【難読】“けんの”じゃありません! 「件の」の正しい読み方
本や資料で見かけることがあるけれど、正しい読み方や意味が分からずスルーしてしまっている言葉ってありませんか?
社会人として、知らないまま恥をかくような場面には遭遇したくないですよね。
今回考えるのは「件の」の読み方です。
けんの? 「え? 何県のこと?」って、そんな葛藤をしたら、ぜひ答えをチェックしてみてくださいね。
「件の」の読み方は?
1件、2件のように、事柄を数える時によく使う「件」という漢字。一般的には、“けん”という読み方を覚えている人がほとんどでしょう。「件」という字自体には、事柄といったニュアンスが含まれます。
しかし、これに「の」の送り仮名をつけた途端、その読み方は難解に。きっと多くの人がなんと読めばいいのか戸惑うはずです。
気になる読み方の正解ですが……。これ、実は“くだんの”と読みます。
「件の」の意味と使い方
『デジタル大辞泉』によれば、「件の」の意味は以下のように解説されています。
くだん【▽件】
《「くだり(件)」の音変化。1、2はふつう「くだんの」の形で用いる》1 前に述べたこと。例の。くだり。「件の用件で話したい」
2 いつものこと。例のもの。
「―の売卜者 (うらない) の行灯が」〈鏡花・婦系図〉3 頭が人、体が牛の形をした妖怪。疫病の流行や災害などについて予言するといわれる。→予言獣
つまり、前に言ったこと、いつものこと、といった意味合いで「件の」という言葉を使います。
「件の件」と表記されていたら変換ミスかと思ってしまいそうですが、「例の件」という意味なんですね。
読めない漢字はきっとまだまだたくさん
あなたは「件の」を正しく読むことはできましたか?
きっと世の中には、あなたが知らない言葉、漢字がまだまだたくさんあります。見慣れた言葉も、送り仮名一つでまったく読み方が変わってきますね。
違和感を抱く言葉があったら、調べてみると新しい知識が身につきますよ!
(ななしまもえ)
※この記事は2020年12月17日に公開されたものです