「忖度」の意味とは? 正しい使い方と言い換え表現
「忖度」の類義語
「忖度」は意味を誤解しやすい表現だからこそ、正しい類義語は何なのかを押さえておきたいもの。そこで、「忖度」の類義語をご紹介します。
推測
「忖度」の類義語である「推測」には下記のような意味があります。
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すいそく【推測】
ある事柄をもとにして推量すること。
(『デジタル大辞泉』小学館)
「忖度」に比べると広い意味ではありますが、「推測」にも「忖度」と同じように「推し量る」という意味があります。使い方の例は「人生経験が増えてくると、人の心について経験に基づいた推測ができることもある」などです。
憶測
「憶測」にも「忖度」と若干似た意味があります。
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憶測【おくそく】
自分でかってに推測すること。当て推量。
(『デジタル大辞泉』小学館)
「忖度」も「憶測」も推測する意味が含まれているものの、「憶測」は「勝手に」推し量ることで、「彼は憶測でものを言うことがある」などの使い方があります。
斟酌
これは「しんしゃく」と読みます。「斟酌」にはいくつかの意味があり、「忖度」と似た意味もある言葉です。
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しんしゃく【斟酌】
1 相手の事情や心情をくみとること。また、くみとって手加減すること。
2 あれこれ照らし合わせて取捨すること。
3 言動を控えめにすること。遠慮すること。
(『デジタル大辞泉』小学館)
上記1が「忖度」と似た意味であり、「まだ子どもであることを斟酌して責任を問わない」などの使い方があります。
推察
「推察」には下記のような意味があります。
すいさつ【推察】
他人の事情や心中を思いやること。おしはかること。推量。
(『デジタル大辞泉』小学館)
「相手に配慮する」までの意味はないものの、「他人の心を推し量る」という意味が「忖度」と共通しています。
「顧慮」
これは「こりょ」と読みます。「顧慮」の意味は下記の通りです。
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こりょ【顧慮】
ある事をしっかり考えに入れて、心をくばること。
(『デジタル大辞泉』小学館)
「忖度」とほぼ同じような意味で使われ、「上司の立場を顧慮して行動する」などの使い方があります。
「忖度」の対義語
「忖度」は正確な意味が一般にはあまり浸透しておらず、対義語もよく知られていません。ここでは、「忖度」と反対の意味を持つ表現を1つご紹介します。
独善
「独善」には下記のような意味があります。
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どくぜん【独善】
1 他人に関与せず、自分の身だけを正しく修めること。
2 自分だけが正しいと考えること。ひとりよがり。
(『デジタル大辞泉』小学館)
相手の心を推し量ることや配慮することを意味する「忖度」とは真逆の意味であることから、「忖度」の対義語として「独善」が挙げられます。