もしかして「幸せ恐怖症」かも? 原因と克服方法とは
幸せになることが怖いと感じる「幸せ恐怖症」。一体原因はなんなのでしょうか? まずは自分が幸せ恐怖症かどうかチェックしてみましょう。原因がわかれば克服の可能性が見えてきます。心理カウンセラーの高見綾さんに解説いただきました。
いざ幸せが手に入りそうになると、不安になったり居心地が悪くなったりすることはありませんか? もしそうなら「幸せ恐怖症」かもしれません。
「幸せになることが怖い」と思う人は少なくありません。
この記事では、幸せ恐怖症の特徴や原因などを詳しく解説し、改善していくための方法について紹介します。
<目次>
「幸せ恐怖症(幸福恐怖症)」とは
・意味は? 幸せ恐怖症とは
・チェック! 幸せ恐怖症の人の特徴
・母親のせい? 幸せ恐怖症の原因
幸せ恐怖症の克服方法
・(1)幸せが怖いと思う自分を否定しない
・(2)小さな幸せを受け取る練習をする
・(3)「幸せを感じてもいいんだよ」と自分に声をかける
・(4)まわりの人の幸せを応援する
幸せになる勇気を持とう
「幸せ恐怖症(幸福恐怖症)」とは
幸せ恐怖症とは一体なんなのか、理解を深めていきましょう。
意味は? 幸せ恐怖症とは
私たちは幸せを望みますが、それと同時に幸せになることに抵抗するような心理を持つことがあります。「人は幸せになることが一番怖い」といわれるように、幸せ恐怖症とは、幸せな状態を不安定に感じてしまう心理をいいます。
幸せを望んでいるにも関わらず、「自分は幸せにふさわしくない」と思っているため、うまくいきはじめると急に怖くなります。幸せにリアリティが感じられなかったり居心地が悪くなったり、悪いことが起きるのではないかと不安になったりするのです。
そして、手に入りかけた幸せを自ら壊し、逃げ出してしまったりすることも。表面的には幸せを求めていても、心の深い部分では幸せになることを恐れている状態です。
チェック! 幸せ恐怖症の人の特徴
幸せ恐怖症の人の特徴を挙げてみます。もし複数当てはまる場合、幸せ恐怖症かもしれません。
(1)楽しいとき、悪いことが起こるのではと不安になる
「幸せは長くは続かない」「私なんかが幸せになるとバチが当たる」という思い込みがあり、物事がうまくいっていても、心から喜べなくなります。
(2)人にうらやましがられると不安になる
自分が幸せになると妬まれてしまう、という図式が自分の中にあると、他人のちょっとした「〇〇さんはいいよね~」という一言が妙に気になり、不安に駆られてしまいます。
(3)恋人を試す行動をしてしまう
自分がどれだけ恋人に愛されているのか確認したくなり、遅い時間に急に「今から会いたい」と無茶ぶりをするなど試すような行動を取ってしまいます。
恋人が応えてくれたら、もっとハードルの高い無茶ぶりを行うようになりますし、応えてくれないなら、「やっぱり好きじゃないんだ」と確認し幻滅します。
(4)わざと嫌われるような行動をしてしまう
恋人や友だちができてうれしいはずなのに、なぜか嘘をついてしまったり、嫌味を言ったり、裏切ったりして、わざわざ嫌われる行動をしてしまいます。
(5)友だちと一定の距離以上親しくならない
友だちのことが好きなのに、親しくならないように壁をつくってしまいます。
「これ以上友だちのことが大好きになってしまうと、万が一失ったときに耐えられないから」という喪失感への恐れが強い状態です。
(6)幸せな恋愛が居心地悪くなる
今までうまくいかない恋愛をしてきていると、いざ幸せな恋愛に恵まれると、慣れていないために居心地が悪く感じてしまいます。
(7)理想的な異性と出会ったのに、逃げたくなる
「こんな素敵な人が自分のことなんか好きになるはずがない」と思ってしまいます。
自己評価が低いために、「本当の私がバレたら嫌われてしまう」と感じ、ガッカリされる前に逃げようとするのです。
母親のせい? 幸せ恐怖症の原因
上記特徴のある幸せ恐怖症。どうしてそんな風に感じてしまうのでしょう?
考えられる原因を挙げてみます。
(1)子どもの頃の家庭環境に問題がある
ネグレクトやDV、いわゆる毒親など、家庭環境に問題がある場合は、健全な自己肯定感が育たないことがあります。すると、自分に価値が見い出せず、「自分は幸せにふさわしい」と思えなくなってしまうのです。
(2)両親、とくに母親に対する罪悪感が強い
母親が幸せそうではない場合、子どもは「お母さんが幸せではないのだから、自分だけが幸せになってはいけない」と思うことがあります。
無意識のうちに、「自分が幸せになってしまうと、お母さんを見捨てたことになる」と思い込んでいることが多いのです。
(3)大きな喪失体験をしている
大切な誰かを失っていたり、うまくいっていたのに突然どん底に突き落とされたりするような体験をしていると、もう二度と喪失感は味わいたくないと思います。
すると、「傷つかないために大切なものを持たない」という選択をするようになります。
(4)不幸せな状態に慣れてしまった
波乱万丈な人生を送ってきている場合、うまくいかないことや不幸せであることが普通の状態なので、幸せに違和感を覚えるようになります。
幸せになることは、未だ体験したことがない領域。そこに恐怖を感じるのです。
それならば慣れ親しんだ不幸せの状態のほうが安心だと感じてしまいます。
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