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「自分磨き」が“別の方向”にいってしまわないための3か条

内藤みか(作家・イケメン評論家)

よく「自分を磨く」といいますが、“自分磨き”の種類や方法に、正解はありません。教養を深める、体をきたえる、料理の腕を磨く、趣味にハマる、美しくなるための努力をする……自分のためになることであれば、これらのすべてが自分磨き。ただし、「結婚成就」を目指すのであれば、あなたが今やっている「自分磨き」は、少し方向性がずれているかもしれません。結婚を目標にした場合に最適な「自分磨き」について、恋愛作家の内藤みかさんに説いていただきます。

人生100年時代、なにかひとつ“一生楽しめる趣味”を極めたい、という人も少なくないはずです。

長い人生、仕事や家庭とはちがう、もうひとつの世界を人々は求めはじめているのです。婚活の時期には、“いつか家庭を作ったときのため”に、と料理や栄養学を学ぶ人もいます。けれどその努力がいつの間にか別の方向にいってしまう人も……。

ブレずに上手に自分を磨くためのコツをお伝えします。

張り切って料理を学んだのに……

自分磨き

アラサーのR恵さんは、“そろそろ結婚を”と考えはじめたときに、あまり料理が得意ではない自分に気づきました。自炊はするのですが、カレーやしょうが焼きなど、ワンパターンになりがちだったのです。

結婚したら野菜をたっぷり使った料理をふるまいたいと考えた彼女は、野菜料理の本を買いこみ、修行に励みました。婚活のときも「趣味は料理です」とアピールできたら、かなりポイントが高そうですから、力も入ります。

けれど、野菜をたくさん使ってヘルシーな料理を心がけているつもりなのに、R美さんは日に日に太っていくのです。

もともとこってりした味が好きだった彼女は、野菜メインの食卓に慣れず、ついついダイコンもニンジンもナスも、ボリュームを出すために油で揚げてしまっていたのです。

これではいくら野菜が豊富でも体重は増えてしまうのでしょう。趣味を深めようと努力しても、“どういう状態をゴールにするか”を具体的に考えておかなかったのは問題でした。体重もあまりチェックしていなかったので、気づいたときには5キロ増となっていました。

ダイエットをはじめたら完璧を目指す

自分磨き

まさかの体重増にショックを受けたR恵さんは、今度はダイエットをはじめました。糖質を制限し、筋トレに励む日々。努力したおかげで、ついに元の体重に戻り、さらに恋人もできたのです。

けれどこり性の彼女は、それからもストイックに甘いものを控え続けたため、スイーツが好きな恋人と一緒にカフェでパフェを食べることもしませんし、食事に行ってもライス抜きにするなど、かたくなでした。

ちょうどこのとき、彼が海外研修で2カ月間、日本を離れることになりました。彼に会えない日々はさびしいけれど、せっかくだからこの時間に勉強をしよう、と、R美さんは、仕事で必要そうな資格取得にチャレンジすることに。

自分磨き

いざはじめてみるとかなり覚えることが多く、四苦八苦です。けれど知らないことを覚えるのは楽しいので、R美さんはまじめに取り組みました。資格試験は彼が帰国した1カ月後だったので、R美さんはその間、彼にほとんど会わず、ひたすら勉強し、見事合格を勝ち取ったのでした。

けれど合格を報告したR美さんの耳に入ってきたのは、恋人の別れの言葉だったのです。

普通に一緒においしいものを食べておいしいねって言えるような女性とつきあいたい」というのが理由でした。

このままの状態でもし結婚したら、彼は長い年月、R美さんと食生活ですれ違うことになります。彼はそれを耐えがたく感じたのかもしれません。「これからは一緒にパフェを食べるから」とR美さんがすがっても、受け入れてはもらえなかったのです。

