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「私が一番正しい」は本当? コミュニケーション不全を改善するには #お仕事ハック

#お仕事ハック

ぱぴこ

仕事で大成功を成し遂げたいとか、そんな大それた野望はないけど、なんとなくうまくやりたい。いつもの働き方を小さくアップデートする「お仕事ハック」を紹介します。

今回は「まわりのレベルが低いと思ってしまう」という女性のお悩みに、外資系OLコラムニストのぱぴこさんがアドバイス。

まわりのレベルが低いと思ってしまう

私は正直、自分が一番正しい、頭がいいと思っているので、会議で上司や同僚と話すと「レベルの低さ」を感じることがあります。自分の話している言語が相手に伝わらず、理解してもらえないことが多く、「伝わらないのは相手のレベルが低いからだ」と思ってしまいます。私がまわりとスムーズにコミュニケーションを取るコツを教えてください。

HAHAHA! 天の高みからの発言に思わずワーオ! と声が盛れてしまいました。びっくり。スペクタクル。アンビリーバボー!

「私は正直、自分が一番正しい、頭がいいと思っている」のパワーがすごいため、そのあとの相談が頭に入ってこないレベルです。

さて、パンチのあるセリフに振り回されず真面目に考えてみましょう。しかし、その前に以下どちらの前提で考えるか決める必要があります。

1.申告内容を正とし、周囲がレベルの低い人間ばかりである前提
2.相談者の認知の歪みがある前提

前者の場合「知的レベルに差がある場合のコミュニケーション方法」、もしくは「同等レベルの会話が成立するコミュニティへの脱出」が回答となりますが、まぁ、申し訳ないけど、相談者さんが上手にコミュニケーションを取れない原因は後者にあるのではないか? と思わざるを得ない。

心のアメリカ人が強めで「結論は最初に、かつ自分ができる人間であるとプレゼンしろ」を叩き込まれているのかもしれないですが、文章の書き出しが「自分が一番正しい、頭がいいと思っている」はなかなかマネできない芸当です。

この自我の強さが元でコミュニケーション不全が起きていると考えるのが、第三者からの客観的な意見です。

まず、自分で思っているよりもずっと「自分が一番正しく、頭がいい」という認知の元に動くことは、さまざまな軋轢を生むと思ってください。

「私が一番正しい」という意識が産むコミュニケーション不和

「自分が一番正しく、頭がいい」「周囲とは話が通じずレベルが低い」と思っているのが態度に出てないはずがありません。往々にして、このように自称する人は「私はうまく隠している」という点もセットで語りたがりますが、十中八九バレバレです。

・自分の知識をひけらかす
・「自分がやりたいこと」ばかりを押し通そうとする
・自分に原因があることを、謙虚に省みることがない
・他人の意見に耳を傾けない
・他人の話をさえぎって話す
・人を見下した態度をとり、協調性を欠く

「自分が正しいと思い込んでいる人」が取りがちな態度の特徴です。

端的に言うと「いやなヤツ」なのですが、自己中心フィルターがかかるため、常に悪いのは「周囲」と考え、反省も内省もない点がもっとも厄介な特徴です。

見下し根性は自信のなさの表れ

「自分が絶対に正しい」という考えは、一見自分に自信がある態度に見えますが、逆です。他人を見下し、自分の正しさを押しつける態度は、客観性を欠き、哲学がないことを表しています。

「他人と比べて自分が正しい」と、他者との相対化でしか自己を既定できない態度は、遅かれ早かれ行き詰まります。

本当に「頭がいい人」「優秀な人」は「どんな場所でも成果を出す人」というスーパーマンではなく、自分の能力の活かし方を把握できている人です。その観点から見て、私は相談者さんを「頭がいい人だ」とは思えません。

もしも、本当に「周囲のレベルが低い」だけなのであれば、さっさと環境を変える努力をすべきです。

そうでないのであれば、周囲を尊重し、意思や意見を適切に伝えられない自分の至らなさを受け止め、思い込みと見下しという悪癖を矯正する方法を模索しましょう。

POINT.

・優秀さとは「絶対の正しさ」とイコールではない
・「私が一番」の態度は周囲との軋轢を生む
・思い込みと見下しは最悪の組合せ、内省せよ

(文:ぱぴこ、イラスト:黒猫まな子)

※この記事は2020年01月21日に公開されたものです

ぱぴこ (外資系ときどき激務OLコラムニスト)

外資系ときどき激務OLコラムニスト。オシャレとズボラの狭間に生息し、ストレスを課金で潰すことに余念がない。趣味はNetflix、お酒、豚を塩漬けにすること。目標はゆとりのある生活(物理)。
Twitter:@inucococo

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