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「いかがお過ごしでしょうか」の意味。メールや手紙での使い方例文と言い換え表現

にほんご倶楽部

「いかがお過ごしでしょうか」という言葉の正しい意味を知っていますか? 目上の人に使っていいのか、メールや手紙での例文などを紹介します。

「いかがお過ごしでしょうか」はビジネスシーンやフォーマルな場面で使用する近況を伺う際に使用されることが多い言葉となります。

比較的多く使われる言葉に感じますが、使い方や使う相手によっては注意が必要な言葉でもあります。

この記事では、そんな不安を解消するため「いかがお過ごしでしょうか」の正しい意味や使い方、言い換え表現などを詳しく解説していきます。

「いかがお過ごしでしょうか」の意味とは?

「いかがお過ごしでしょうか」は「いかが」と、「過ごす」を丁寧にした「お過ごし」、丁寧語である「でしょうか」の3つから成り立つ言葉です。

「いかが」と「でしょうか」はそれぞれどんな意味を持っているのか紹介していきます。

いか‐が【如=何】 の解説
[形動][文][ナリ]成り行きや結果を危ぶむさまを表す。どのよう。「その考え方は―なものか」
[副]
状態・意見などについてたずねるさま。どう。どのように。「御機嫌―」「この件は―いたしましょうか」

出典:『デジタル大辞泉』小学館

でしょう‐か〔でせう‐〕 の解説
[連語]「だろうか」の丁寧な表現。
不明・不確かなことを問い掛ける意を表す。「今、何時―」「あの方が先生―」

出典:『デジタル大辞泉』小学館

「過ごす」は「月日を送ること」を意味します。つまり「いかがお過ごしでしょうか」は、「どのように過ごされていますか?」という意味の、相手の近況を伺う言葉となります。

普段なかなか会わない相手や、久々に連絡を取る相手に対して「日ごろからあなたのことを気にかけている」という思いを伝えることで、ビジネスメールの雰囲気を和らげることができます。

「いかがお過ごしでしょうか」の使い方と例文

「いかがお過ごしでしょうか」は手紙やメールなどの文章として使うことが多く、時候のあいさつと共に使うのが一般的です。

「どのように過ごしていたか知りたい」「近況を伺う」という意味はありますが、実際には文章の書き出しに持ってくる儀礼的なもの。

「相手への気遣い」を示すことができるので、ビジネスを行う上ではしっかりと使えた方がいい言葉でしょう。

「いかがお過ごしでしょうか」に使われる「お過ごし」や「でしょうか」は丁寧な表現のため、目上の方や取引先相手に使用するものです。しかし自分より立場が下の人に使っても、問題はありません

ビジネスシーンだけでなく、例えば恩師へのあいさつ文などフォーマルな環境でも使用できます。

メール・手紙の例文

・「皆さま、いかがお過ごしでしょうか」

相手がひとりではない場合「皆さま」などと付け加えることで、複数人の安否を気遣うことが可能です。

例えば上司や恩師の家族へ手紙を書く場合は「皆さま」と付け加えることでご家族全員に対して「どのように過ごしていますか?」という問いかけができます。

・「秋風の候、いかがお過ごしでしょうか」

他にも、時候のあいさつと共に使用した形で使用することができます。先ほどもお伝えしたように「いかがお過ごしでしょうか」は、文章の書き出しとして時候のあいさつと共に使用するのが一般的です。

ここでは秋のあいさつである「秋風の候」としましたが、こちらの部分を変えればどのような季節にも使用できます。

例えば春なら「春暖の候」、夏なら「盛夏の候」などに入れ替えることで、季節ごとのあいさつとして汎用できるので覚えておきましょう。

「いかがお過ごしでしょうか」を使う時の注意点

使用方法を間違えると失礼になってしまう「いかがお過ごしでしょうか」というフレーズ。使い方を間違わないよう、注意点をご紹介しますので参考にしてみてください。

(1)相手の状況を考えること

この言葉は「相手が今現在どうしているのか分からない」ことを前提に使います。

相手が体調を崩していたりケガや入院をしていたり、身内を亡くしたばかりなど、あまりよくない状況だと把握している際に使うのは失礼でしょう。

こういう場合は「大変心配しております。いかがお過ごしでしょうか」などの気遣いフレーズを添えてみるとより心配の気持ちが伝わります。

(2)お見舞い文やお悔やみの手紙には使用しない

先にもお伝えした通り、相手の体調が悪いと分かっていてこのフレーズを使用するのはとても失礼です。ビジネスシーンやフォーマルな場面での文章に使用する言葉ですが、お見舞い文やお悔やみの手紙には使わないようにしましょう。

「儀礼的に使う言葉」とはいっても、相手によって使うかどうかを見極める必要があります。

「いかがお過ごしでしょうか」の言い換え表現

「いかがお過ごしでしょうか」には、他にも言い換えられる似た表現が存在します。相手や状況によって使い分けることで、良い印象を与えることができるかもしれません。

紹介する言い換え表現を参考にして、使い分けてみてはいかがでしょうか。

(1)「お変わりありませんか」

「お変わりありませんか」は、相手の暮らしに変化がないかを尋ねるあいさつ文です。

メッセージを送る相手の状況だけでなく、健康状態にも変化がないか伺う言葉です。

「いかがお過ごしでしょうか」がメールなどの文章内で使うことが多いですが、「お変わりありませんか」は久しぶりに会った人など、会話内で安否を尋ねる場合にも使うことが多いです。

文章の場合は「お変わりなくお過ごしのことと存じます」と丁寧な表現で伝えるのがおすすめです。

(2)「お元気ですか」

「いかがお過ごしでしょうか」よりもカジュアルでフランクな言い回しが「お元気ですか」という表現です。

同じく健康状態を気遣うものですが、目上の人ではなく、親しい間柄や、自分と同程度の立場の人、親戚などにも使われます。

もし目上の人に使うなら「お元気でいらっしゃいますか」のように丁寧な表現に変換する必要があります。しかしいくら丁寧でも、社長など自分よりも遠く離れた立場の人への使用は向いていないので注意してください。

(3)「つつがなくお過ごしでしょうか」

「つつがなく」は「つつがない」から来ていて「病気や災難などなく日常を送っている」「平穏無事だ」のような意味合いがあります。

つまり「健康で過ごしていますか」「平穏な日々をかわらず過ごしていますか」というニュアンスになります。「順調に物事が進む」という意味もあるので、仕事に関しての内容も気遣うことができます。

「いかがお過ごしでしょうか」は相手の近況を伺う言葉

「いかがお過ごしでしょうか」は、ビジネスやフォーマルなシーンで相手の安否を確認する言葉です。儀礼的な部分もありますが、しっかりと相手を思って使えばそれは伝わります。

また、使う際には注意すべきこともあるため、言葉の意味を理解して使うようにしましょう。

(にほんご倶楽部)

※画像はイメージです

※この記事は2023年04月11日に公開されたものです

にほんご倶楽部 (敬語・ビジネス用語専門編集プロダクション)

いつも使っているけれど間違った認識も多い「敬語」や「ビジネス用語」。人にはなかなか聞けない常識から応用編まで、日本語に関する情報を発信。

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