Keyword.05「約束」
今注目の若手俳優・木津つばさのエッセイ連載。毎週1つ編集部から与えられるキーワード(お題)に沿って、自身のルーツや想いを綴ります。キーワードから紐解かれる“木津つばさ”とは?
はじめに
「約束することは、未来の己への対価を示す」
これまでの自分自身と照らし合わせて、何ができたのか、何をしてきたのかをしっかりと見つめ直すために、「約束」という言葉が存在するのかな? と思います。
“誰と約束するのか”、が大事ではないんです。
“誰のために”、その約束という夢を果たすのか。
それが何に対してでも、さほど変わりはありません。
僕自身のこれまでの短い人生の中にある「叶った約束」と「続いていく約束」について、今週は話していきたいと思います。
「叶った約束。それは『約束することは、未来の己への対価を示す』」
それは自分を信じること。
昔から親には厳しく育てられ、勉強をしてサッカーをして22時には就寝するという生活を送っていました。
その中で僕の人生は今思うと、とても不思議なもので。
中学2年生の時、怪我で大好きなサッカーができなくなり、同時に勉強もしなくなり、自暴自棄になってしまいました。
あの時、不良にならなかったのは素直に親のおかげです。
道を間違えてもおかしくない時期に、ある人に出会って、人生が大きく変わりました。
夢を見つけたんです、大きな夢を。
最初は恥ずかしくて誰にも言わなかった。というより、言えなかったし、無理だとも思ってました。いつも中途半端な僕に務まるわけがないと……。
でも中学3年生になり将来のことを考え始め、その時は遂に来たんです。
そう、志望校を決める時が。
志望校を書いて先生に提出する書類には、しっかりと志望する高校名を書くつもりが、大きく「役者」と書いていた自分がいました。
その後、三者面談になり、その時初めて親に告げました。
「俺は役者になりたい」
親には怒られてダメだと言われると思っていたのですが……。
ここからは皆様のご想像にお任せします。
話したいことは多く出てくるので、続きはまたの機会に。
一つ言えることは、信じることで叶った約束もあれば、ずっと叶わなさそうな約束もある、ということ。
貫く正義と、信じる正義。
おわりに
「続いていく約束。それは『約束することは、未来の己への対価を示す』」
(文:木津つばさ、撮影:Yuto Fukada)
※この記事は2020年07月05日に公開されたものです