「これもひとえに」の意味とは? 使い方も解説(例文つき)
「これもひとえに」はビジネスシーンでよく聞く言葉ですが、意味を正しく把握しているかと聞かれたら自信がない人もいるのでは? 本記事では、「これもひとえに」の意味や使い方を例文つきで解説。また、言い換え表現も紹介します。
ビジネスにおけるスピーチやあいさつで、よく「これもひとえに皆さまのご支援のおかげです」などというフレーズが使われます。
では、「これもひとえに」の意味とは? また、別の言葉で言い換えるとどうなる?
本記事では、「これもひとえに」の意味や使い方を例文つきで解説。また、言い換え表現も紹介します。
「これもひとえに」の意味
まずは「これもひとえに」の意味を確認しましょう。「ひとえに」を辞書で調べると、以下のように記載されています。
ひとえ‐に〔ひとへ‐〕【▽偏に】
[副]《名詞「一重 (ひとえ) 」+格助詞「に」から》1 ただそのことだけをするさま。いちずに。ひたすら。「御贔屓 (ごひいき) のほどを―お願い申し上げます」
2 原因・理由・条件などが、それに尽きるさま。もっぱら。「成功は―君の尽力による」
(『デジタル大辞泉』小学館)
辞書にある通り、「ひとえに」には、2つの意味があります。1つは、ひたすらそのことだけを行うさま。そしてもう1つが、原因や条件などがもっぱらその1つだけであるさまです。
漢字にすると「偏に」となることからも、行動や理由が何かに偏っている様子をイメージできるでしょう。
ビジネスシーンではよく2の意味で用いられ、「これもひとえに皆さまのご支援のおかげです」などと表現されます。本記事では、2の意味と使い方に関して解説していきます。
「これもひとえに」の使い方(例文つき)
「これもひとえに」の意味を確認したところで、今度は使い方を見ていきましょう。「これもひとえに」が使えるシーンを、例文とともに紹介します。
(1)感謝する場面
これまでお世話になったり支えてもらったりしたことへの感謝を表現する時、「これもひとえに」が使えます。
今の自分や会社、成果があるのは、もっぱら相手のおかげであるという深い感謝を伝えられます。
・「このたび、新人賞を受賞することができました。これもひとえに、ご指導いただいた皆さまのおかげです」
・「弊社はこのたび創業○周年を迎えました。これもひとえに、お客さまのお引き立てがあったからこそです」
・「このたび、○○社より今期最大規模の発注をいただくことができました。これもひとえに、皆さまのご尽力があったからこそです」
(2)謝罪する場面
「これもひとえに」は、謝罪の場面でも使えます。
「これもひとえに私の責任です」などと表現することで、原因は全て自分や自社にあるという反省の気持ちを伝えられるでしょう。
・「今回の騒動でご迷惑をお掛けしてしまった方々には、心よりお詫び申し上げます。これもひとえに、私の不徳のいたすところでございます。申し訳ありませんでした」
・「このたびは誠に申し訳ございませんでした。これもひとえに私の責任でございます」
▶次のページでは、「これもひとえに」を使う時の注意点と「これもひとえに」の言い換え表現を紹介します。