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戦略と戦術の違いとは。マーケティングの具体例でわかりやすく解説!

トイアンナ

混同は厳禁。戦略と戦術の用い方

戦略と戦術をどう使い分けたらいいのか、具体的な事例を用いながら解説します。

注意したいのが「戦略と戦術の混同」です。

私たちは何かを言いつけられると、つい「こうすれば解決する!」と具体的なプラン(戦術)を先に出してしまいます。

ですが、その戦術がベストか検証しないと、非効率的な施策に振り回されてしまうでしょう。

戦略と戦術の例を学ぶ事例(1)マクドナルドの売上アップ

例を挙げると「マクドナルドの売上を上げて」と言われ、まず「ハッピーセットで〇〇とコラボしよう」と案から出してしまうケースが、戦術に振り回された好例です。

マクドナルドは、座席数が限られています。ですから、売上を上げるなら「客数を増やす、同じ顧客が店舗に来る頻度を上げる、商品の単価を上げる」しか方法がないはずです。

まずはこの中でどれを優先するかを決め、それから最適な案を選ばないと、戦術に引きずられて予算を無駄遣いしてしまいます。

戦略と戦術の例を学ぶ事例(2)キシリトールガムの売上アップ

マーケティングの施策を考えるときは「大きな枠組みから考えて、小さなプランに落とし込む」のが定石。まずは、大きな枠組みでどうすれば課題を解決できるか、戦略を考えます。

もう1つ例を挙げると「キシリトールガムの売上を上げる」という課題があるとします。

戦略を考えるなら、

(1)キシリトールガムを買う人数を増やす
(2)キシリトールガムの1人あたりの消費量を増やす
(3)キシリトールガムの単価を上げる

の3つのうち、どれか1つを戦略として選びます。

ここで、消費者を調べたところ「清涼感のあるガムを食べる人は全体の2割だけで、キシリトールガムを好む人口は増える見込みがない」としましょう。

そうすると戦略のうち

(2)キシリトールガムの1人あたりの消費量を増やす
(3)キシリトールガムの単価を上げる

の、いずれかを取るしかありません。

そこで出てくる戦術(プラン)は例えばこんな感じです。

・ キシリトールガムの1人あたりの消費量を増やすために「2つの味を組み合わせれば、新しい味を楽しめる!」と、1度に2個以上食べる考えを浸透させる

・ キシリトールガムの単価を上げるために「口臭菌を除菌できる」をキャッチフレーズにした、より抗菌力の高いガムをプレミアム価格で売り出す

いかがでしょうか? 大きな戦略から考えたからこそ、店頭に実際ありそうな戦術まで落とし込めたと思います。

マーケティングの事例で戦略と戦術の違いがはっきりしたと思いますので、今後はご自身の戦略・戦術立案に生かしていただければと思います。

(トイアンナ)

※画像はイメージです

※この記事は2020年07月14日に公開されたものです

トイアンナ (コラムニスト)

1987年生まれ。慶應義塾大学卒業後、P&Gジャパン、LVMHグループにてマーケティングを担当。2015年にライターとして独立し、その後編集プロダクション「WERITE」を設立。「書く」プロフェッショナルとして、企業サイトの制作、オウンドメディア運用、SNS運用代行などを幅広く手掛ける。ライターとしては5,000人以上の人生相談に携わった経験をもとに「人事採用・婚活・医療」分野で主に執筆。著書に『改訂版 確実内定』(KADOKAWA)、小説『ハピネスエンディング株式会社』(小学館)など。

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