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【第6話】伏せられた家主の真相。紅葉の探す恩師と椿の隠された関係

#いちばんすきな花考察

やまとなでし子

恋愛・婚活コラムニストのやまとなでし子さんが、フジテレビ木曜ドラマ『いちばんすきな花』を毎週考察&展開予想するコラムです。“男女の間に友情は成立するのか?”をテーマに、違う人生を歩んできた4人の男女が紡ぎ出す“友情”と“恋愛”を描く同作。それぞれの価値観を持つ4人が考える“本当に大切なもの”とは――。

※このコラムは『いちばんすきな花』6話までのネタバレを含んでいます。

©フジテレビ

家をどうするか、で揺れまくる椿

突然の婚約破棄から、一人で暮らすにはあまりに手広になってしまった椿(松下洸平)の住む一軒家。そんなある日、突然の1本の電話が入り、そこから椿の様子に変化が。

一人暮らし用の部屋を探したり、いつものメンバー、ゆくえ(多部未華子)、夜々(今田美桜)、紅葉(神尾楓珠)を、あの手この手で家から外に連れ出そうとしたり。この家の居心地がいいと感じている3人に、家とは別の楽しさを感じさせて、家への愛着を薄れさせようとしているよう。

それでいながら、紅葉に一緒に住むことを提案するなど、どうするか心が決まらず揺れ動きまくっています。かと思いきや、紅葉の話を聞いてはっきりと引っ越しを決意し、家、というより前の家主へ何か、特別な思いがあるようです。

紅葉の恩人である、前の家主についての真相

©フジテレビ

椿は紅葉に「この家に前に住んでいた人」について尋ねます。

それは高校時代の恩師で、みんなからは嫌われていたけれど、唯一紅葉の辛さに気づいてくれた人なのだと。

「みんなから好かれ、親切でたくさんの友人にも囲まれている。学生生活を順風満帆に謳歌している太陽のような生徒」だと、他の先生は紅葉のことを評価する中、「本当は友達いないでしょ。毎日無理に笑ってて苦しくないの?」と、直球かつ辛辣でありながら、紅葉の本当の苦しみに気づいてくれた唯一の先生でした。

何を聞いても「へー」とか「ふーん」しか言わないけど、でも最後は「またおいで」と、紅葉の気持ちを肯定するでも否定するでもなく、ありのまま受け入れてくれたことが、紅葉にとっての救いとなっていたのでしょう。

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紅葉には「前の家主のことは知らない」で通していた椿ですが、どうやら実はつながりがありそうで……紅葉の話を聞くことで「ありがとう」と、なぜかお礼を伝え、引っ越しの決意をしたようです。

前の家主は「椿の父」説

これは「何に対してのありがとう」なのでしょうか。前の家主のことをそうやって紅葉が慕ってくれていたことがうれしかったということでしょうか。であれば、前の家主の「なんらかの思いを引き継ぐ」形で椿がこの家に住んでいて、紅葉の言葉でその思いが満たされた、または達成されたような何かがあったのでしょうか。

「この家に住みたい」という人が出てきた、とのことでしたが、それを仲介しているのが前の家主なのか、それとも実はもう亡くなっているのか、も謎です。

それもまた、前の家主と椿の関係が明らかになることで、はっきりするわけですが、唯一椿の家族で登場していないのが椿の父という存在です。

椿の「ありがとう」の意味について

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もしかすると、椿の父が前の家主であり、紅葉の恩師、ということもあるかもしれません。花屋を切り盛りしているのは常に母と弟。父の姿は一切出てきていません。

例えば、実は両親が離婚しており、母と暮らしてきた椿。紅葉が恩師のことを「いつも不機嫌な人」と言っていたように、椿家の離婚理由の一つにもそれが関係するのかも……。

家族と離れ、一人で住んでいた父が大切にしていた家を、自分も大切にすることで、一人だった父を慰めるような、亡くなっているなら追悼するような意思を持って暮らしていた。

