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処女の定義とは? 処女と非処女を見分けることはできる?

宋美玄(産婦人科医・医学博士)

処女の医学的定義

処女であるかどうかの定義として、よく引き合いに出されるのが「処女膜の有無」です。処女膜を確認すれば、処女かどうかを医学的に確認することはできるのでしょうか。

処女膜って何? なぜ初めてのセックスで血が出るの?

処女膜とは腟の入口から5~10mm程度のところにある “ひだ” のことです[*3]。「膜」と言っても、腟の入り口全部を覆っているわけではありません。上のイラストのように、処女膜の中央部には、孔(あな)が開いていて、処女膜が伸び縮みをすることで孔も伸縮します。

この孔からは生理(月経)の経血やおりものなどが排出されるほか、性交時はペニスがここから挿入されます。

ただし、伸び縮みはするものの、まだ何も受け入れたことのない処女膜は、初めて袖を通す服の布地がかたく感じられるのと同じように、かたくて窮屈な状態であることが少なくありません。

その状態の処女膜の孔に、伸び縮みできる限度よりも大きなペニスなどを挿入しようとすると孔の周囲が裂けて、血が出ることがあります。これが、初めてのセックスで血が出ることのメカニズムです。

「処女膜がある=処女」は間違い

初めてのセックスで血が出ることがあるのは、処女膜の一部が裂けるからだとご説明しました。つまり、セックスを経験すれば処女膜がなくなる、というのは間違い。セックスをしても、さらに出産をしても、生涯処女膜は残っています。したがって、処女膜がある=処女という定義は成り立たちません。

処女膜は最初のうちはかたく、窮屈な状態であることが多いのですが、伸縮を繰り返すうちに柔らかくなり、セックスに耐えられるようになっていくというのが、一般的です。

また、処女膜の見た目や状態などから、処女であるかどうかを医学的に判断することも、基本的には難しいといえます。処女かどうかについては、本人の申告のみで判断するしかありません。

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