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リーダーになって、初めて知る面白さがある――ハーゲンダッツ ジャパン株式会社 人事グループマネージャー・矢野優子さんの素顔

#リーダーの素顔

太田 冴

経営者やいわゆる「リーダー」って、どうしても私たちとは違う世界の人……と思ってしまいがち。でも、リーダーたちも毎日寝て、起きて、ご飯を食べて……そして仕事をしている普通の人。そんなリーダーの素顔を探るべく、「子どもの頃はどんな子だった?」「毎日どれくらい働いている?」「やっぱりタワマン住みですか?」など、素朴な疑問をぶつけます。

取材・文:太田冴
撮影:稲垣佑季
編集:錦織絵梨奈/マイナビウーマン編集部

経営者やマネージャーなどのいわゆる「リーダー」って、どうしても私たちとは違う世界の人……と思ってしまいがち。でもリーダーたちも毎日寝て、起きて、ご飯を食べて、そして仕事をしていて……私たちと同じように生活を送る、ビジネスパーソンの一人でもあります。

そんなリーダーたちの素顔や、これまでを探る本企画。今回の「リーダー」は、日常をがんばる私たちの“ご褒美”の代名詞とも言える「ハーゲンダッツ」を製造・輸入・販売するハーゲンダッツ ジャパン株式会社人事グループマネージャーを務める矢野優子さん

長らく商品開発やマーケティングに携わったのち、40歳を過ぎて初めて人事の世界に飛び込んだ矢野さん。「最初はマネージャーをやるつもりなんてなかったのだけれど」と添えながらも、背中を押されて引き受けた先に出会った“仕事の面白さ”について、語ってくれました。

二人の思春期の娘さんの子育てに奮闘しつつも、土日は趣味の畑仕事に勤しむという自然体なプライベートにも注目です。

矢野優子さん

1997年、ハーゲンダッツ ジャパン株式会社に入社。営業本部に配属。首都圏エリアのチェーン・卸店を担当。1999年、マーケティング本部に異動。日本発の商品クリスピーサンド発売に関わる。ほかミニカップ・バーなどあらゆる形態の新商品企画を担当。その後、産休を経て営業推進本部、コーポレート本部などを歴任。2022年より、コーポレート本部人事グループマネージャーに就任。現在、2児の母として育児と仕事を両立しながら社員の働きやすさ・働きがいの施策に取り組む。

知らぬ間に学級委員長に。「任されがち」な学生時代

Q.1 幼少期はどんな性格でしたか?

3歳年上の兄と一緒に、外で走り回って遊ぶようなアクティブな子どもでした。小学4年生のときに初めて引っ越しをして、出来上がった人間関係の中に飛び込む経験をしてから、少しずつ自己開示に悩んだり、おとなしくなったり、という性格の変化があったように思います。

Q.2 思春期は学校でどんな存在でしたか?

それなりに友達もいて、それなりに部活もやって。別に目立つこともなければ、みんなを引っ張っていくようなタイプでもなかったような気がします。ただ、学級委員長だけはなぜかやらされることが多かったです。

一番ひどいときは、たまたま学校を休んだ日に勝手に学級委員長に任命されてしまっていたときもありました(笑)。ちょっとは抵抗してみるのですが、最後は諦めて引き受けるしかなくて。頼まれたら「いやだ」と言えない性格だということを、先生にも友人にも見抜かれていたのでしょうね(笑)。

Q.3 学生時代にアルバイトはしていましたか?

大学生の頃は4年間、ファミレスでホールのアルバイトをしていました。これも同様に、長く続けているものですからだんだんと任される仕事が増えていって、時給も上がっていったのを覚えています。基本的に、人から任されて伸びるタイプのようです。

Q.4 大学時代はどのようなことを学んでいましたか?

