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「教えてください」は敬語? 目上の人にもOKな正しい使い方

井上明美(ビジネスマナー・敬語講師)

「教えてください」にクッション言葉を加えるとより丁寧な印象

「教えてください」の言い回しについては、相手との関係や教えてもらう内容などによっても多少変わってくるとも言えます。

また、繰り返しになりますが、「教えてください」「お教えください」「お教えいただけますか」などもみな正しく意味は同じです。

敬意は、「教えてください」の「~ください」よりも、「お教えください・お教えいただく」の「お~ください/いただく」の方がより敬意が高く丁寧です。

そして、さらに語尾の違いをあえて述べるとすれば、

・いただけますか/くださいますか

・……いただけませんか/くださいませんか

後者の方が、「こちらの勝手で申し訳ないけれど教えてもらえたら/くれたらありがたいのだけれど……」というような、相手の気持ちや手間への配慮のニュアンスが強まる感があります。

クッション言葉といわれる「恐れ入りますが/お忙しいところ申し訳ございませんが」などと組み合わせれば一層強まります。

もちろん「教えてください」が間違いではなく正しいのですが、ちょっとした響き、ニュアンスの違いですね。

相手に配慮し、より心配りを感じられる言葉を

「教えてもらう」というのは、相手にも何らかの手間を掛けることです。

ですから教えてもらう側も、相手に掛けてしまう時間や手間、相手の都合を配慮したより丁寧で適切な表現を選ぶことが大切ですね。

よく使われる言葉も、ほんの少し言い回しを換えることで、より心配りの感じられる言葉になります。うまく使い分けましょう。

(井上明美)

※画像はイメージです

※この記事は2020年10月18日に公開されたものです

井上明美(ビジネスマナー・敬語講師)

国語学者、故金田一春彦氏の元秘書。言葉の使い方や敬語の講師として、各市町村・企業・学校、金融機関、医療関係など幅広い教育研修の場で講義・指導を行う。長年の秘書経験に基づく、心くばりに重きを置いた実践的な指導内容には定評があり、敬語・話し方のほか、手紙の書き方に関する講演や執筆も多い。

著書に『敬語使いこなしパーフェクトマニュアル』『最新 手紙・メールのマナーQ&A事典』(ともに小学館)、『一生使える「敬語の基本」が身につく本』(大和出版)など多数。ウェブサイト「All About」では「手紙の書き方」のガイド(https://allabout.co.jp/gm/gp/159/)を務めている。

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