感情労働とは? 具体例と問題点・ストレスをためない対処法
「感情労働」とは、仕事をする上で感情をコントロールする必要がある職業のこと。感情労働と呼ばれる職業や大変とされる理由、ストレスをためない方法をキャリアカウンセラーの工藤倫子さんが解説。
「感情労働」という言葉を聞いたことはありますか? いったいどんな仕事のことで、なぜそう呼ばれるのでしょうか?
今回は、感情労働とは具体的に何か、そのような仕事に従事する際にストレスをためないコツについてお伝えしていきます。
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「感情労働」とは何か?
まずは「感情労働」とは何なのか。一言で言えば、「仕事をする上で感情をコントロールする必要がある職業」を指します。
感情労働は、肉体労働や頭脳労働と並ぶ「第三の労働」と呼ばれることがあり、これらと比較して感情労働の特徴を見ていくと実態を理解しやすいでしょう。
肉体労働とは
肉体労働は、体力や筋力が求められ、農林業や建築、土木などの重労働のみのように考えられていますが、実は広義な意味では、「時間を切り売りする」ような業務も肉体労働というため、量産的な作業をこなすデスクワークも含まれる場合があります。
頭脳労働とは
一方で頭脳労働は、時間を切り売りするのではなく「企画やアイディアの質」、また「提案力」など、仕事時間そのものよりもその後の成果が報酬を生み出すのが特徴です。
感情労働とは
そして感情労働は、仕事中感情のコントロールを求められる労働を指します。
アメリカの社会学者であるアーリー・ホックシールド博士が、1983年に出版した書籍の中で初めて「感情労働」に関する問題を提起したのが始まりです。
どんなに疲れていても、仕事を遂行していく上で笑顔を絶やさないようにしたり、自分の真の感情とは別の感情表現や行動を求められたりすることもあります。
感情労働は「仕事上必要とされる心の持ち方」がマニュアルのように定まっている場合もあり、それを「意図的に作り出さなければならない」仕事だといえます。