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「お気をつけてお帰りください」とは? 意味・使い方・言い換え表現を解説

にほんご倶楽部

「お気をつけてお帰りください」は、お客様を見送る時やこれから会社に帰る上司への気遣いの言葉として使われます。ビジネスシーンで役立つフレーズですので覚えておくと便利でしょう。今回は、「お気をつけてお帰りください」の意味や言い換え表現について解説します。

「お気をつけてお帰りください」は、お客様が帰る時や上司が帰社する時などに使う表現です。相手への気遣いを示すことができるので、覚えておくと役立つフレーズでしょう。

今回は、「お気をつけてお帰りください」の意味や使い方を例文と共に解説します。また、言い換え表現についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

「お気をつけてお帰りください」の意味

「お気をつけてお帰りください」の「気をつけて」とは、これから出かける相手に対して送り出す時のあいさつです。意味を辞書で調べてみましょう。

お気をつけて

出かける相手を送り出す際などにかける挨拶。「気をつけて」の「気」に「お」をつけて、より丁寧に表現した言い方。「お気をつけて行ってらっしゃいませ」などのような表現で用いる。

(出典:『実用日本語表現辞典』)

最初に「お」をつけることで丁寧な表現として扱うことができますが、ビジネスシーンでは他の敬語表現と組み合わせることが多く、そのうちの1つとして「お帰りください」をつけて「お気をつけてお帰りください」と表現します。

「お気をつけてお帰りください」は、相手が無事に目的地までたどり着けるように祈る気持ちを示す言葉といえるでしょう。

「お気をつけてお帰りください」の使い方【例文付き】

「お気をつけてお帰りください」は、お客様や上司に対して用いることが多いフレーズです。

それぞれのシーンでの使い方を見ていきましょう。

上司に対して使う場合

上司に対しては、これから会社に帰るという連絡に対する返信の中で「お気をつけてお帰りください」を使うことが多いです。

帰宅することを「承知しました」とただ受け取るだけでなく、「気をつけて帰ってきてほしい」という意味合いでこの言葉を添えることで、さらに丁寧で相手を敬う表現になります

例文

「道中お気をつけてお帰りください」

「承知しました。お気をつけてお帰りください」

お客様に対して使う場合

お客様に「お気をつけてお帰りください」を使う時には、「安全に気をつけて帰ってほしい」という気持ちを伝えられます

別れのあいさつ代わりにもなるため、そのままストレートに「さようなら」や「ありがとうございました」と述べるよりも、相手に気遣いを示すことができるでしょう。

また、天候が悪い日には「雨で足元が悪くなっているため、お気をつけてお帰りください」と言葉を付け足すのもおすすめです。

例文

「本日はご来社ありがとうございました。お気をつけてお帰りください」

「お忙しい中お越しいただきありがとうございました。どうかお気をつけてお帰りください」

「雨でお足元が悪くなっているので、お気をつけてお帰りください」

「お気をつけてお帰りください」を使う時の注意点

「お気をつけてお帰りください」は、使う相手や言い方に注意が必要なフレーズでもあります。失礼にならないように、次のポイントを意識して使用しましょう。

(1)必要に応じて言葉を付け足す

「お気をつけてお帰りください」は、直属の上司などよく関わる目上の人に使えるフレーズです。

しかし、普段関わりがない相手に対して用いる時はこの言葉だけだと心もとない印象があるかもしれません。

その場合は、ただ「お気をつけてお帰りください」と述べるだけでなく、「このたびはお疲れ様でした」や「大変お世話になりました」といった、相手を労わる言葉を付け足すと良いでしょう。

(2)二重敬語に気をつける

「お気をつけてお帰りください」は、頭に「お」を付ける表現が2回続いていることから、二重敬語なのではと不安に思う人もいるかもしれません。

しかし、「お気をつけて」は丁寧語、「お帰りください」は尊敬語であり、同じ種類の敬語を二度使っていないことから二重敬語にはなりません

ただし、「お気をつけてお帰りになられてください」は、「お帰りになる」と「帰られる」という尊敬語を二度使用している形になるためNGです。

丁寧な表現にしようとすると、つい二重敬語になってしまいがちになるため気をつけましょう。

(3)気配りのある表現を心掛ける

「お気をつけてお帰りください」は、帰宅する相手に対して台風や大雨、地震といった悪天候や災害で、交通の便が乱れている時の別れの言葉としても使うことができます。

しかし、普段と違って帰宅や帰社するまで時間が掛かりそうな状況の時は、このフレーズだけでは心が込もっていない印象を与えてしまうかもしれません。

そんな時は、「道中、雨で足元が悪くなっているかと思いますが、どうかお気をつけてお帰りください」といった、具体的に気遣う表現を付け足すのがおすすめです。

大切なのは、相手が安全に帰ることへの気配りを示すことだと覚えておきましょう。

「お気をつけてお帰りください」の言い換え表現

「お気をつけてお帰りください」は、そのままでも幅広い相手に使えるフレーズですが、似た意味を持っている類似表現を知ることで、さらに適切なあいさつができます。

ここでは「お気をつけてお帰りください」の2つの言い換え表現を紹介します。

(1)「お気をつけてお帰りくださいませ」

「お帰りください」よりも柔らかく、優しい印象を与えたい時は「お気をつけてお帰りくださいませ」を使ってみましょう。

語尾に「ませ」を加えるだけで、より丁寧な表現にすることができるのでおすすめです。

(2)「またのお越しをお待ちしております」

お客様が帰る時の言葉として、「また会いたい」「また来てくれることを願っている」といった意味で「またのお越しをお待ちしております」があります。

次につながるようなポジティブな言い回しになるため、接客業や取引先の相手が帰る時など、前向きな言葉を掛けたい時に使いたい表現です。

「お気をつけてお帰りください」は相手の道中を気遣う時に使える言葉

「お気をつけてお帰りください」は、お客様を見送る時やこれから会社に帰る上司への気遣いの言葉として使われます。

使用シーンはさまざまですが、共通しているのは相手の道中の安全を願っていること

上司や取引先の人などの目上の相手に用いることが多いフレーズですので、ぜひ使い方をマスターしてビジネスシーンで生かしていきましょう。

(にほんご倶楽部)

※画像はイメージです

※この記事は2023年10月24日に公開されたものです

にほんご倶楽部 (敬語・ビジネス用語専門編集プロダクション)

いつも使っているけれど間違った認識も多い「敬語」や「ビジネス用語」。人にはなかなか聞けない常識から応用編まで、日本語に関する情報を発信。

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