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恋人が浮気しても「慰謝料請求できない理由」

鮫島唯(弁護士)

慰謝料請求に必要な手順とは?

では、浮気における慰謝料請求をする場合、どのような手順で進めればいいのでしょうか。

STEP1:証拠を集める

実際に慰謝料を請求するには、まずは浮気の証拠を集める必要があります。

確実な証拠がないにもかかわらず交際相手を問い詰めても、証拠を隠ぺいされて言い逃れされてしまう場合もあるため、まずは客観的な証拠を集めましょう。

また、婚姻関係がない場合は、浮気の証拠だけでなく、自身が婚約関係や内縁関係にあったことを証明する証拠も必要となります。

浮気の証拠になるもの

もっとも直接的な強い証拠は、性交渉中の動画・写真、ラブホテルに二人で出入りする動画・写真ですが、交際相手が浮気相手の自宅に複数回出入りし、長時間滞在している動画・写真や肉体関係があったことを推測できるメール・LINEなども証拠として有効です。

肉体関係があったことを推測できる証拠がない場合であっても、「好きだよ」などの親密な関係を伺わせるメールのやり取りや、飲食店・ホテルの領収書、カーナビ・携帯のGPS記録、相手へのプレゼントのレシート・クレジットカードの利用明細など、小さな証拠を積み重ねることで浮気を証明できる場合もあります。

婚約関係や内縁関係を証明する証拠

(ア)婚約関係を証明する証拠

婚約関係について、法律上、明確に定義があるわけではありません。

二人の口約束だけでも婚約は成立しますが、「将来一緒になろうね」という話をしていたという程度では、婚約関係にあると認められにくいでしょう。

一般的には、結納や両家の顔合わせを済ませている、結婚式場の予約をしている、婚約指輪を贈られているなど、結婚の意思が明確に両者間にあったことを示す証拠が必要です。

(イ)内縁関係を証明する証拠

内縁関係とは、婚姻届を出していないものの、双方が結婚の意思を持ちながら、夫婦としての共同生活を送っている関係をいいます。

一般的に内縁関係と認められるには、3年以上の長期間にわたり同居しており、家計も同一であることが必要です。

内縁関係を証明する証拠として、もっとも強い証拠は、続柄に「妻(未届)」「夫(未届)」と書かれた住民票ですが、その他にも、賃貸借契約書の同居人欄に「内妻」と書かれているもの、妊娠の医療記録、親族・友人の証言なども証拠となります。

STEP2:請求する

証拠を集めたら、実際に慰謝料請求をしましょう。

請求の方法に決まりはありませんが、口頭だと言った、言わないなどの争いになる可能性もあるため、メールや書面などの客観的な形として残る方法がいいでしょう。

請求する際は、相手に「浮気の慰謝料として、〇〇万円請求する」と明確に伝えましょう。

初回の請求額はご自身の納得のいく額で構いませんが,たとえば500万円や1000万円などというあまりにも法外な額を請求すると、相手も態度を硬化させ、話し合いでの解決が困難となる恐れがあります。初めは相場よりやや高めの額(相場の額+50~150万円)くらいで設定をするといいでしょう。

話し合いによって、相手方と金額や支払い方法、支払い時期の合意ができた場合には、後の紛争防止のためにも、「合意書」や「誓約書」などを作成すること。

当事者同士で作成した合意書は、抜け漏れがあった際など法的に有効とならない場合もありますので、弁護士や行政書士などの専門家に合意書の作成を依頼してもいいと思います。

STEP3:裁判をする

相手方が浮気の事実を認めず、一切の話し合いに応じない場合には、訴訟を提起する方法もあります。

裁判は、通常1~2年程度の時間がかかり、精神的にも負担となりますが、相手にきちんと自身のやったことを償ってもらうためにも、裁判で徹底的に戦うという方法は有効でしょう。

ただし、裁判では、婚約関係や内縁関係にあったこと及び浮気があったことについて、厳格な証明が求められますし、ご自身に有利な主張を適切にしていかないと、敗訴してしまうリスクもあります。したがって、弁護士に依頼することをおすすめします。

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