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「恐縮です」はどう使う? 「恐縮」の意味や例文を紹介

前田めぐる(ライティングコーチ・文章術講師)

「恐縮」の言い換え表現

「恐縮」と似たような意味を持つ言葉、類語、言い換え表現を以下に紹介します。

「恐れ入る」

「恐縮です」という言葉の「(相手を)恐れる」という意味だけを表す言葉です。「身が縮むほど」という意味が含まれていない分、「恐縮」よりも使いやすいといえます。

「恐れ入ります」も「恐縮です」と同じように、褒め言葉への返しや御礼、おわび、依頼の言葉として使うことができます。

例文

・早速ご発注いただき、恐れ入ります。良いものをお届けできるよう頑張ります。

「恐悦至極(きょうえつしごく)」

「恐悦」とは「相手の好意や配慮をもったいなく思って喜ぶこと」「至極」とは「この上なく」という意味で、手紙文などで使われます。

「喜ぶ」という意味が入っており、目上の人の慶事を祝う時にも使える言葉です。

例文

・お褒めの言葉を頂戴し、恐悦至極に存じます。

「痛み入る」

相手の親切に対して、「恐縮」の度合いが大変強く、「心が痛いほど恐縮している」という意味。

心から感謝している場面などで使う言葉です。

例文

・この度のご配慮、誠に痛み入ります。

「もったいない」

相手の褒め言葉に対して、「恐れ多い。恐縮です」という意味で使う表現です。

例文

・そのようなお言葉を頂戴するとは、もったいないことです。

「斟酌(しんしゃく)」

「相手に対して配慮し、控えめにすること」を意味する言葉です。

例文

・あなたと私の間柄で、何の斟酌も要らないでしょう。

より気持ちが伝わるような表現を

今回は、ビジネスシーンで毎日のように目にする「恐縮」という言葉について、意味や使い方、言い換え表現を紹介しました。いかがでしたか?

どのような言葉でも言えることですが、ここでもやはり「相手によって捉え方は異なる」ということを考える必要があります。

あまりに何度も「恐縮」と言われると、「そんなに怒っているように見えたかな」「ありがた迷惑だったかな」と感じる人がいないとも限りません。

また、「ありがとう」という直接的な感謝の言葉が入っていないと「恐縮させるばかりで、感謝はされていないのか」と思う人もいるでしょう。

機械的に使わず、前後の文脈も含めて、より気持ちが伝わるような表現を工夫しましょう。

(前田めぐる)

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※画像はイメージです

※この記事は2021年04月02日に公開されたものです

前田めぐる(ライティングコーチ・文章術講師) (ライティングコーチ・文章術講師)

コピーライターとして長年「ことば」に関わってきた経験値を元にまとめた「ほどよい敬語」(https://ameblo.jp/comkeigo/)が好評。過剰さや不適切さを排し、明快に説く内容は「違和感の理由がわかりスッキリした」と質問サイトなどでたびたび引用される。

自治体・団体・医療機関向けSNS活用、文章術研修の講師でもある。

著書に『この一冊で面白いほど人が集まるSNS文章術』(青春出版社)『前田さん、主婦の私もフリーランスになれますか?』(日本経済新聞出版社)『ソーシャルメディアで伝わる文章術』(秀和システム)など。公益社団法人日本広報協会アドバイザー。

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