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【第11話】意外なとこでの伏線回収と、自信をくれた出会いと友情

#いちばんすきな花考察

やまとなでし子

恋愛・婚活コラムニストのやまとなでし子さんが、フジテレビ木曜ドラマ『いちばんすきな花』を毎週考察&展開予想するコラムです。“男女の間に友情は成立するのか?”をテーマに、違う人生を歩んできた4人の男女が紡ぎ出す“友情”と“恋愛”を描く同作。それぞれの価値観を持つ4人が考える“本当に大切なもの”とは――。

※このコラムは『いちばんすきな花』11話までのネタバレを含んでいます。

©フジテレビ

一人では得られなかった幸せ

引っ越しを目前に控えた椿(松下洸平)の家に、最後に皆で住むことに。「お風呂沸かしてあるよ」とか、椿の好きなパンを買って帰るとか、それぞれが相手を思い遣って生まれる行動の数々は一人では感じられなかった幸せです。

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みんなを生き辛くしていたはずのコンプレックスがあったから、こうやって友情が生まれ、一時的とは言え一緒に住めるまでの関係になりました。最初の頃からは想像もつかない多幸感あふれるシーンに、視聴者の心も幸せでいっぱいに満たされました。

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そして巡り巡って催されることとなったサブキャラ食事会。サブキャラ一同が椿の家に会し、カレーを食べることに。その中にはもちろん、ゆくえ(多部未華子)の元親友・赤田(仲野太賀)の姿もありました。

友達0人になったら4人に増えた

その帰り、赤田はゆくえを連れ出し、二人で話すことに。ゆくえも最初は少し気まずそうにしたものの、息ぴったりの元大親友はすぐに意気投合。話の流れで赤田に子どもができたと勘違いし、ゆくえは自分のことかのように大喜びします。

それを見て赤田も、ゆくえは結婚も自分のことのように喜んでくれたことを思い出し、「女だから(友人だと言っても心配になる)ってのは分かる。でもゆくえはこんな人だっていうのを嫁に伝えた」と話してくれます。

「イチ女友達」ではなく、ゆくえという一人の人間として見てくれたことで、二人の友情は復活することになりました。

しかし、赤田の結婚や嫁ブロックによる友情の終焉が来なければ、ゆくえにはこの3人の最高の親友はできていなかったし、友人は今でも赤田だけだったはずです。

唯一の友達がいなくなったと思ったら、気づけば4人に増えていたゆくえ。

最悪なことが起こっても、人生の長い線で見れば一つの点でしかなく、その先にはたくさんの幸せが待っているかもしれないのだと、勇気をもらえるストーリーでもありました。自分の居場所を決めつけて固執しなくても、実は自分が花束の一つとして輝ける場所はきっといくらでもあるのです。

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そして、赤田と奥さんのやりとりで、奥さんもゴミ袋の入っていた袋を、ゴミ袋として再利用するくだりがありました。これはゆくえと全く同じ。もしかすると近い将来、ゆくえが「赤田の女友達」ではなく、赤田の奥さんも含めた「赤田家の友人」として関係が広がっていくことの示唆かもしれません。

マグカップの色に込められていたメッセージ

4人の友情の証の一つである色違いのマグカップ。この色にもメッセージが込められていました。

赤は女性のもの、などとつい思ってしまいがちですが、椿が赤、ゆくえが水色、というように、あえてそういった固定観念にとらわれない色を当てはめることで、男女の型にはめて決めつけたりせず、自分の好きを優先して、心地良いものを選んでいったらいいよ、という意味が込められていたのではないでしょうか。

そして、彼らはあえてこのマグカップは持ち帰らず、美鳥(田中麗奈)の家に置いていくことを選びました。美鳥はこれを見て、まるで4人が「おかえり」と出迎えてくれているような気持ちになったかもしれません。

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「いちばんすきな花に好きな理由はいらないし、いちばんすきな人は一人じゃなくていい」そう語る美鳥のいちばん好きな花・ガーベラが、最後に4本花瓶に生けられていたのも、この大好きな4人を暗喩しているのだと思うと、ここもグッと胸が熱くなるシーンでしたね。

その伏線回収まであったとは!

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「まさかそこの伏線回収まであったとは!」と驚いた方も多いのが、力士の場面ではないでしょうか。ちびっこ相撲大会で、皆が勝利を予想していた体の大きい子を体の小さな子が負かしたお話。

皆は番狂わせを巻き起こした、小さな子の勇姿に感動していたけれど、ゆくえは皆の期待に応えられなかった大きな子の気持ちを心配していました。

そのどちらかが立派な力士となり「今までの経験や感情、全てに意味があった」とインタビューで答えたことで、あの時の経験が辛いもので終わらず、プロとしてここまでくるための糧になったのだと分かり、ゆくえの心配が杞憂となりました。

まさかこんな小さなストーリーまで伏線として拾ってくれるとは。このドラマの伏線回収があまりに多すぎて……! きっとまだまだ小さな伏線が隠れていそうで、通しでもう一度見たいものです。

出会いと友情が嫌いな自分を変えてくれた

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心を許せる相手がいなかったこの4人が、ひょんな出会いから一緒に暮らせるまでの関係を築き、今や、「椿の家」という彼らをつなぎ止めていたものがなくとも、いつでも会える強固な友情ができ上がりました。

最初の頃、話す相手が欲しくてタバコを吸わないのに喫煙所に行っていたり、友達ではない相手を友達だと自分にいい聞かせて、無理して一緒にいたり、誤解されて友人ができなかったり、そもそも二人組が苦手だったり。自分の嫌いな自分を理解しつつ、内に隠して生きてきた4人。

今では、付き合いの結婚式には無理して出席しないし、みんなの目を気にして受けていた同窓会の幹事役もやめ、グループLINEを抜けました。美容院だって2回連続で同じところに行き、関係を築けるようになった。

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それぞれが「無理していた自分」から少しずつ変わり、ありのままの姿を外でも出せるようになってきたのも、この4人の出会いと友情がさまざまな気づきをくれ、自分に自信を持たせてくれたからなのでしょう。

これからも幸せな未来しか見えないこの4人+1人。私たちにとっても「たくさんのいちばんすきな花」となった登場人物たちの幸せを願いながら、終わりにしたいと思います。連載を読んでいただきありがとうございました。

(やまとなでし子)

※この記事は2023年12月28日に公開されたものです

やまとなでし子 (コラムニスト)

大和撫子とは対極にいるアラサーJK(女子会社員)。バチェラーを始めとした恋愛リアリティ番組、ドラマ、合コン、婚活、過去出会った世にも不思議な男性たちや日常についての備忘録をTwitterとブログで綴っている。インスタでは綺麗めファッションコーデを日々更新。

Twitter:@yamatonadeshi5
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ブログ:男性見聞録

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