フランス語を学んでいました。とはいえ、フランス文学に興味があったわけではなく……語学をやろう、と思った時に「フランス料理っておいしそうだなぁ」という10代のピュアな好奇心だけでフランス語を専攻することに決めました。あまりに単純ですが、その頃から食べることが大好きだったんです。

短期留学で、1~2カ月間フランスに滞在したことも。「本当に毎朝クロワッサンを食べるんだ!?」と衝撃を受けたことを覚えています。フランスのカフェで食べるクロワッサン、本当においしいんです。

乗り気じゃなかったリーダー職も、やってみて初めて知る面白さがあった

Q.5 人事マネージャーに就任された経緯を教えてください。

人事グループに異動してきたときから「マネージャーをやったら?」というお声はいただいていたのですが、私自身はマネージャーになりたいとは思っていませんでした。当時、中学2年生と小学6年生の娘がいましたし、やはりマネージャーになるとそれだけの責任が伴います。二人の子育てだけでも大変なのに、自分の仕事に加えてメンバーや会社のことも考えなければならない立場になるというのは大変すぎるのでは……と思ったのです。

そんな風に億劫に感じていた私の背中を押してくれたのは、当時の上司にあたる人の存在と、人事の仕事のおもしろさを知ったことでした。当時の上司がすごく楽しそうに人事の仕事を教えてくれたおかげで、マネージャーになると得られる情報が増えることや、できる仕事の幅が増えていくことを魅力的に感じることができました。そこで、いちメンバーでとどまるのではなく、マネージャーになってみるのも良いかも、と思えたのです。

今も正直、マネージャーであることに自信を持てているわけではないのですが、必ずしも自信がある必要があるわけではないのかなと思っています。私にとっては「より良い会社にしたい」という目標を持てたことがマネージャー職を務めるやりがいになっています。

Q.6 マネージャーに就任してから一番大変だったことは何ですか?

やはり、人事経験が無い中で40歳を過ぎて初めて人事の仕事を学んだことでしょうか。本当になんにも知らない状態で人事に異動して……それこそ、どうやって給与が計算されているのか、どんな人事制度があるのかなどを、ゼロから学ぶ必要がありました。外部の研修にも参加して、毎日必死で勉強していたので、頭がパンクしそうになったことも。

ただ、ひとつひとつの制度について「どういう目的でこの制度が存在しているのか」という背景を紐解いていくうちに、私自身がこれまでこの会社で働きやすさを感じてきた理由を知ることができました。私の仕事は、社員の働きやすさややりがいに直結するんだ、と実感してから、仕事の面白さがグンと増した気がします。

Q.7 逆に、マネージャーに就任してから一番うれしかったことは何ですか?

この仕事をしていると「この制度ってどういう意味ですか?」などと社員から直接質問を受けることがあるのですが、一見難しい人事制度でも、噛み砕いて説明すると納得してくれるんです。人事の仕事はなかなか感謝されることはありませんが、一生懸命説明したことに対して「わかりやすかった」と言ってもらえるとすごくうれしく感じますね。

もちろん、人事制度の内容はさまざまですからすぐには納得してもらえないケースもありますが、直接社員の声や意見を聞けるのも貴重なチャンス。今後どう変えていけばいいのか、を考える機会になるので、とてもありがたく感じています。

Q.8 仕事でやりがいを感じるのはどんな時ですか?

ちょうど昨年人事制度が大きく変わったばかりなのですが、人事制度に絶対的な正解やゴールはありません。いつまでも「どうしたら良くできるか」を考え続ける必要があると思うんです。

ある人にとっては魅力的な制度も、別の人からしたら良くない場合もある。それをどう調整していけるのか、というのを考え続けるのに終わりはありませんし、だからこそずっとやりがいを感じていられるのでは、と思います。

The 朝型なタイムスケジュール。多忙な生活を支えるのは「とにかくぼーっとする時間」

Q.9 毎日のタイムスケジュールを教えてください。

平日はだいたい毎朝4時に起きて、掃除・洗濯などの家事を済ませます。そのあとは娘二人分のお弁当を作って、夫や娘たちが起きてきたら一緒に朝食を食べる。家族がみんな出かけたら自分の支度をして、大体8時半ごろには会社に着くようにしています。