しかし、こうやって紅葉のように慕ってくれていた人が一人でもいることが分かったことで、ひとりぼっちではなかったことが分かり、この家に住む理由がなくなった。父を慕ってくれた紅葉の気持ちへの「ありがとう」だったりするのかもしれません。

未だ登場しない父への考察。果たして真相やいかに。

夜々がカタツムリを好きなわけ

ゆくえが「性別ってめんどくさい」という話を夜々にした時に、「生まれ変わったらカタツムリになろう」と夜々が返していました。

第一話でもまた見た目で嫌な目に会った時に「カタツムリになりたい……」を連呼していたり、スマホの待ち受けをカタツムリに設定していたり、勤めている美容院の名前までもがSnailだったりと、夜々がカタツムリを愛する理由がやっと分かりました。

カタツムリは雌雄同体といって、オスとメスの区別がありません。母親にステレオタイプな女の子としての理想的な姿を求められ、かわいい女の子であることから嫌な目にたくさんあってきた夜々。カタツムリのように性別のない世界でのびのびと生きてみたい、という夢と憧れがそこにあったのですね。

自分はOK、でも他人は認められない、のあるある

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ゆくえは元親友、赤田(仲野太賀)と偶然にも椿の家で再会することに。椿のことは友人だと伝えても、椿との関係を疑い、嫉妬からブチギレる赤田。自分自身もゆくえとは、友人関係だったにも関わらず、他人の男女の友情は認められないようです。

というより、自分しか友人がおらず、彼氏もいなかったはずのゆくえが、突然他の男性の家にゴミ袋買って上がってきていたら、恋人関係かと驚いたり勘違いしたりする赤田の気持ちも分からなくはありません。

混乱している状況で、心の整理ができないまま、嫉妬や理解ができない状況から、椿との友情が腑に落ちずにいたのでしょうか。

出会い方が街中で、いかにも友人かのような状況で出会っていたらまた少し違っていたかもしれませんね。結局赤田は「男女の友情を否定して、関係を壊そうとする」という自分が嫁にされたことを、ゆくえにやってしまったわけですが。

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ゆくえがこれについていいことを言っていました。「結局は全部人それぞれ。他人の価値観に理解なんかできない。知って干渉しなければいい」これが全人類できれば、世界は平和に回っていくのでしょうね。

それにしても椿はちょろすぎます。赤田の営業トークにまんまと乗ってしまうあたり、「この家は風水的に悪い!」とかなんとか言いがかりをつければ、高いツボも売りつけられそうです。

小さなことから感じる愛

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夜々がゆくえの家に泊まりに行った時に、準備されていたお揃いのパジャマ。ちゃんと夜々の好きな色である、紫を買っていてくれたことに愛を感じました。夜々のお母さんは夜々が好きだと信じてやまないピンクを押し付けていましたが、こうやって「自分の好き」をちゃんと覚えていてくれる人がいることで、また一つ夜々の心が救われたのではないでしょうか。

そして今回、紅葉がゆくえを好きなことに、ゆくえ自身も気づいていることが分かりました。ゆくえも、紅葉も、お互いの関係を壊さないように、好意は自分の中に収めて気づかないふりをしていることも。

そして、夜々が椿を好きな気持ちはそれに合わせなくていいよ、とも。

ゆくえも紅葉も、気遣い方が全く同じで、お似合いな優しい二人のように見えますが、夜々はこれからどうするのでしょうか。椿は一人、全く気持ちに気づいていなさそうで平和です。友情から恋へ、気持ちの変化はどんなドラマを生み出すでしょうか。また次回。

(やまとなでし子)

※この記事は2023年11月23日に公開されたものです

やまとなでし子 (コラムニスト)

大和撫子とは対極にいるアラサーJK(女子会社員)。バチェラーを始めとした恋愛リアリティ番組、ドラマ、合コン、婚活、過去出会った世にも不思議な男性たちや日常についての備忘録をTwitterとブログで綴っている。インスタでは綺麗めファッションコーデを日々更新。

Twitter:@yamatonadeshi5
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ブログ:男性見聞録

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