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キスすらしたことない処女は「重いのか尊いのか」問題に終止符を打ちたい

ウイケンタ(コラムニスト)

男性経験どころかキスすらしたことがない。そんな女性に対して、「尊い」「重い」などのさまざまな声を聞きます。しかし、実際のところ男性たちは「男性経験のない女性」に対して、どう思っているのでしょう。恋愛コラムニストのウイさんに話を聞きました。

増える「処女」という悩み

「晩婚化」とか「若者の恋愛離れ」と言われはじめてからずいぶんと長い時間が経過したような気がします。

実際、国が出しているデータも平均結婚年齢は毎年右肩上がり。この大きな流れの影に隠れがちですが、もうひとつ平均年齢が徐々に上がっていることがあります。

初体験です。

いわゆる童貞や処女が増えているのです。

今回はそんな「経験がない」ことに対して悩んでいる方に向け、僕なりのメッセージを書かせていただきます。

3人にひとりが経験なし、という事実

まずは客観視するために、実際の数字を見てみましょう。

厚生労働省が4~5年に1回実施している「出生動向基本調査」という資料があります。小難しい数字が並んでいる資料なのですが、これのすごいところは「童貞&処女率」も調査しているということなのです(大きなお世話だっつーの)。

最新の資料が2015年のものなのでちょっとだけ古いデータになりますが、性交渉の経験がない女性の割合は25~29歳で32.6%、30~34歳でも31.8%いらっしゃいます。

約3人にひとりですね。

2010年の調査時には約4人にひとりが処女だったので、増加傾向にあるようです。もし今年か来年あたり調査が入ると、もうちょっと増えているのかもしれません。

この「3人にひとりが処女」を多いと感じるか少ないと感じるかは人によりますが、僕は思ったよりも多いなと感じます。だから本当は「3人にひとりだって! 全然レアじゃない! 気軽に生きようぜ!」って言いたいんです。

僕の友人に32歳まで処女だった友人がいました。すでに結婚して子どもにも恵まれているのでもう何年も会っていませんが、彼女は自分の処女に対して「完全防備」「過保護」「撥水加工」「難攻不落」という自虐を込めたネタをいつも使っていました。

そこに卑屈さや「いじらないでくれ」という防御壁のようなものは感じませんでした。だから本当は「彼女のようにネタにしましょう」って言いたいんですけど、ネタにできるかできないかは本人のキャラクターによります。

それに、人によってはそんな簡単な話じゃないケースもあるんでしょうね。

初体験にトライしたときにめちゃくちゃ痛くて失敗に終わったとか、怖い目にあってトラウマになっているとか、縁がないとか、そもそもセックスしたくないとか、そういった方もいらっしゃると思うんです。

