科学的に解明! 「ついてない日」の正体と挽回策
なんだか悪いことが続く「ついてない日」ってありますよね? あれって、本当に“ついてない”のでしょうか? 実はスピリチュアルではなく、科学的に原因を解明できるんです! 工学博士の尾池哲郎さんに「ついてない日」の正体と、おまじないや占いではない、挽回できる過ごし方を考えてもらいました。
こんにちは、工学博士の尾池哲郎です。
今回いただいたテーマはスピリチュアル視点ではない「ついてない日」の傾向と対策です。
人の運はスピリチュアルな視点で語られがちです。
しかしスピリチュアルな視点では「自分は悪くない」と不運の原因を自分以外に求め、慰められている傾向が強い気がします。本当にそれでいいのでしょうか。
とはいえ、一般的なアドバイスにもなかなか救いは見い出せないのが現状です。
大半が「一喜一憂せず、できることをしなさい」という「塞翁が馬(=結果よければすべてよし)」の域を出ません。
たしかに正論ですが、そんなことは百も承知で、大したアドバイスにならないと感じる人が多いのではないでしょうか。
不運の連続を断ち切りたいとき、結局のところどうすればよいのか。そろそろ具体策がほしい。「ついてない日」とは一体なんなのか、まずはその正体から考えてみます。
「ついてない日」とゲシュタルト
私は「ついてない日」のヒントが「ゲシュタルト崩壊」にあるような気がしています。
ゲシュタルト崩壊とは
ゲシュタルト崩壊をご存知でしょうか。
たとえば公園の「公」の字を長く見続けると、本当にこんな字だったかな? と不安になってしまうあの現象です。
「ロース公園」を縦書きにして、一度「ロースハム園」に見えてしまうと「ハム園」を脱出できなくなります。
これをゲシュタルト心理学ではゲシュタルト(形態)が崩壊した、と表現します。
「公」は「ハ」と「ム」の2つの要素からなり、要素への認知が強くなりすぎると、字全体の形態認知が一時的に弱くなってしまうのです。
ゲシュタルト形成もある
パラパラ漫画もゲシュタルトです。
元は1枚1枚の絵が要素ですが、それを連続的に流すとひとつの出来事として形態認知されます。
崩壊とは逆のゲシュタルト形成です。
私たちの1日も連続する多くの瞬間がゲシュタルトを形成していますし、多くの1日をまとめると1年がひとつのゲシュタルトとして認知されます。
「ついてない日」もゲシュタルトで形成される
このゲシュタルトの考え方が、私たちのついている、ついていないの判断に深くかかわっています。
ひとつひとつの小さな「ついてないこと」がゲシュタルト形成してしまい、「ついてない日」が完成します。
ところが、ついていないと1日単位では思っていても、1年をまとめるとちがって見えてくる。「結果よければすべてよし」とは、そういうことから生まれた考え方なのでしょう。
しかし、やはりこれだけだと慰めの域を出ません。
私たちがほしいのはそんな全体論ではなく、具体策。このゲシュタルトの考え方のもうちょっと先に何かありそうな気がします。