実業家男性と付き合いたいなら「覚悟するべきこと」 #合コン幹事の上野さん【経営者編・最終回】
曖昧な褒め言葉はNG

実業家は良い意味でも悪い意味でも仕事の話を好みます。ですので、仕事の話を制することで彼らの心をつかめると言っても過言ではありません。

(絶対過言だ……)

それでは、合コン中のこの会話を思い出してください。
小柳津「それで店舗を経営して……えっと、あれいくらだっけ?」
熊田「●●万くらい?」
小柳津「○○万とかじゃなかったっけ?」

熊田さんと小柳津さんが計画している店舗の話ですが、この発言に対する正解はなんだと思いますか?

「えー! すごーい」とかですか?

どうしてですか?

えーっと……失礼かもしれないですけど、わざわざ金額を出しているってことはそれを自慢したいんですよね? だからそれに乗ってみたんですが……。

ええ、仕事の話でわざわざ金額を出す方は、基本的にそのことを褒めてほしい方です。そういう意味ではあーりんさんの対応は間違いではないでしょう。ですが、ここであーりんさんに聞きたいことがあります。

はい。

熊田さんと小柳津さんは都内某所にテナントを開く準備をしていくらかお金を使ったわけですが、この金額は高いんでしょうか?

え?

私も不動産に明るいわけではないので断言はできませんが、立川にテナントを出すのと、六本木にテナントを出すのでは全く話が違いますよね? そもそもテナントの家賃っていくらくらいかご存知ですか? 飲食店の場合は敷金っていくらになるか分かりますか? 内装工事費がどれくらいか分かりますか? 火災保険だってバカになりませんよ?

そんなこと言われても分かりませんよ……。

ですよね。実際、私も分かりません。

(何なんだこの人……)

で、ここからが問題なのです。小柳津さんと熊田さんも、あーりんさんが分からないことくらい分かっているんですよ。つまり、あーりんさんから「すごーい」と褒められると、うれしい反面「どうせ分かってねえくせに、適当に褒めやがって」というバカにした気持ちも生まれてしまうんです。

死ぬほど面倒くさいですね。

死ぬほど面倒くさいですが、人間ってそういうもんですよ。ただ、褒められてうれしいのは本当なので、軽くその場をやり過ごしたいなら「すごーい」で良いでしょう。ですが、もしも彼らと本気で付き合いたいのであれば「すごーい」だけではいけません。

どうすればいいんですか?

普通に聞けばいいんですよ。「すいません。〇〇万円ってすごいのかどうか分からないんですが、それってどれくらいすごいんですか?」とね。

そんなこと言って、相手は気を悪くしません?

大丈夫ですよ。こういうふうに聞いたら、その金額がどれほどすごいか解説してくれるはずです。仮に彼らが自慢したくて言ったのだとしたら、より詳細に自慢ができますし、詳細な説明を聞いた上で「すごい!」と言えば説得力が段違いです。どちらにとっても得な対応ですので非常におすすめです。

なるほど。

もちろんこの方法は、仕事熱心なサラリーマン相手にも使えます。知りもしないのに「すごい!」と言うくらいだったら、相手のどこがどれくらいすごいのかを質問してから褒めた方がはるかに効果的です。