「お迎えにあがります」を目上の人に使ってもいい? 意味や使い方の注意点
主にビジネスシーンで使われる「お迎えにあがります」という表現。目上の人に使ってもいい言葉なのでしょうか? 正しい使い方や例文、言い換え表現について解説します。
「お迎えにあがります」はビジネスシーンを中心に使われることがある言葉です。
この記事では、「お迎えにあがります」の意味や、シーンに応じて適切な使い方と例文を解説していきます。言い換え表現も説明するため、ぜひ参考にしてください。
「お迎えにあがります」の意味
「お迎えにあがります」は、相手がいる場所までに迎えに行くことを目的に、これから出かけるという意味を持っています。
たとえば「取引先の人を迎えに行く」という表現に、謙譲語の「あがる」を加えることで、へり下った丁寧な言い回しにしています。
ただし、「あがる」が「召し上がる」と混同されやすいというという点から、本来であれば目上の人にも使える丁寧な表現ですが、ビジネスシーンでは「お迎えにあがります」ではなく、「お迎えに参ります」など、他の言い回しを使った方が誤解を招きにくいでしょう。
「お迎えにあがります」の使い方と例文
「お迎えにあがります」をもとにした例文を紹介します。
例文
・8時にお迎えにあがりますので、ご準備をお願いします。
・明日、13時にホテルの前までお迎えにあがります。
・〇〇様のところへお迎えにあがります。
・これからお迎えにあがりますので、到着しましたら◯◯様にご連絡いたします。
目上の人やお客様に対して「お迎えにあがります」という表現を使います。
例えばタクシーの予約で「〇時までにお迎えにあがります」といった表現を使うこともあり、目上の人に対してへり下った言い方となります。
また、「お迎えにあがる」という表現を使う時は、日時と場所なども一緒に伝えることがポイントです。
「お迎えにあがります」を使う時の注意点
「お迎えにあがります」を使う時は、次のような点に注意しましょう。
(1)「お迎えにあがります」が最適ではない
「お迎えにあがります」という表現は、ビジネスシーンにおいてあまり適切ではないとされています。
なぜなら、現在では「あがる」という言い回しは「食べる」の尊敬語である「召し上がる」と混同をする人が多く、間違った敬語だと思われる可能性があるからです。
目上の人や上司に対して使う時は、謙譲語だと分かる「お迎えに参ります」など、他の表現を使う方がおすすめです。
(2)相手によっては「お迎えにいきます」でもOK
例えば、子どもたちの迎えなど、相手が目上や年上ではない時には、「お迎えにあがります」というへり下った表現は違和感があります。
相手が目上ではない時は「お迎えにいきます」や「迎えにいきます」でもOKです。
ただし、子どもを迎えに行くことを伝える相手が目上である場合は、謙譲語である「迎えに参ります」などの表現にするのがベターです。
(3)「お迎えいたします」と混同しないように注意
「お迎えにあがります」と同じ丁寧な表現として「お迎えいたします」という言い回しがあります。この2つは似ているものの意味が違うので注意が必要です。
「お迎えいたします」はこちらから相手のところに迎えに行くのではなく、こちらまでやってきた相手を迎え入れるという意味で使います。
よく似ていますが正反対の意味を持っているため、丁寧な表現にしようとして「お迎えにあがります」を「お迎えいたします」と言ってしまわないよう気を付けましょう。
「お迎えにあがります」の言い換え表現
「お迎えにあがります」にはさまざまな言い換え表現があります。
(1)「お迎えに参ります」
「お迎えにあがります」の言い換えとして「お迎えに参ります」という表現を使うこともできます。
「参る」は謙譲語であり、「お迎えにあがります」と同じ「迎えに行きます」という意味を持っています。
へり下った言い回しなので、目上の人に対して使える言い換え表現です。「お迎えにあがる」よりも、さらに丁寧な印象の言葉遣いをしたい時におすすめです。
(2)「お迎えに伺います」
「お迎えに伺います」も、へり下った表現として使われている言い回しです。「伺う」とは、訪問することの謙譲語で、参上すると同じ意味を持っています。
ビジネスシーンにおいて目上の人やお客様に対して使われている言葉です。
(3)「迎えに行きます」
ラフな表現として「迎えに行きます」も日常生活では十分な言い回しです。同僚や後輩に対して使う時におすすめです。
「お迎えにあがります」を使いこなそう
「お迎えにあがります」は上司やお客様などに対して使える言葉です。
使い方や注意点をチェックしながら、対象の人や状況によって、「お迎えにあがります」を使いこなしてください。
(にほんご倶楽部)
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※この記事は2023年04月11日に公開されたものです