起床が早いのですが、夜はだいたい22時ごろには寝てしまうので、そこまで睡眠不足ではないんですよ。飲み会が無ければ、ですが(笑)。

出社して、メールチェックなどを済ませたあとは大体ミーティングが続いて、夕方ごろからようやく自分のタスクをこなす時間。伝票の承認など管理者としての仕事を済ませて、基本的には19時に退社して、20時ごろに帰宅できるようにしています。

もちろん残業が必要な日もありますが、どんなに遅くても会社に残るのは20時まで。これは、家族との時間を死守するために私の中で決めているタイムリミットです。

夕食は、その日の帰宅時間や夫の仕事の状況によってまちまちなのも、我が家のあり方。夫が在宅勤務であれば用意してもらいますし、みんながそろう日は簡単に作って一緒に食べたり、作り置きで済ませたり、無理のない範囲でやっています。

夕食後は完全なリラックスタイム。身支度をして、22時にはベッドに入るようにしています。

Q.10 これだけは譲れないルーティーンはありますか?

お風呂のときは絶対に湯船に浸かるというのと、寝る前に枕にアロマスプレーを吹きかけること。ささやかですが、そうした工夫がちゃんと気分転換になるんですよね。

あとは、唯一の自分の時間と言っていい朝の時間は、とにかくぼーっとすることを心がけています。本当に、ぼーーーっとするだけ。

以前は洗濯物を畳む隙間時間にも英語の勉強をした方がいいかな、などと模索していたのですが、今となっては「何にも考えない時間」を作ることが一番大事だなと感じるんです。天気が良いなぁとか、お花が咲いているなぁとか。そういう感覚を持つ時間を忘れないようにしています。

週末の畑仕事にハマり中! 目下の悩みは娘二人の「お弁当作り」

Q.11 お休みの日はどんなふうに過ごしていますか?

自宅から自転車で40分くらいのところに小さな畑を借りていて、そこで野菜を育てているんです。なので、そのお世話をしに行くのが週末の日課です。娘にも手伝ってもらいながら、ピーマンやトマト、最近ではオクラなんかも育てています。

なんででしょうね、以前は鉢植えを買ってベランダで育てていても全部枯らしてしまうような人だったんです(笑)。でも、本当に絶望的にセンスが無いのか、それともしっかり土から手入れをしたら野菜は育ってくれるのか、というのを試したくなって、やってみたら意外とちゃんと育ってくれた。それが楽しくて、最近はすっかり土いじりにハマっています。

Q.12 プライベートの悩みはありますか?

お弁当作りが面倒なこと、ですね(笑)。娘が二人とも同じものを食べられたらまだ良いのですが、一人が卵アレルギーを持っているので、少し内容を工夫しなくてはいけなくて。

お弁当の中で「黄色」って意外に重要じゃないですか。卵を使えないとなると、とうもろこしを入れようか、かぼちゃにしようか、はたまた冷凍のグラタンを入れようか……と日々頭を悩ませています。最終手段は、なんでもカレー味で味つけしてしまうこと(笑)。そんなささやかな悩みを抱えながらなんとかやっています。

Q.13 今後の展望を教えてください。

「人の役に立ちたい」と言葉にしてしまうと平凡かもしれませんが、私の軸はそこだと思っています。何かを自分で成し遂げるというよりは、何かしら困っている人の手助けになるようなことがしたい。仕事の内容がなんであれ、ずっと人の役に立ち続けたいと思っています。

また、プライベートでは土いじりが本当に楽しいので、夢は大きく“自給自足”を目指して頑張りたいと思います!

※この記事は2023年07月22日に公開されたものです

太田 冴

ライター/平成元年生まれ。舞台、韓国ドラマ、俳優、アイドルグループ、コスメなどを幅広く愛する雑食オタク。ジェンダー・ダイバーシティマネジメント・メンタルヘルスなどの社会問題にも関心あり。30歳で大学院に入学し、学び直しをしました。

●note:https://note.com/sae8320

●Twitter:https://twitter.com/sae8320

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