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「教えてください」は敬語? 目上の人にもOKな正しい使い方

井上明美(ビジネスマナー・敬語講師)

「教えてください」をより丁寧に言い換える敬語表現

「教えてください」には他にも次のような敬語に言い換えることができます。

・ご教示いただけますか
・お教え願います
・お教えいただけますか
・お教えください
・ご指導いただけますか

「教えてください」よりも、「お・ご」が付いた「お・ご~いただく/ください/願う」型の「お教えいただけますか」や「ご教示いただけますか」「お教え願います」などの方が敬意は高くなります。

ですから、同じ目上の人でも、社外の取引先、お客様などの場合は、こちらの表現の方がより丁寧でふさわしいでしょう。

また、「ご指導いただけますか」などの「ご指導」「ご教示」の漢語の言葉は、文章言葉でも使われより改まった感が強まります。

より格式ある言い方でかなり改まり度は高くなりますが「ご教示賜りたくお願い申し上げます」などの表現もあります。

社内の先輩、親しい上司などの場合ならば、「教えてください」も使われるでしょうし、もう少し丁寧にしたい場合は「お教えいただけますか」「お教えください」「ご指導いただけますか」なども使われます。

ここでは上記の言い換え表現について、紹介していきます。

「ご教示いただけますか」

「お教え」というのは「教える」を和語で表したものですが、漢語で表したものが「ご教示」になります。

「教示(きょうじ)」とは、ものの知識や方法などを相手に教え示すことという意味です。

似た言葉に「教授」がありますが、「教授(する)」は、「教える」の中でもどちらかというと特に学問などを伝えるという意味をもって用いられる表現とされます。役職の「教授」もこれに当たりますね。

ですから、通常の何かを教える・教えてほしいなどの場合は多く「教示」が用いられます。

例文

・ご専門でいらっしゃる○○についてご教示いただくたくお願い申し上げます

「お教えいただけますか」

「お教えいただく」は「~てもらう」という意味の謙譲表現です。「教えていただく」よりも「お教えいただく」の「お~いただく」の方がより敬意が高くなります。

一方「いただく」を「くださる」にすると、「お教えくださる」となり「~てくれる」の意味の尊敬語になります。謙譲語で表現するか尊敬語で表現するかの違いのみですので、どちらも正しい表現です。

どちらがより適切という類のものではありませんが、相手から「~てもらう」という形で使われることが多いでしょうから、その意味では謙譲表現の「お教えいただけますか」の方がより多く使われるという印象を受けます。

例文

・○○社のアポが延期になった件について、何か事情をご存じでしたらお教えいただけますか?

「お教えください」

先に述べたように「お教えくださる」は「~てくれる」の意味の尊敬表現ですから、「お教ください」は、同じく「~てくれる」の意味の形としては命令形の付いたものです。

相手に何かを要望・懇願する意味で用いられます。

例文

・○日の訪問前に先方へ事前共有しておくべき事項があればお教えください。

「お教え願います」

「願う」は、「~ていただく」などの意を表しますから、「いただく」と意味はほとんど同じです。

より相手に強くお願いするような意を込めたい時に「何卒」「ぜひ」などを伴って「何卒お教え願います」「ぜひともお教え願いたくお手紙申し上げました」とするなど、話し言葉だけでなく、手紙やメールなどの文章言葉としても使わることが多いでしょう。

例文

・もし何か不具合などございましたらお教え願います。

「ご指導いただけますか」

「お教え」「ご教示」を「ご指導」に換えた例です。

「指導」とは、何かの目的やその方向に向かって相手を教え導くことという意味です。

教える・導くという意味で、「教える」とともにどちらもよく使われる言葉です。

例文

・詳細についてご指導いただければ幸いです。

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