「できません」の敬語とは? ビジネスで使える丁寧な断り方
「できかねます」は正しい敬語?
「できません」の丁寧な言い換えとして、「できかねます」という言葉が使われることがあります。そうすることで、少し柔らかい表現となるからです。
ただし「できかねます」も敬語ですが、筆者は正しい表現とは言い切れないと考えています。
「できかねます」が正しいと言い切れない理由
「できかねます」の「かねる」は、辞書によると「他の動詞の連用形に付いて、躊躇・不可能・困難などの意を表す」とあります。
つまり、単体で「○○することができない」という意味を示します。
「できる+かねる」の形である「できかねる」では、「できる」「できない」という2つの意味を持つことになってしまうため、厳密に言うと正しい表現ではありません。
「いたしかねます」と言い換えるのがおすすめ
「できません」を言い換える場合は、「いたしかねます」を使うのがおすすめです。
「いたしかねる」の「しかねる」は、「しにくい。難しい」といった意味。できないことをやんわりと遠回しに伝える表現なうえ、謙譲語の「いたす」を使うことで「いたしかねる」は、へりくだった表現になるのです。
つまり「できかねます」よりも「○○いたしかねます」の方がより丁寧な表現だと筆者は考えます。