので、本当に内容が伴っていないわけではありません。
カジュアルからフォーマルまで使えるため、ちょっとした贈り物やお礼をする際などに便利な表現です。
「些少ですが」は贈り物に謙遜の気持ちを添える表現
「些少ですが」は、自分が相手に渡す物やお金が少ないことを、謙遜のニュアンスを込めて表現する言葉。日常会話で耳にすることは少ないですが、ビジネスをはじめ、フォーマルな場面ではよく使われる表現です。
贈り物や謝礼金、お祝い金などをスマートに渡すためにも、この機会にぜひ覚えておきましょう。
(にほんご倶楽部)
※画像はイメージです
※この記事は2023年12月19日に公開されたものです