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【vol.5】上司からSNSの友だち申請を受けました

#職場問題グレーゾーンのトリセツ

社会保険労務士・村井真子さんの著書『職場問題グレーゾーンのトリセツ』(アルク)をお届けします!

新型コロナウイルスの流行により、私たちの働き方は急激な変化を遂げました。毎日定時に出社することが当たり前ではなくなり、入社以来一度も会っていない同僚がいるなんていう話も珍しくなく、副業が許される企業も増えました。

しかし、様々な働き方が選択できるようになった一方、会社の規則や労働法でもカバーできない問題点も出てきました。これはOKなのか? NGなのか? そうした職場の労務にまつわるモヤモヤとした悩みを、社労士の村井真子さんが解説する『職場問題グレーゾーンのトリセツ』(アルク)より一部をご紹介します。

上司からのSNSの友だち申請、どうする?

【相談】上司からSNSの友だち申請を受けましたが、ちょっと微妙です。

⇒【アドバイス】ソーハラの可能性も。気が乗らないことは伝えましょう。

LINEを含めたSNSは多くの人が日常的に使うコミュニティツールです。便利ですが、社内の人間関係を持ち込むとリスクも伴います。

SNSに仕事上の人間関係を持ち込んで嫌がらせや迷惑行為を行うことを「ソーシャル・ハラスメント(ソーハラ)」といいます。典型的な例は「いいね!」などのリアクションの強要、SNS上で公開している私生活情報への干渉、威圧的なコメントの書き込み、交友関係に対する口出しなどです。SNSはプライバシーに関する情報も書き込まれるので、そこから得た情報を本人の同意なく社内に流布することもソーハラになります。

こうしたソーハラにあわないために、自衛することが大切です。アカウントを複数使い分けたり、公開範囲を限定するなど対策をしておきましょう。

また、日頃からSNSではプライベートな友人からしか申請を受けないと公言しておくと、申請を断りやすくなります。

ある企業の調査(※1)では、先輩・上司のSNSアカウントと相互につながっていると回答した人に対して、どんな経緯でつながることになったのかを聞いています。最も多かったのは「会話の流れでつながった」でしたが、次いで多かったのが「上司に発見された」でした。この調査では、先輩や上司とつながったメリットを感じているとした回答もありましたが、「悪かった」という回答では「上司に常に監視されている気がする」「上司の承認欲求が面倒」「公私混同してしまう」など、職場の人間関係に影響を感じるとしたものも少なくありませんでした。

他のハラスメントと同様に、ソーハラも加害者は被害者が迷惑だと思っていないことが多いものです。したがって、自分が不快であることを伝え、改善を求めましょう。直接言いにくい場合は、社内のハラスメント相談窓口を活用することもできます。

※1 株式会社ビジュアルワークス「上司のSNSアカウントを探し出している! イマドキのSNSは複垢が常識?!

「10代・20代・30代のSNSに関する意識調査」

調査では社員の6人に1人が上司や先輩のアカウントを探しているというデータがあります。また、つながることをポジティブに反応しているのはインスタグラムであり、フェイスブックは否定的な反応が多いなど、捉え方の違いがあることが読み取れます。

※本記事は『職場問題グレーゾーンのトリセツ』村井 真子(アルク)より一部抜粋・編集しています

『職場問題グレーゾーンのトリセツ』村井 真子アルク

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URL:https://www.alc.co.jp/entry/7023008

※この記事は2023年07月04日に公開されたものです

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