【心理学】認知の歪みとは? なぜ起こるのか・原因と対策を解説
日常で起こりやすい「認知の歪み」の例と傾向
では、認知の歪みとは具体的にどのようなものか、代表的な例を詳しく見ていきましょう。自分もこれに当てはまる考え方をしていないかチェックしてみてください。
(1)白か黒ではっきりさせないと気が済まない(白黒思考)
物事をグレーな状態で捉えることを好まず、全てを白か黒かだけで認識しようとするのは認知の歪みの代表的な特徴です。
例えば、周りを自分の敵か味方に分けることで、対応が極端になってしまうといった問題が挙げられます。
完璧主義的な発想のため、少しでも至らない点があれば、自分はダメだと評価して自信を失いやすい傾向にあります。
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(2)「○○すべき」「○○しなければならない」という思考
「AをしてもBをしてもどちらでも良い」とは思わずに、「絶対にAをすべき」「Aをしなければならない」と考えるのも、認知の歪みの事例の1つ。
例えば、仕事や日常生活で「ノルマは何があってもクリアしなければならない」「家事は自分が全てやるべき」などと思うあまりプレッシャーを感じ、それが実現できなかった時にひどく自分を責めて落ち込みます。
また、自分のルールを周りにも強制する傾向にあるので、他人とぶつかったり攻撃的な行動を取ったりすることが多くなります。
(3)ポジティブな面を軽視する
うまくいったことがあっても、「大したことはない」「たまたまだ」と捉えるのも認知の歪みの例です。
一方で、うまくいかなかったことについては、「やっぱりね」と思うので、やがて考え方がネガティブな方向に偏っていきます。
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(4)ネガティブな面しか見えなくなる
物事のネガティブな面ばかりを抜き出すため、良いことがあったとしても、本人の中ではそれを否定して、なかったことになってしまいます。
例えば、午前中は楽しく仕事をしていたのに、午後にお客様からクレームをもらったりミスをしたりするとします。すると「今日は最悪の日だった」「何も楽しくなかった」と悲観的に評価してしまうのです。
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(5)関係ないことでも自分の責任だと思う(自己関連付け)
自分には責任がないことなのに、何でも自分に結びつけてしまう思考パターンです。
例えば、体調不良で不機嫌な上司を見て、「自分が怒らせたのだ」と自責の念に駆られたり、両親の不仲は「自分が悪い子どもだからだ」と思い込んだりします。
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自責の念に駆られる心理や克服方法を、心理カウンセラーが詳しく解説しています。
(6)人の気持ちや未来を決めつける(恣意的推論)
相手に確認せずに「あの人は私を責めている」と思ったり、将来について「こんな私にはパートナーはできないだろう」と決めつけたりする思考パターンも認知の歪みと言えます。
こうした思い込みによって根拠のない不安に襲われたり、周囲との関係性が悪くなったりしがちです。
(7)悪いことは拡大し、良いことは縮小して解釈する
自分の強みは小さく評価し、弱みは大きく評価するため、他人と比べて劣等感や不安を抱きやすくなるのも認知の歪みのパターンです。
この思考パターンを持つ人は、逆に他人の長所は拡大し、短所は縮小して解釈する傾向にあります。
(8)感情で決めつける
事実や合理的な根拠を軽視して、自分の感情に基づいて物事に結論を下します。
例えば、「やる気が起きないから、やらなくて良いはずだ」「(自分が傷ついたことを根拠に)あの人は自分を傷つけようとした」など、自分の感情は正しいと思い込もうとするのが特徴です。
(9)一部を全体に当てはめる(選択的抽出)
一度誘いを断られただけでも「いつも断られてばかりだ」「Aさんは私のことが嫌いなんだ」などと、一部を全体に当てはめて考えるのも認知の歪みの事例です。
こうした思考パターンを持つ人は、常に嫌なことが起きているように感じるため、不安感が増す傾向にあります。
(10)レッテルを貼る
前項の「一部を全体に当てはめる」思考が過度になると、自分(もしくは他人)にレッテル貼りをするようになります。
例えば、一度誘いを断られたことで「私は誰からも必要とされない人間なんだ」と決めつけたり、劣等感を抱いたりするなどが事例として挙げられます。
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自分にネガティブなレッテルを貼ってしまう人へ。自尊感情の高め方を解説しています。