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「ご了承ください」の意味とは? 使い方や言い換え表現を解説

前田めぐる(ライティングコーチ・文章術講師)

「ご了承ください」の言い換え表現

前段で紹介したように、「ご了承ください」のみで使うよりも、丁寧な表現を加える方が柔らかい印象になります。

しかし、それでも「ご了承」という言葉そのものが、全方位にわたって満足度の高い表現かというと、そうでもありません。

「ご了承」という言葉の「承(る)」という文字に、「目上の人の命を受けてその通りにする」「つつしんで聞く、拝聴する」という謙譲の意味があるからです。

最近では、謙譲の意味がある語も、「お申し込みください」などと同様、ビジネス上の決まり文句のように使われるので、本来の意味は薄れています。

そのため、そこまで深くこだわる人もかなり少ないと思われるので、「ご了承」を使うこと自体に問題はありません。

しかし、もしも万全を期したい場合には、次のような別の表現で言い換えるといいでしょう。

「ご理解ください」

「理解」とは、「物事の道理が分かること」という意味で、やむを得ないことへの理解を求める時に使います。

例文

・先日の件、社内会議で複数社のコンペを行うこととなりました。私としては御社にと思っていたのですが、社内事情ゆえ、何卒ご理解ください。

「ご賢察ください」

「賢察(けんさつ)」とは、「推察」の敬意を高めた語で、「お察し」という意味です。

例文

・今年度の売り上げでは、次年度の広告予算を大幅に削減するしかありません。ご賢察のほどよろしくお願いいたします。

「ご諒察(ご了察)ください」

「諒察(りょうさつ)」とは、「(相手の状態を)思いやりをもって推察すること」という意味です。「ご了察」と書いても、問題ありません。

例文

・非常時でもあることから、次回のイベントは中止と決定いたしました。ご諒察(ご了察)くださいますよう、お願いいたします。

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