デートで「元恋人の話」をしてはいけない理由 #このデートどこがダメですか?
次のデートに誘われなかった、フェードアウトされた……。そんな女性たちの「デートの失敗談」をラブホの上野さんが分析する連載です。このデートのどこがダメだったのかを、紳士的かつ論理的に解説します。
今回の失敗デート
合コンで出会った男性に誘われ、初めて2人でごはんを食べに行きました。話も合って楽しかったので、この人となら付き合ってもいいかなと思い、付き合うなら元カノの話(どういう子だったのか、どうして別れたのか)を聞いておきたいので、まずは自分から元彼の話をしました。
すると、あまりいい顔をされず、逆に元カノについて質問するとひと言だけ答える程度で、口を閉ざされてしまいました。付き合う前に、元恋人の話はしない・聞かないほうがよかったのでしょうか?
元彼の話を聞いて喜ぶ男性はいない
ご質問誠に有難う御座います。
元カノの話を聞きたいという女性のお気持ちはわかるのですが、残念ながら元カノの話を聞かれて喜ぶ男性はおりません。
それでもまだ元カノの話を聞くだけならばそこまで大きな問題ではないでしょう。男性は多少嫌な気持ちになりますが、関係が決定的に悪化するような致命的な失敗では御座いません。
問題なのは「元彼の話」で御座います。
断言しますが、元彼の話を聞いて喜ぶ男性はおりません。
「誰を愛そうがどんなに汚れようがかまわぬ! 最後にこのラオウの横におればよい!!」という名言でお馴染みの『北斗の拳』のラオウさんですら、「かまわぬ」と言っているだけで「聞きたい」とは言っていないのです。
もちろん元彼の話をされても表情を崩さない男性もおりますが、そんな男性だって内心穏やかではありません。
彼らは「元彼の話で不機嫌になるのはダサい」と考えて強がってこそおりますが、決してされてうれしい話ではないのです。
「この歳で処女なわけないじゃん。男ってバカね」と言う女性へ
元彼の話をされると男性は内心穏やかではない。
このように言うと、必ずこんな意見をおっしゃる方がいらっしゃいます。
「この歳で処女なわけないじゃん。男って夢見すぎ。バカじゃないの?」と。
そんな意見をおっしゃる方にはこうお伝えしなくてはなりません。
バカはあなたです。
そこそこまともな男性なら、目の前の女性が処女ではないことくらい察しておりますし、前に別の彼氏がいたであろうことくらいは十分に承知しているのです。
だからといって、それを口にされたいかどうかといえば別問題。
知ってはいるけどわざわざ明言されたくないという心理は極めて正常なものでしょう。
こう言っても理解していただけない方のために、「元彼の話」をされたときに男性がどんな気持ちになるのかということをわかりやすく解説させていただきます。
たとえばお寿司屋さんで、寿司を握っている職人さんに「さっきめっちゃデカいう○こが出たんですよ」と言われるような気持ち。
たとえば千葉県にある某テーマパークで「あの着ぐるみの中にはおっさんが入っているんだよ」と言われるような気持ち。
たとえば肉フェスの会場で屠殺シーンの写真を見せられるような気持ち。
たとえばクリスマスに「サンタなんていないんだよ」と言われるような気持ち。
たとえば宝くじを買っているときに「宝くじの控除率ってパチンコより悪いんですよ」と言われるような気持ち。
たとえば親を亡くして悲しんでいるときに「死んだ人間が帰ってくるわけないし、天国から見てるなんてこともありえない」と言われるような気持ち。
寿司職人が大便をしていることも、着ぐるみの中におっさんがいることも、肉が屠殺によって作られていることも、サンタがいないことも、宝くじが確率的に分が悪いことも、死んだ人間が帰ってこないことも、私たちは重々承知しているのです。
ですが、それを承知した上で、あえて気がつかないふりをしているのです。
なぜならば、そっちのほうが幸せだから。
気がついていないことにしておいたほうが幸せだから。
元彼や処女の話もこれと同じです。
そんなことは百も千も承知しているのですが、あえて気がつかないふりをしているだけなのです。
ですので、それをほじくり返すようなことをするのは、あまりにも人の気持ちが理解できていないと言わざるをえません。
もしかすると「処女かどうかを気にするなんて男はバカ」とお考えになるかもしれませんが、それはあまりにも女性本位な考え方であるといえるでしょう。
気になる彼の「元カノの話」を聞きたいなら
もう一度言いますが、男性に対して元彼の話をしてはいけません。
しかし、ご質問者さまのように「彼の元カノの話を聞きたい」と考える女性は多いでしょう。それにご質問者さまがおっしゃる通り、彼が前の彼女とどうして別れたのかを知ることは、彼との関係を良好にする上でも意味のある情報で御座います。
それでは、彼の元カノの話を聞きたいときはいったいどうすればいいのでしょうか?
ひとつの方法は、彼ではなく「彼の友人」に話を聞くという方法でしょう。
本人から直接聞くよりは薄い情報になってしまいますが、第三者目線での客観的な意見が聞けるのもまちがいありません。
ただし、義理堅い友人の場合は彼の許可なく口を開いてくれませんので、必ずしも使える方法ではないでしょう。
そんなときは、彼に直接「元カノの話」を聞くしか方法は御座いません。
正直に言えば、元カノの話を聞かれることも男性はあまり好まないのですが、「元彼の話」ほど致命的な問題ではないでしょう。
とはいえ軽く聞いて、彼が口を開かなかった場合は、素直に聞くのを諦めたほうが賢明です。
誰だって人に話したくない過去のひとつや2つはあるもの。元カノの話は「人に言いたくない話なんだな」と割り切って諦めたほうがいいのはまちがいありません。
たしかに元カノの情報は、彼との関係を良好に保つために重要な情報では御座いますが、彼の機嫌を損ねてまで聞くような情報ではないのです。
(文:ラブホの上野さん、イラスト:タテノカズヒロ)
※この記事は2019年10月06日に公開されたものです