彼より自分磨きを優先しない

自分磨き

R美さんの一番の問題は「自分磨きにがんばりすぎてしまったこと」にあるでしょう。

たとえダイエット中でも“彼とのデートのときだけはなんでも好きなものを食べていい”というふうに、少しルールをゆるめる方法もあったのではないでしょうか。せっかく一緒に過ごす時間なので、おいしいものも分かち合いたいというのが彼の願いだったのですから、寄り添う気持ちが必要だったかもしれません。

はまると前のめりになってしまうタイプのR美さんは、資格試験の勉強にも夢中になり、彼が久しぶりに帰国したときも、“その日は模擬試験があるから”と、迎えにも行きませんでした。

これでは彼は、自分がないがしろにされていると感じてしまうかもしれません。試験前で1分1秒でも多く勉強時間を確保したいのはわかりますが、忙しい合間を縫ってでも、やはり彼に“おかえりなさい”と伝えるべきだったのではないでしょうか。

自分磨きに夢中になるあまり、大切な彼の気持ちが見えなくなったら、ふたりの関係に亀裂が入ってしまいかねません

技術を極めたくなったら

自分磨き

R美さんのように自己研鑽にはげみすぎるタイプの女性はいます。それは、決して悪いことではありません。思いがけない収入や起業などのチャンスにもつながることもあります。

たとえばアロマセラピーに夢中になり、資格取得後、自宅に週末のみ営業のサロンを開いた女性もいます。これは立派な副業となりますし、結婚しても続けられる仕事なので、すばらしいことです。

また、着付け教室に通い、師範の免状をいただいた女性は、成人式や結婚式などの晴れの日には着付けで収入を得ています。こちらも長いこと収入を得ることができる技術ですので、男性側からすれば、むしろ頼もしく感じるのではないでしょうか。

けれど、絶対に忘れるべきではないのは、彼への配慮なのです。たとえば仕事が入り、デートができないときなどは「ごめんね、次の埋め合わせは必ずするからね」と伝えるなど、彼を尊重することも必要でしょう。そうでないと、彼は“俺よりも自分の仕事や趣味が大事なのか”とふてくされてしまうのです。

彼に自分磨きを応援してもらうために

自分磨き

“自分磨き”それ自体は、自分を成長させるためにもいいことです。なので、彼にも自分ががんばっていることについて、少しでも理解してもらうように働きかけてみましょう。

たとえばダイエット中ならば、彼と一緒にジムに行って筋トレすると、楽しめるかもしれません。また、着付けの副業をはじめた場合は、彼に男物の浴衣を着付けて、浴衣デートにくり出すのも喜ばれるかもしれません。

こんなふうに自分の世界を伝えるだけで、かなり彼の対応もちがってくるはずです。

せっかく日々努力しているのですから、それを相手と共有するように持っていくことが必要です。婚活中や恋活中のかたも、あえて積極的に、自分が夢中になっていることを早い段階から相手に伝えておきましょう。ときには「僕も糖質制限中なんです」などと、同じ境遇の男性と意気投合できるかもしれません。

相手に理解してもらうためにも、どんどん自分からも発信し、自分の世界を共有することが大切なのです。

(内藤みか)

※画像はイメージです

※この記事は2019年07月09日に公開されたものです

内藤みか(作家・イケメン評論家)

作家。慶應義塾文学部卒(通信課程)。著書80冊以上。大学時代に官能小説でデビューし、ケータイ小説で話題に。その後電子媒体を中心に活動。原作&脚本の舞台「男おいらん」が再演を繰り返し、脚本参加のラジオドラマ「婚活バスは、ふるさとへ」(YBS)が文化庁芸術祭優秀賞など脚本でも活動。複業のイケメン評論家として、ホストや出張ホストなどにも詳しい。著書に「イケメンと恋ができる38のルール」(ベストセラーズ)「美男子のお値段」(角川学芸出版)「男はときどき買えばいい」(マガジンハウス)「いじわるペニス」(新潮社)など。

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