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「出会う」と「出逢う」の違いとは? 意味・例文・類語を解説

にほんご倶楽部

「出会う」と「出逢う」の言葉の違いをご存知でしょうか? それぞれの意味をきちんと理解し、使い分けることで、自分の気持ちを正確に伝えやすくなります。今回は、「出会う」と「出逢う」の違いをひも解いていきましょう。

人と人、そして人と作品など、人生において出会いの機会は多いもの。「出会う」や「出逢う」などさまざまな書き方がありますが、果たして正しく使い分けができているでしょうか。

今回は、「出会う」と「出逢う」の違いをひも解いていきます。それぞれの言葉の意味や使い方、類語を知りたい方はぜひ最後まで読んでみてくださいね。

「出会う」と「出逢う」の違いとは

まずは、「出会う」と「出逢う」のそれぞれの意味を詳しくチェックしてみましょう。

「出会う」の意味は「偶然もしくは約束してあうこと」

「出会う」を辞書で調べると、次のような意味があります。

であう【出合う/出会う】

1.(「出逢う」とも書く)人・事件などに偶然に行きあう。「街角で旧友と―・う」「帰宅途中に事故に―・う」
2.(出合う)ある場所でいっしょになる。「本流と支流が―・う地点」
3.出て立ち向かう。「曲者だ、皆の者―・え」
4.男女が密会する。「中二階に上がれば樽屋―・ひ、末々約束の盃事して」〈浮・五人女・二〉

(出典:『デジタル大辞泉』小学館)

「出会う」には大きく分けて4つの意味があり、一般的に用いられるのは「人・事件などに偶然に行きあう」でしょう。

また、「密会する」という観点から見ると、偶然ではなく「約束してあうこと」を指す場合もあると分かります。

「出逢う」の意味は「運命的にあうこと」

一方、「出逢う」はというと、「出会う」に一括されているため、取り立てて別の意味合いは用意されていません。いわば「出会う」の意味に含まれているともいえます。

ただし、偶然や必然といった次元とは別に、「運命的・宿命的にあう」といった解釈として知られているのが「出逢う」です。

「このであいは運命的だ」と思えるような、好意を寄せている相手であれば「出逢う」、またそれ以外(物事も含む)は「出会う」と覚えておくと良いでしょう。

「出会う」を使う時の使い方・例文

「出会う」は先述の通り、人や物事との偶然もしくは約束したであいを果たす時に使われます。

思いもよらない場所で思いがけない人にあった時や、約束していた相手とあった時は「出会う」を用いて表現すると良いでしょう。

ただし、敬語表現ではないため、目上の人の行動を表現する時は、尊敬語である「出会われる」や「お会いになる」などに言い換えることを推奨します

例文は以下の通りです。

例文

「出先でばったり友人に出会った

「彼女と待ち合わせ場所で出会う

「上司が帰省中に旧友と出会われたそうだ」

「出逢う」を使う時の使い方・例文

「出逢う」は、運命的・宿命的ともいえる人や物事とのであいを意味する言葉です。

好意という感情が伴う時に用いるのが一般的で、「これは奇跡的なであいだ!」と感じるシーンで「出逢う」を使うと、自分の高ぶった感情を伝えやすい^でしょう。

また、「出会う」と同じく敬語表現ではないため、目上の人の行動を指す時は「出逢われた」などの尊敬語を用いて表現するようにしてください。

例文は以下の通りです。

例文

「この作品との出逢いは、もはや運命的ともいえます」

「私は生まれ変わってもなお、彼と出逢うでしょう」

「上司とその奥様は、行きつけのカフェで出逢われ結婚に至りました」

「出合う」や「出遭う」との違い

「出会う」と「出逢う」以外にも、「あう」ことを意味する「出合う」や「出遭う」といった言葉があります。

いずれも「出会う」に統括されているともいえますが、正しい使い分けをチェックしてみましょう。

出合うの意味

まず、「出合う」は「出会う」の意味にもあった通り、何かと何かが「ある場所でいっしょになる」ことを表す言葉です。

人同士があうことにも使えますが、どちらかというと「出合う」は物と物、もしくは人と物とがあうことを指します

人と人があうことは「出会う」、物が関わってくる場合は「出合う」を使いましょう。

出遭うの意味

次に、「出遭う」ですが、「遭う」という言葉には「好ましくないことにあう」といった意味が含まれています。災害にあう「遭難」や「交通事故に遭う」の「あう」も、こちらの漢字です。

「出会う」や「出逢う」、また「出合う」にも、特にネガティブなニュアンスは含まれないため、マイナスな事態にあった時のみ「出遭う」を使うと覚えておくと良いでしょう

「出会う」「出逢う」の類語

「出会う」や「出逢う」の他にも、人や物事とあうといった意味を持つ単語はたくさんあります。そのであいがどのようなものだったのかを、具体的に伝えるためには、言葉の使い分けが大切です。

ここでは、「出会う」と「出逢う」の類語を紹介します。

(1)「遭遇」

「遭遇」も「出会う」と同じく、不意・偶然にあうことを意味する言葉です。

日常でも使われる表現ではありますが、よく見ると好ましくないであいを指す「遭」の漢字が使われています。

本来の意味を重視するなら「修羅場に遭遇する」や「熊に遭遇する」など、ネガティブなものとのであいに絞って使用しましょう

(2)「鉢合わせ」

「鉢合わせ」は、思いがけないであいを表す言葉です。また、「頭同士がぶつかり合うこと」といった意味もあります。

「運悪くであってしまった」といったニュアンスで使われることが多いので、使用する際は失礼にならないよう気を付けましょう。

(3)「出くわす」

「出くわす」も、思いがけないであいを意味する言葉で、ばったりであったということを伝えられます

漢字では「出会す」とも書くため、「出会う」を応用するイメージで考えると良いかもしれません。

(4)「見出す(みだす)」

「見出す」は、見始めるの他、見つけだす・見いだすといった意味もあります。

人と人とのであいには適していませんが、作品や適切な解決策などを発見した時の表現にぴったりです。幸せや生きがいといった、大きなテーマとのであいにも「見出す」を用いると良いでしょう。

(5)「巡り合い」

「巡り合い」は、書いて字のごとく、巡り巡ってあうことを意味します。「邂逅(かいこう)」とも言い換えられ、であいが思いがけないものだというニュアンスを含む言葉です。

「出会い」や「出逢い」のシンプルな言い換え表現と覚えておくと役立つでしょう。

「出会う」は単純なであい、「出逢う」は運命的なであい

同じ「あう」という意味を持つ「出会う」と「出逢う」ですが、その決定的な違いはであい方にあります。「出会う」は偶然もしくは約束してあうこと、「出逢う」は運命的にあうことと覚えておきましょう。

また、事故などネガティブなであいには「出遭う」が、物事とのであいには「出合う」が適しています。

類語もマスターして、であいにまつわる感情や意味合いを明確に伝えられる人を目指してみてはいかがでしょうか。

(にほんご倶楽部)

※画像はイメージです

※この記事は2023年09月27日に公開されたものです

にほんご倶楽部 (敬語・ビジネス用語専門編集プロダクション)

いつも使っているけれど間違った認識も多い「敬語」や「ビジネス用語」。人にはなかなか聞けない常識から応用編まで、日本語に関する情報を発信。

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