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「尊敬の念」の正しい使い方とは? 意味・例文・言い換え表現を解説

にほんご倶楽部

「尊敬の念」という言葉を使ったことはありますか? 「尊敬の念を抱く」「尊敬の念に堪えません」「尊敬の念が深まる」など、汎用性が高いフレーズです。今回は、このフレーズの意味、使い方、言い換え表現について解説します。

相手を尊敬する気持ちを表す「尊敬の念」という言葉。日常で使うことはなかなかないかもしれませんね。

しかし、実は汎用性が高い言葉であることをご存じでしょうか? 知っておくとビジネスの場でのコミュニケーションに役に立つかもしれませんよ。

そこで今回は、「尊敬の念」の意味や使い方、言い換え表現について解説していきます。

「尊敬の念」とは? 言葉の意味

まずは、「尊敬の念」の正しい意味を確認しておきましょう。

尊敬の念

相手を尊敬する気持ち。「念」は、思いや気持ちのこと。「尊敬の念を抱く」などのように用いる。

(出典: 実用日本語表現辞典)

「尊敬の念」とは、言葉の通り、相手を尊敬する気持ちを表した語です。

「尊敬の念」の使い方【例文付き】

「尊敬の念」は、人に対して使うものであり、会社や組織に対して用いることはありません。従って、「御社のご活躍には、尊敬の念が尽きません」といった使い方は誤用。

あくまで人に対して使う言葉ということを覚えておきましょう。

以下で正しい使い方と例文を紹介しますので、実際に使用する際の参考にしてくださいね。

(1)「尊敬の念を示す」

「相手に対する尊敬の気持ちを何らかの形で表現する」ということを述べる際は、「尊敬の念を示す」というフレーズを使いましょう。

例文

仕事に対する彼女の真剣な姿勢には、尊敬の念を示したい

プロジェクト成功の立役者である彼に尊敬の念を示す

(2)「尊敬の念が深まる」

何らかのきっかけによって尊敬する気持ちがさらに強くなった時は、「尊敬の念が深まる」という言い回しを用いるのがおすすめです。

例文

憧れの上司が活躍する姿を見て、尊敬の念が深まった

彼の数々の功績を聞いて、さらに尊敬の念が深まった

(3)「尊敬の念を覚える」

「尊敬の念を覚える」は、相手を敬う気持ちを感じた時に使う言葉です。

例文

いつも誠実な姿勢を貫く彼女には、尊敬の念を覚える

どんな時も予定通りに仕事を進める先輩に、尊敬の念を覚える

(4)「尊敬の念に堪えません」

「堪えない」という言葉は、「感情を抑えられない」という意味があり、より強い気持ちを表現したい時に使います。

そのため、相手に対して特別な敬意を示したい場合は「尊敬の念に堪えません」と述べると良いでしょう。

例文

努力の末に目標を達成した彼の姿は尊敬の念に堪えない。

失敗を重ねても決して諦めない部長は尊敬の念に堪えません

(5)「尊敬の念が尽きません」

「尽きない」という言葉は、「不安が尽きない」「話題が尽きない」という使い方にもあるように、「物事がいつまでも続くさま」を指します。

そのため、常に尊敬している憧れの人に気持ちを伝えたい時は「尊敬の念が尽きません」というフレーズを使うのがおすすめです。

例文

入社以来、常に成績を上げ続けている彼女には尊敬の念が尽きない

いつも周囲に気を配ってくださる部長の心遣いには尊敬の念が尽きません

「尊敬の念」の言い換え表現

ここからは、「尊敬の念」の言い換え表現や類語について確認していきましょう。

(1)「敬意を払う」

「敬意を払う」も相手を尊敬している気持ちを表す言葉です。その他にも「敬意を表す」という表現で使われることもあります。

「彼の今回の活躍ぶりには敬意を払いたい」というように、相手を労う時に用いると良いでしょう。

(2)「畏敬の念」

「尊敬の念」と混同されがちな言葉に「畏敬の念」があるのをご存じでしょうか。

そんな「畏敬」の意味は、辞書で以下のように解説されています。

いけい【畏敬】

崇高なものや偉大な人を、おそれうやまうこと。「—の念を抱く」

(出典:デジタル大辞泉『小学館』)

このように、「畏敬」は人だけでなく物に対しても使用可能な言葉です。主に自然や偉人、社長など偉大な存在に用いることが多く、畏れを持って敬う気持ちを表します。

誤用例として冒頭で紹介した「御社のご活躍には、尊敬の念が尽きません」は、「畏敬の念」に置き換えることが可能です。

(3)「尊敬のまなざし」

「尊敬のまなざし」は、人を見つめる時に「尊敬の気持ちを持って視線を送ること」を指します。

「いつも会社に貢献している彼は、多くの社員から尊敬のまなざしで注目されている」というように用いると良いでしょう。

「尊敬の念」の正しい使い方を覚えてビジネスシーンで活用してみよう

「尊敬の念」とは、「相手のことを尊敬する気持ち」を表現する時に使う言葉です。

仕事で接する相手に対して憧れを抱いていても、その思いを直接伝える機会は少ないですよね。

ぜひこの機会に「尊敬の念」という言葉の正しい使い方をマスターして、上司や先輩、取引先の相手などに自分の気持ちを表現してみてはいかがでしょうか。

思いがきちんと伝われば、相手とより良い関係を築いていけるようになるはずですよ。

(にほんご倶楽部)

※画像はイメージです

※この記事は2023年11月28日に公開されたものです

にほんご倶楽部 (敬語・ビジネス用語専門編集プロダクション)

いつも使っているけれど間違った認識も多い「敬語」や「ビジネス用語」。人にはなかなか聞けない常識から応用編まで、日本語に関する情報を発信。

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