モチベーションが上がらない時の原因と対処法【仕事・恋愛・ダイエット】
モチベーションが上がらない時ってありますよね。その原因は、心の奥底に隠されたネガティブな感情なのかもしれません。やる気が出ない原因と対処法を心理カウンセラーの大塚統子さんに聞いてみました。
頑張ろうと思っているのに頑張れない、なんとなくやる気が出ない、つい後回しにしてしまう……。「モチベーションが上がらない」と思うことはありませんか?
思うように行動できないのは、モチベーションがうまく作れていないからかもしれません。
今回は仕事・恋愛・ダイエットの各シーン別に、モチベーションが上がらない理由とモチベーションを上げる方法について解説します。
そもそも「モチベーション」って何?
モチベーションとは行動を起こすための動機付けです。『大辞林』(三省堂)によると、「 動機付け。物事を行うための動機や意欲になるもの。刺激。熱意。」と記述されています。
なお、モチベーションとやる気は同一視されやすいものですが、モチベーションは行動する前の動機付け、やる気は行動をはじめてから「やり遂げよう」と行動を継続する気持ちと区別されます。
モチベーションを上げる2つの要因
モチベーションを上げる要因は、外的要因と内的要因の2つに分類されます。
外的要因とは
外からの刺激で、給与・待遇などの報酬や環境、褒められる・認められるなどといった他人からの働きかけを指します。
外的要因は、転職などの大きな環境変化を除いては、自分一人では改善が難しい場合が多いでしょう。
内的要因とは
自分の内面にある好奇心や探求心などです。楽しめる、成長できる、達成感を感じられるなど、自分自身が満足することが重要になります。
内的要因には「自分がやりたくてしている」という心の自由があり、持続性があります。
モチベーションを上げていくには、自分ではコントロールしにくい外的要因を動機にするよりも、内的要因である自分の感情にフォーカスするといいでしょう。
シーン別・モチベーションが上がらない原因
モチベーションには、「きっとこうだろう」と予想して感じる気持ちが大きく影響します。
不快な気持ちを予想すると、その行動から距離を取りたくなるので、モチベーションが下がるのです。
今回は、女性にとって特にモチベーションが上がらないと感じる、仕事・恋愛・ダイエットにフォーカスして原因を探ってみましょう。
仕事における3つの原因
(1)自分と仕事を過小評価している
自分がする仕事には大した意味がない、自分は組織や誰かのために貢献していない、自分にはこの仕事が向いていないなどと感じているとモチベーションは上がりません。
「役に立っていない」と自分と仕事を過小評価しているのです。
(2)他人を基準にしている
頑張っても認めてもらえない、大切な仕事は自分に任せてもらえない、仕事関係の人に信頼されていないなどと感じているとモチベーションは上がりません。
仕事の充実を感じる基準が「誰かに必要とされる」「他人から評価される」など外的要因になっているからです。
(3)「できない」「ない」を見ている
他の人はできることが自分はできない、自分の能力が足りない、業績の数字が上げられないなどと感じているとモチベーションは上がりません。
人と比べて自分にないものや自分ができていないことにばかり目が向いて、自信を失くしています。
恋愛における3つの原因
(1)幸せな恋愛観がない
「相手に合わせて我慢しなければ」「いい恋人を演じなければ」など、恋愛と「したくないこと」がセットだと思っていると、恋愛をするのが面倒になります。
あるいは、少女漫画のような恋に恋をしていると、リアルな恋人に魅力を感じにくくなります。
(2)傷つくのが怖い
過去の失恋が辛かったので、「同じ思いはしたくない」と恋愛から自分を遠ざけることがあります。
また、期待をして違ったら悲しいので、常に最悪の想定をしていると、恋愛が楽しいものと思えなくなります。
(3)自分が好かれると思えない
「私は愛される」「私には幸せがふさわしい」などと自分を肯定できていないと、素敵な人に出会っても「どうせ無理」「私なんか」とすぐにあきらめてしまうでしょう。
相手から好意を示されても素直に信じることができず、恋が進展しないため、モチベーションも上がりません。
ダイエットにおける2つの原因
(1)無理な数値目標を設定している
「ちょっと頑張ったらできるかも」という目標設定なら、簡単に達成して喜ぶことができます。
しかし、達成が難しい目標を設定すると、「うまくいっていない」と失敗しているような気持ちになります。
人はネガティブな感情を感じる行動を避けようとするため、モチベーションも下がってしまうのです。
(2)成功した後のイメージがない
ダイエットをしたらどんないいことがあって、どんないい気分が味わえるのか、ダイエットに成功した後のいいイメージがあると頑張れるでしょう。
「痩せなければ」だけを目的にしていて喜びがないと、気持ちがついてきません。
モチベーションを上げる方法
では、モチベーションを上げるために、具体的にはどんなことに取り組めばいいでしょうか。
仕事のモチベーションを上げる3つの方法
(1)自分の仕事で喜ぶ人をイメージする
自分がしたことが誰かの役に立つと思えると、やりがいを感じられるでしょう。行動に意味や意義を見つけられると、「○○のために」と頑張れます。
(2)自分の成長や変化をほめる
「以前より短い時間でできるようになった」「前より緊張しなくなった」など、自分の成長や変化を見つけ出し、自分をほめましょう。
それが自信となり、「私はできる」と積極的になれるでしょう。
(3)簡単にできることをする
するべきことがたくさんあると、仕事量に圧倒されて動けなくなってしまいます。簡単にできることから手をつけましょう。
とにかく動き出して今できることに集中すれば、自然と好循環の流れができるでしょう。
恋愛のモチベーションを上げる3つの方法
(1)幸せな恋愛をしている人と会う
幸せな恋愛観がないならば、幸せな恋愛をしている人たちにモデルになってもらいましょう。
恋愛で義務感を覚えていたこと、禁止と思っていたことが新しい価値観に更新できたら、もっと気軽に恋愛できるでしょう。
(2)理想の恋愛を書き出す
理想の恋愛・理想のパートナーに求める要素をたくさん書き出してみましょう。心で望んでいることを素直に認められると、恋愛スイッチが入るでしょう。
(3)自分のいいところを人に聞く
「私には魅力がある」「私にはいいところがたくさんある」と自分のよさを知り、自分に自信がつくとと、恋愛がうまくいくように思えます。
友達や家族などに自分のいいところを教えてもらいましょう。
ダイエットのモチベーションを上げる2つの方法
(1)得られるものをビジュアル化する
ダイエットに成功したら得られるものをリアルにイメージできる写真を、目につくところに置きましょう。
うまくいった未来像が実際にあると、見るたびに頑張ろうと思えます。
(2)励まし合う仲間を作る
ひとりだと途中でやめるもの簡単ですが、誰かと一緒だと続けやすいでしょう。ダイエット宣言をして、仲間を募りましょう。
お互いの小さな変化を認めて応援し合うことで、より自分の気持ちを鼓舞することができます。
モチベーションは自分で上げることができる
行動の動機付けになるモチベーションを上げるには、外的要因と内的要因があり、自分でコントロールしやすいのは「自分が何を感じるか」で決められる内的要因の方です。
モチベーションを下げる原因になるのは、自分が感じる不快な気持ち。モチベーションを上げるためには、いい気分を感じやすい自分になることが大事。
感じることは自分で選ぶことができます。できるだけいい気分を感じて、モチベーションを上げていきましょう。
(大塚統子)
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※この記事は2020年03月03日に公開されたものです