悪口を言わない人になりたい! 3つの対処法
悪口を言わない人になりたいあなたへ
ここまで読んできて、「悪口を言わない人のことが理解できた。できれば私も悪口を言わない人になりたい」と思われた方もいるかもしれません。
そこで最後に、悪口を言わないで済むにはどうすればいいか、他人に対してムカついたり、イラっとしたりした時の怒りの解消法をご紹介しましょう。
ちなみに、他人に怒りを覚える典型的なケースとしては、大きく分けて次の3つがあります。
ケース1:他人が悪いことをしたのを見聞きした
ケース2:自分がひどいことをされた
ケース3:人として許せない言動をしているのを見聞きした
それぞれ怒りのポイントが異なりますので、解消法も変わります。3つのケース別に簡単に解説しますので、ぜひ参考にしてください。
ケース1:他人が悪いことをしたのを見聞きした
・サボって楽をしている
・ずるをした
・抜け駆けをした
・自分勝手な行動をして他人に迷惑をかけている
こういった人に対しては、誰だって怒りを覚えて当然です。全面的にその人に非があるのは明白であり、その人は自分の行為を反省して改めるべきです。
対処法は「自分の問題と切り離し事情を認める」
ただし、それはその人の問題であって、こちらの問題ではありません。そこで、次のように考えてみることをおすすめします。
「本来、悩むべきは誰だろうか?」
他人の問題によってこちらがストレスを抱えるのは、何とも理不尽なことです。その人の問題を引き受ける必要は全くないのですから、これは自分が悩むべき問題ではないと、しっかり切り離して考えましょう。
このように考えを変えた上で、その人に対して寛容になれたら最高です。
例えば、次のように考えることもできるかもしれません。
「この人はこの人なりの事情があって、サボったり、ずるしたり、抜け駆けをしたりしたのかもしれない」
「自分勝手な行動をせざるを得なかった理由が何かあるのかもしれない」
「他人の迷惑を考えられないのは、心に余裕がなく、精神的に未熟な人なのかもしれない」
人が行動する時には、その人なりの事情があるものです。もちろん悪いことをやってはいけないのですが、人は聖人君子ではありません。時には悪いことをしてしまうのも仕方がないと考えられないでしょうか?
それを認めることができて、「まあ、仕方ないのかな」と思えたとしたら、怒りも薄らいでいくでしょう。
ケース2:自分がひどいことをされた
・誘っても乗って来なかった
・ノリが悪い
・話しかけたら無視された
・冷たい態度を取られた
こういった素っ気ない対応をされたために、ついその人の悪口を言いたくなることもあるかと思います。この時に怒りの感情が湧いてくるのは、自分を拒絶されたような感覚になったことが原因だと考えられます。
せっかく仲良くしようと思って声をかけたのに、その態度はないだろう。私はとても傷付いた……。
これはある意味、逆恨みとも言えますが、私たちは往々にして自分が大切に扱われなかったことで激しい怒りを覚えるものです。クレーマーが「店員の対応が悪い」と言って激怒するのも、これと同じ心理です。
それくらい激しい怒りですから、なかなか解消するのは至難の業です。
対処法は「行動で怒りを発散」
激しい怒りの解消として手っ取り早く有効な方法は、行動で怒りを発散することです。
具体的には“悪口”を言うのではなく、誰かに“その体験”を話して共有し、じっくり聞いてもらいながら自分の気持ちを受け止めてもらう行為は、怒りを鎮めるためには有効です。
あるいは、大声で歌ったり、強度の高い運動したりをするのも同様の効果があります。
そうやって怒りを鎮めて冷静になれたら、自分の視点を広げる考え方をしてみるといいでしょう。
「他人は私を喜ばせるために生きているわけではない」
「人はあくまでも自分の都合で生きているものだ」
この言葉を聞いて、どのようなことをお気付きになったでしょうか?
私は良かれと思って声をかけたのに、残念ながら、相手は私を受けいれなかった。人はそれぞれ自分の人生を生きているのだから、仕方がないことだ。
この現実に気付いて、相手の立場も認めようかなと思えたら、それはとても素晴らしいことです。
ケース3:人として許せない言動をしているのを見聞きした
・表向きはいい人を装っているが、裏の顔がある
・正論やきれいごとばかり言っている
・自分のことを棚に上げて他人を注意している
こんな人を見たら、頭に来て誰かに悪口の1つも言ってやりたくなるものです。
この時の怒りの背景にあるのは、失望の気持ちです。
「この人にはこうあってほしかった」といった期待があったのに、現実はそういう人ではなかった。その時、期待が強ければ強いほど、失望は大きくなります。
対処法は「期待を押し付けない」
しかし、よく考えれば、これは期待の押し付けだと言えます。
人は皆、自分の人生観や価値観を持っていて、それに従って生きています。だから、他人が自分の期待通りに行動しないのは当然のことであり、そこに失望を感じる必要はないはずです。
それなのに、なぜ自分の期待を他人に押し付けてしまうのでしょう?
その期待は、常に自分が大切にしている人生観や価値観に根差したものである可能性があります。
自分の人生観や価値観は、知らず知らずのうちに、皆が遵守すべき規範となって、他人にも強要してしまうことが起こります。
ですから、誰かの悪口を言いたくなったら、「私はこの人に何を期待していたのだろうか?」と自問自答してみてください。
そうやって、自分の期待を押し付けていることに気づいたら、次のような現実を思い出してください。
「私は、私の期待によって相手に失望し、怒りを感じている。つまり、怒りの発端は私にある」
「私が期待を持つのは、その人にとって良かれと思うから。でも、残念ながら私の期待が誰に対しても常に正しいと限らないのは、仕方がないことである」
「私の期待は、あくまでも私が作り出したものである。だから、私が期待を取り消すことができる」
このように考えられたら、私はなぜそんな小さなことにこだわっていたのだろうか、と思えてくるかもしれません。
自分の期待を他人に押し付けるのをやめることは、その人の人生を尊重することでもあります。他人の人生への介入はやめて、自分がすべきことに集中できるといいですね。
貴重な時間を悪口に費やすのはもったいない
悪口を言うのは怒りを鎮めるためであり、気持ちが晴れる行為でもあるので、つい言いたくなるのは仕方がないことです。
とはいえ、悪口を言ってばかりいるのは、自分の貴重な時間を浪費することにもなります。
他人は他人。自分は自分のすべきことをする。そう割り切ることができて自分が自由に使える時間が増えたら、あなたはその時間を何に使いたいですか?
(笹氣健治)
※画像はイメージです
※この記事は2021年04月05日に公開されたものです