【心理学】学習性無力感とは? 具体例と対処法
学習性無力感を克服するための対処法
では、学習性無力感を克服するにはどうすればいいのでしょうか?
ここではその対処法をいくつか紹介します。
(1)やる気のない自分を受け入れる
頑張れなくなってしまった自分がいても、責めないことが大切です。
なぜやる気がなくなったのか、それはいつから続いているのか、過去を少し振り返ってみます。思い当たることがあれば、「そりゃあ、あんなことがあれば、やる気なくなるよね!」と思ってあげましょう。
学習性無力感という心理状態があることを認識し、そんな自分を否定せずに受け入れることが回復への第一歩になります。
(2)自分を承認する
学習性無力感に陥る前は、試行錯誤しながら頑張っていたはずです。
努力したことを「意味がない」とばっさり切り捨てるのではなく、「あんなに頑張れたのはすごいよ!」「私、めちゃくちゃ試行錯誤していたよね」と、自分の頑張りをしっかりと認めてあげましょう。
今回は思うような結果に結びつかなかったかもしれませんが、条件が変われば成就することもあるはず。真剣に取り組んだプロセスは承認してあげたいですね。

「私なんて」と思いがちな癖を直し、自己肯定感を上げるために日頃からできる方法を紹介します。
(3)信頼できる人に相談する
燃え尽きている時は、「今までのやり方ではうまくいかない」というサインです。
「自分の思うようなやり方でやりたい」と思う人もいますが、自分のやり方にこだわりすぎてしまうと、うまくいかない状況が続いて無気力状態から抜け出せなくなってしまうことも。
そんな時は、自分以外のやり方からヒントを得ましょう。信頼できる人に相談してみることがおすすめです。第三者から見れば、案外あっさりと解決の糸口が見つかる場合もあります。
また、人に話すことで、自分の状況を客観的に見られるようになり、考え方の癖にも気付けるでしょう。
(4)「70%で合格」という意識を持つ
責任感が強くきっちり取り組もうとする人の中には、完璧にやり遂げたいと考える人もいます。少しのミスでも「うまくいかなかった」「失敗した」と捉えて落ち込んでしまうと、学習性無力感に陥りやすくなります。
そこで、「そこそこ(70%くらい)できれば合格!」という意識を持つように切り替えてみましょう。「最初からうまくいかなくて当たり前」「ミスしちゃったけど、またやり直せばいいよね」とハードルを下げることで、無力感から解放されていきます。
(5)小さな目標を立てて実践する
できるだけ小さな目標を立てて実践を積み重ねていきしょう。面倒くさく感じてしまう時は目標が高すぎる状態なので、「これくらいならできそうだ」「物足りないな」と思えるようなレベルであることが望ましいです。
そして少しずつ実践して、「私にはできる」という感覚を身につけていきましょう。「よくできた、私!」と都度自分を褒めることも忘れずに。自分にできることを積み重ねていけば、自己効力感が回復していきます。

自己効力感の意味や概念、自己肯定感との違いや自己効力感を高める方法などを紹介します。
学習性無力感に陥ったら、自分を責めずに受け入れよう
努力してもうまくいかないことが続くと、「何をしても無意味だ」という学習性無力感に陥ることが分かりました。
無気力状態が続いていたとしても、そんな自分を責める必要はありません。そういう心理があることを認識して「あんなことがあったらしょうがないよな」と自分を受け入れてあげましょう。
そうやって自分を労うことが、学習性無力感を克服する大きな第一歩となります。
(高見綾)
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※画像はイメージです
※この記事は2021年04月17日に公開されたものです