デジャブとはどんな現象? なぜ起きるのかを心理学の観点から解説
デジャブが起こる原因
不思議な現象であるデジャブですが、なぜ起こるのでしょうか。原因についてはたくさんの説があるのですが、その中の代表的なものを紹介します。
(1)記憶のエラーから
私たちの記憶は、一続きではなく細分化されて脳にインプットされているといわれています。
すると、例えば「桜の季節に学校のベンチで友達と恋バナで盛り上がった」という記憶の断片が引き金となり、10年後「別の友達とカフェで恋バナをした時」にデジャブが起こるケースがあります。
記憶とエピソードを結び付ける脳の回路がうまく働かないため、記憶の一部が一致しただけで、あたかも同じことを経験したかのように錯覚してしまうのです。
こうした記憶のエラーは、自分が体験したことだけではなく、テレビなどで見た風景や人から聞いた話などでも、自分が体験したものだと思い込んでしまうことがあるようです。
(2)無意識の記憶から
精神科医のフロイトは、「デジャブは既に見た夢」であり「無意識のうちに見たものは、意識的には思い出すことができない」と説明しました。
つまり、夢をはじめとした、無意識のうちに見たり聞いたりしたものは記憶の断片として残り、似ている状況に遭遇した時にその記憶がよみがえってデジャブになるとされています。
(3)無意識に予測しているから
人が次に取る言動が何となく分かってしまうというデジャブは、無意識に行動を予測していることが原因だと考えられています。
私たちはその場の状況や過去の経験などから、近い未来のことをある程度予測することができます。人が取る行動を、意識的にではなく無意識に予測しているため、実際にその通りになった時にデジャブだと感じるのです。