でも、僕が考える一番多い理由は「したいと思える人とは出会ってはいるけど、シンプルにセックスまで至っていないだけですが、何か問題でも?」だと思うんです。

もちろん、キスをしたことがないとか、手も繋いだことがないとかも一緒。「出会ってはいるけれど、そこまで至っていない」。

根拠はありませんが、この理由こそが一番多いと思います。

ちゃんと大事な人に捧げなね? 大きなお世話だっつーの

処女の理由はさまざま。

それなのに、世の中ってやつは、なかなかどうしておせっかいなことばかり言ってくるもんです。

まず、男。

男ってやつは本当に身勝手な生き物でして、処女を神格化して「尊い」と言う人もいれば、アホな顔して「重い」という人もいるわけです。

次に、女性。

きっと女友だちだって「え? 処女なの? やばくない?」とか「ちゃんとはじめては大切な人に捧げなね」なんて言ってくる人もいるでしょう。

キスしたことない人に対しても「え? キスもしたことないの!?」と、レアなポケモンでも見つけたかのような大騒ぎ。

全部上から目線の大きなお世話。

たとえば、パクチー嫌いだって言ってるのに「パクチー嫌いなの? 人生の半分損しているよ」くらい大きなお世話ですよね。

なんなんですかね? 「捧げてね」って。

ティーン誌の白黒ページ? 進撃の巨人の憲兵団? 雨乞いのときのお供え物? っていう話ですよ。

SNSを覗くと、世の中はセックスに溢れているような気になってしまいます。匿名なのをいいことに、あっちでもこっちでもセックスセックスセックス。

みんなセックスに大忙し。

「何人抱いた」「こんな人に抱かれた」と、まるでセックスでしか自らの承認欲求を満たすことができない人が多いようです。

誰を抱こうと、誰に抱かれようとそれは個人の自由で、法にさえ触れていなければそれは決して悪いことではありません。

しかし、誰にも抱かれたことがないという人を上から目線で見てくるような人はバケツいっぱいのパクチーでもモシャモシャ食わせとけばいいんですよ。

以上! 解散!

と、これで僕の言いたいことは全部言ったつもりですが、もう少し話をさせてください。

恋する男の本音は「処女? ベイビー、それがどうした」

もしかしたら、みんな知っているのかもしれないし、知らないのかもしれないし、知らないふりをしているだけかもしれないし、こんなことを改めて言う必要もないと思うんですけど、あえて世の中の多くの男性の「処女は重いか否か」について恐れずに改めて明文化すると、「美人の処女は尊いし、そうでない女性の処女は、まあ、そうだよね。うん、薄々気づいてたわ」なんです。

ここで「いやいやいや」と反論してくる男子はモグリです。

ただ、これはあくまで「すべての女性」に対してのケースです。主語が大きい。

これが恋人だったらどうでしょうか?

あなたが好きな人に処女であることを伝えたときに、多くの男性は驚くとは思うのですが、本当にあなたのことを好きな男であれば「処女?キスもしたことないって? ベイビー、それがどうした?」と言いながらあなたが出したハードルを「え? ハードル? そんなんあった?」と越えてくるはずです。

さらに「惚れた女よ、この薄汚れた現代社会でよくぞ守り抜いてきた。俺が幸せにしてみせる。名ばかりと思っていたヴァージンロードを本物のヴァージンロードにしてやろう」と勝手にいい方向へ神格化すると思います(余談ですかヴァージンロードとは婚前交渉が非常識だったころ名づけられた和製英語だそうです。なので、アメリカ人が聞いたら「Why Japanese people~!?」ってビックリすると思います)。

きれいごとみたいになっちゃいましたけど、相手の男が自分のことを本当に好きかどうかのひとつの判断基準にはなりますよね。

そして、改めてこうやって考えてみると、「好き」という気持ちは偉大ですね。処女とか、年齢とか、職業とか、思想とか、整形しているとか、身体のコンプレックスとか、過去のトラウマとか、もっといえば、国籍や、宗教や、性別でさえ、「好き」という感情を持ってすれば、大した問題じゃなくなるんですから。

非童貞の僕が散々好き勝手書いてきましたが、どうしても行きつく結論は「処女が重いとか尊いとか、捧げるとか、捨てるとか、考えるだけ損だよね」になってしまいます。

極端な少数派でもなければ、多くの人にとって大事に守っている宝物でもないし、捨てられなかった荷物でもない。

重いという男もいれば、泣いて喜ぶ男もいる。ドラマチックでもなければ、長所でも、短所でもない。

だから、ここまで読んでいただいて最後にいいこと言えないんですけど、どうかこれからも「自分の処女、付き合いも長いしさ、せっかくだから美しくお別れしてやるぜ。いつかって? いつかね」くらいのスタンスで、ただの個性と付き合っていってほしいと願うばかりです。

(ウイ)

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※画像はイメージです

※この記事は2019年05月28日に公開されたものです

ウイケンタ(コラムニスト) (コラムニスト)

ライター・コラムニスト。結婚相談所アドバイザー。VOICYパーソナリティ。
『ハッピーエンドを前提として』(KADOKAWA)、『エンドロールのその後に』(大和出版)著者。
オンラインサロン「喫茶クリームソーダ」オーナー。カレーと飲酒とラジオとゴールデンレトリバーが好き。

Twitter&Instagram @ui0723

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