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「恐縮です」はどう使う? 「恐縮」の意味や例文を紹介

前田めぐる(ライティングコーチ・文章術講師)

「恐縮」を使う上でのポイント

「恐縮」という言葉は、相手に対して恐れ多く感じる場面で重宝する表現です。

ここでは、「恐縮」を使う上でのポイントを紹介します。

定型句として多用するのは避ける

定型句は便利ですが、機械的に多用してしまうと、気持ちが伝わりにくかったり、効果が弱まったりするものです。

例えば、感謝のメールの中で何度も「恐縮」という言葉が登場したら、相手はどう感じるでしょうか?

そもそも、「恐縮」とは「身が縮むほど恐れ入る」という意味です。相手によっては、社交辞令と感じたり、あるいは「もしかしたら、自分が大げさなことを言って迷惑を掛けたかな?」と思ったりするかもしれません。

そのため、1通のメールや手紙の中で使うのは、1回にとどめるのが程良いといえます。

後段で掲げる類語や言い換え表現も併用し、多彩な表現を心掛けましょう。

話し言葉としても使える

「恐縮です」「恐縮ですが」というフレーズは、依頼状やお礼状などの書き言葉で使われることが多いのですが、話し言葉としても使えないわけではありません。

例えば、相手から褒められた場合やお土産をもらった場合などに、その場で「恐縮です。ありがとうございます」と返すことができます。

ただし、相手によっては堅苦しいと感じさせることもあります。その場合には、「恐れ入ります」と柔らかい言葉に言い換えても良いでしょう。

目下ではなく目上の人に使える言葉

ビジネスシーンで「恐縮です」は、こちらが恐縮する立場にある相手に対して使います。つまり、上司や取引先など、主に目上の人に対して使う言葉です。

場面としては、心遣いを受けた時や失敗をフォローしてもらうなどサポートを受けた時、褒められた時などが挙げられます。より丁寧に表現したい場合には、「恐縮でございます」と使います。

一方、目下の人に対して「恐縮」は使わないので、注意しましょう。

「恐縮」の度合いが大きい場合には言葉を足す

恐縮の度合いが大きい場合には、強調するためのさまざまな表現があります。

以下は、手紙やメールなどの書き言葉としてよく使われる言葉です。とてもありがたいと感じている時や大変申し訳なく感じている時には、「恐縮」に付け加えて使うと良いでしょう。

・甚(はなは)だ恐縮です
・恐縮の至りです
・恐縮の極みです
・恐縮しきりです
・恐縮千万(せんばん)です

直接的な感謝や謝罪とは受け止められないことがある

「恐縮」という言葉には、「あまりにもありがたくて、恐れ多く、身が縮こまるほどだ」という感謝の意味と、「あまりにも申し訳なくて、恐れ多く、身が縮こまるほどだ」という謝罪の意味の両方があります。

ここで少し気を付けたいのは、「ありがとう」という感謝の言葉や「申し訳ありません」という謝罪の言葉が文面に入っていないと、相手や場面によっては意味が伝わりにくい可能性があるということです。

そのため、心からの感謝を表したい場面では、「感謝してもしきれません」「誠にありがとうございます」など、「感謝」や「ありがとう」という言葉を選ぶ方が無難でしょう。

また、特に相手に大変な迷惑を掛けたり、ひどく怒らせてしまったりした場合には、「恐縮です」よりも「大変申し訳ございません」という言葉を選ぶ方が、謝罪の気持ちが確実に伝わるはずです。

次ページ:「恐縮」はどんな時に使えるのか?(例文付き)

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