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嫌われてもいい人の心理とは? 嫌われてもいいと思う方法4つ

笹氣健治(心理カウンセラー)

「嫌われてもいい」と思えるようになる方法

「嫌われてもいい」と割り切ることが必要という話でしたが、嫌われることに対する恐怖心を強く持っている人にとって、それはなかなか難しいことです。

「嫌われてもいい」と割り切るためには、嫌われることに対する恐怖をまずは克服する必要があります。

私からの提案としては、最終的には「嫌われてもいい」と割り切れるようになることを目指しつつ、まずはそこへ向かって1歩ずつ近づいていきましょう。

自分のペースで恐怖を克服していけばいいので、焦らず挑戦してみてほしいと思います。

そのために役立つ4つの取り組み方法についてご紹介します。

(1)最悪の状態を想像してみる

恐怖が克服できない1つの理由として、あまりにも怖いために恐怖の対象から目を背けているという要因があります。

そこで、実際に嫌われたらどうなるかを考えてみましょう。

例えば、周りから無視される、陰口をたたかれる、ハラスメントを受ける、といったことになるかもしれません。

確かに、ここまでいくと耐えがたい苦痛になりますが、よく考えてみましょう。

あなたが少しくらい自分の気持ちや意見を表現したからと言って、ここまでの状況になるものでしょうか?

よほどのことでない限り、このような状況には普通はならないものです。もしそうなるとしたら、相手の方に問題があります。

互いの意思を尊重し合うのが良識ある社会人の態度であるにも関わらず、子どものいじめのようなことをするような人は、精神的に未熟で付き合う必要のない相手です。

そういう人たちとは、むしろ積極的に距離を置いた方がストレスにならなくていいはずです。

このように最悪の状態を考えてみると、自分の恐怖は案外、取り越し苦労かもしれないと思えてくるものです。

あとは、そんな最悪の状態にならないように、自分の表現方法を工夫すればいいだけです。

「嫌われたくない」と思う人ほど、慎重かつ丁寧に表現できるはずですので、上手なコミュニケーション方法についてぜひ学んで試してみてください。

(2) 話し相手を見つける

怖い場所に行く時には、誰かと一緒だと少しは安心できるものです。怖い気持ちを誰かと共有できることで、恐怖は薄らいで気持ちが落ち着きます。

そこで、気の置けない友人や家族に、自分のことを正直に話してみてはいかがでしょうか?

「自分は嫌われたくないと思う気持ちが強い」「こういう時には、ついこういう行動をしてしまう」といったことを聞いてもらうと、それだけで気持ちが落ち着いていくことに気付くかもしれません。

相手から「分かる! 私も同じ!」といった反応があると、「ああ、私だけじゃないんだ」と安心できることもあります。

今まで誰にも言えず1人で抱え込んでいたものを外に出すことで、気持ちが楽になります。すると、ちょっと頑張ってみようかな、と思えてきます。

(3)自分で自分に話し掛ける

自分の気持ちを共有できる相手がいない時、あるいは自分1人の時に、恐怖に耐える役に立つのが、自分で自分に話し掛けることです。

「やっぱり、嫌われたくないと思ってしまうよね。今はそれも仕方ないよね」

「大丈夫! なんとかなるよ」

「あの人が私の気持ちや意見を受け入れてくれなくても、それはそれで仕方ないよね」

「今回はちょっと怖いから、自分の気持ちは言わなくてもいいんじゃない?」

こうやって自分に向かって言うことで、気持ちが落ち着いてくるものです。

このようなセルフトークをするときのコツは、肯定的に言うことです。

「また言えなかったね」「がんばって言わなきゃダメだよ」「いつになったら言えるようになるの?」といったように、批判的な言葉を自分に言うと、かえって委縮してしまって、恐怖に立ち向かえなくなります。

自分は自分の味方になって、何があっても自分を肯定するように話し掛けることで、頑張ってみようという勇気が湧いてくるはずです。

(4)簡単そうなことから始める

恐怖を克服する方法として有効なのが、徐々に慣れていくことです。

犬嫌いの人が子犬から慣れていくように、小さいハードルから挑戦し、徐々に高くしていくのです。

これくらいなら自分の気持ちや意見を主張しても大丈夫かな、と思うような軽めのものからチャレンジしてみてください。いざ勇気を出して伝えてみると、すんなり相手が受け入れてくれて、拍子抜けするかもしれません。

こうやって成功体験を積み重ねることで、自分を素直に表現してもいいんだと自信が付いてきます。

上で説明した3つの取り組みも同時にやりながらチャレンジすると、より着実に進歩できると思います。

難しいと思った時は無理をする必要はないので、気楽な気持ちでぜひ取り組んでみてください。

少しの勇気を出して自分を素直に表現してみよう

他人からの評価を気にして自分の気持ちや意見を抑え込んでいると、ストレスがたまるだけでなく、自分に自信が持てなくなっていきます。

自分を素直に表現することは、慣れないうちは怖いかもしれませんが、実際にやってみると、思っていたような悪いことばかりではないことに気付くはず。

ちょっとの勇気を出して、自分を成長させるためにチャレンジできたらいいですね。

(笹氣健治)

※画像はイメージです

※この記事は2020年09月22日に公開されたものです

笹氣健治(心理カウンセラー) (心理カウンセラー)

メンタルトレーナー・心理カウンセラー
1967年生まれ。国際基督教大学を卒業後、NTT(東京支社)に入社。その後、地元の仙台に戻り、スポーツクラブ「グラン・スポール」の経営に携わる。企業を経営する上で人間心理を理解する必要性を痛感して心理カウンセリングを学び、現在は、ストレスやコミュニケーション問題の解消をテーマにした講演やカウンセリング、目標達成のためのメンタルトレーニングを行っている。『「やる気」のある自分に出会える本』(スリーエーネットワーク)、『仕事の悩みを引きずらない技術』(PHP研究所)など、著書19冊。

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