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「ご連絡差し上げます」の正しい使い方とは? ビジネスで使う時の注意点

にほんご倶楽部

ビジネスシーンでよく見聞きする言葉「ご連絡差し上げます」。この表現は、敬語として本当に丁寧なのでしょうか? この記事では、「ご連絡差し上げます」の正しい意味と使い方、使用時の注意点を詳しく解説します。

「ご連絡差し上げる」は取引先やお客様に「後から連絡する」ことを伝える謙譲語です。みなさんもビジネスシーンで目にする機会が多くあるのではないでしょうか。

しかしふとした瞬間に「この表現で本当に合っているのか……」と不安になることはありませんか?

そこでこの記事では、「ご連絡差し上げます」の意味や正しい使い方、使用する時の注意点、言い換え表現を詳しく解説していきます。ぜひ参考にして、ビジネスシーンで活用してみてください。

「ご連絡差し上げます」とは

「ご連絡差し上げます」は「連絡」を丁寧語にした「ご連絡」に「差し上げる」を組み合わせた言葉です。

「差し上げる」はよく耳にしますが、そもそもどんな意味があるのでしょうか。まずは「差し上げる」の意味を詳しく見ていきましょう。

さし‐あ・げる【差(し)上げる】
読み方:さしあげる
1 手に持って高く上げる。「バーベルを—・げる」
2 「与える」「やる」の意の謙譲語で、その相手を敬う。「この花を—・げます」
3 声を高く出す。
「細くらうたげなる声を—・げて泣く泣く飲む」〈宇治拾遺・九〉
4 (補助動詞)動詞の連用形に接続助詞「て」を添えた形に付いて、「…してあげる」の「あげる」よりも、その動作の相手へより深い敬意を込めていう語。「荷物を持って—・げましょう」

出典:『デジタル大辞泉』(小学館)

今回の「ご連絡差し上げます」の場合は(4)の意味に該当し、自分自身がへりくだる時や、自分を一段階下にして相手を立てる時の表現とされています。

「ご連絡差し上げます」は二重敬語?

この言葉を使用する時、「ご連絡」と「差し上げます」という敬語が重複しているように見え、「二重敬語になるのでは?」と不安になる人がいるかもしれません。

実は「ご~差し上げる」で1つの謙譲語表現として用いられるため二重敬語には当たらず、日本語として適切な表現になります。

「ご連絡させていただきます」は間違いと見なす人も

「ご連絡差し上げます」は二重敬語には当たりませんが、「ご連絡させていただきます」だと、「ご~させていただきます」という謙譲語が2回使われた表現となるため、二重敬語にあたります。

そのため、人によっては間違った敬語と捉える人もいるので注意が必要。

ただし「ご連絡させていただきます」という表現は一般的に幅広く使われているので、多くの場合は使用に問題ないと言えるでしょう。より正しい表現を使うなら「ご連絡いたします」や「ご連絡差し上げます」が適切です。

参考記事はこちら▼

「ご連絡させていただきました」が適切でない理由を知って、正しい敬語や言い換え表現を身に付けましょう。

「ご連絡差し上げます」の使い方と例文

「ご連絡差し上げます」は基本的に、相手に後から連絡を行う予定を伝える時に使用する言葉です。しかしこれは、相手のメリットになる場合にのみ使用します。

例えば見積依頼をしてきた顧客に対して連絡する時、相手は見積書を待っている状態です。そのため、見積書の完成を連絡するのは相手にとってのメリットとなるので「ご連絡を差し上げます」という表現を使用して問題ありません。

反対に相手が待っていないことなどに対して「ご連絡差し上げます」と言うと、一方通行な印象を受ける連絡になります。相手にとってのメリットとなる連絡か、使う前に振り返ってみましょう。

相手が待っている際に使用する場合

先ほどもお伝えしたように「ご連絡差し上げます」は、相手に恩恵がもたらされる場合や相手を気遣う時に使用することがポイントとなります。

しっかりと状況を理解して使用しないと失礼に値するので、TPOを見極めて使ってください。

例文

・「ご依頼のお見積りが完成次第、ご連絡差し上げます

・「商品が到着次第、ご連絡差し上げます

相手を気遣う場合

相手の都合を気遣う場合の表現としても「ご連絡差し上げます」という表現を利用できます。

自分の都合ではなく、相手の忙しさや時間のタイミングを見計らうことを伝えるため、この表現を用いる例文です。

例文

「お忙しいと存じますので、後ほどこちらからご連絡差し上げましょうか?

▶次のページでは、「ご連絡差し上げます」を使う時の注意点を紹介します。

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