ごますりって何? ごまをすると出世に影響するって本当?
ごますりだと思われない上手な褒め方
前述した通り、本質的に「ごますり」と「褒める」には違いが無いと思っています。
相手を喜ばせることができれば「褒め」になり、相手を不快にさせたのであれば「ごますり」なので御座います。
「いやあ、本当に先輩はすごいですねぇ、この会社がもっているのは先輩の力があってこそですよ」。
というようなバレバレの言い方であっても、相手が喜んでいるのであればそれは「褒め」なのです。
それでは、ごますりだとは思われない上手な褒め方をお伝えします。
(1)対象を間違えない
非常に少数では御座いますが、世の中には人から褒められることが嫌いな人がいらっしゃいます。この手のタイプの方に対してはどんな褒め言葉も下手くそな「ごますり」にしかなりません。
(2)お礼を込めて褒める
例えばイチロー選手に「君には野球のセンスがある」と言われれば、おそらくどんな方でも喜ぶことでしょう。これはイチロー選手の野球スキルが非常に高いことを私たちが知っているから。
つまり彼の褒め言葉には説得力があるのです。
一方で野球が下手な人から「君には野球センスがあるね」なんて言われても喜ぶ方はあまりおりません。野球が下手な方がそれを言っても褒め言葉に説得力が生まれないのです。
ですので、人を褒めるときには、その言葉に説得力が出るようにした方がいいのですが、特に目上の人を褒めるときには立場的にも能力的にも説得力を持たせることは難しいでしょう。
そこで取れる戦略が「お礼」で御座います。
仕事ができる上司を褒めるときに「田中部長は本当に仕事ができますね」なんて言ってしまったら、偉そうに見えてしまうでしょう。
そこで「田中部長のおかげで本当に助かっています。部下としてすごく仕事がやりやすいです」というように、相手の能力ではなく相手のおかげで助かったことを伝えるように褒めることで、内容に説得力を持たせることができるでしょう。
(3)よく分からないことを褒めない
先程のイチロー選手の例にも関連するのですが、自分がよく知らないことを褒める際には注意が必要です。
例えば彼氏が野球好きで、皆さまが野球について全くの無知だったとしましょう。そんな状態で彼の野球スキルを褒めても、大抵の場合ツボを外した褒め方になってしまうのです。
すると褒められた相手に「こいつよく分かってないのに適当に褒めてるな」と伝わってしまい、下手な褒め言葉、つまりごますりしていると思われかねません。
(4)身銭を切ると信用されやすい
褒め言葉に説得力を持たせるための方法として「身銭を切る」というものが御座います。
例えば(2)で紹介した「お礼褒め」をする際に、お礼の品があるかどうかでその説得力は大きく変わることでしょう。
別に相手だってそのお礼の品が欲しいわけでは御座いません。しかし「身銭を切ってまで褒めた」という事実が褒め言葉の説得力を大きく引き上げているのです。
もちろんこの身銭というのは、何も品物だけでは御座いません。相手のために時間を使う。相手のために労働をする。相手のために何か使う。こういった行為も「身銭を切る行為」の1つといえるのです。