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自分で決められない人の特徴5つ。決められない原因と改善方法も解説

笹氣健治(心理カウンセラー)

人生の大きな決断から日常の小さな選択まで、自分で決められなくて困ってはいませんか。自分で決められない人の特徴や決められない原因、解決方法について、心理カウンセラーの笹氣健治さんが解説します。

あなたは「自分で決められない」人ですか? たとえば、こういう経験はありませんか?

レストランで注文する料理をなかなか決めることができない。洋服やお土産を買うときに、どれにしようか迷いつづけて時間がかかってしまう。仕事がきついので会社を辞めたいと思ってもなかなか決心ができない。あるいは、今お付き合いしている彼と結婚したほうがいいのか別れたほうがいいのか、決断ができない……。

もしあなたがこのようなことに当てはまるとしたら、このコラムを読んでぜひ役立ててほしいと思います。

自分で決められない原因とは?

物事を決められない原因となる状況には、以下のケースがあります。

(1)選択肢のどれも好きだから

1つ目は、好ましいものの中から選択するケース。

レストランでの注文、洋服やお土産選びで迷うときのように、「これもいいけど、あれもいい。可能ならば全部選びたいけど、どれかに決めなければならない」といったケースです。

(2)選択肢のどれも嫌いだから

2つ目は、嫌なものの中から選択しなければならないケース。

「これは嫌。でも、あれも嫌」といったように、どちらを選んでも嫌な思いをするときには、なかなか決められなくなるものです。

このケースは特にやっかいで、何を選択しても悪い結果が待っているわけですから、何か決めたら必ず嫌な思いをすることになるので、なかなか決められなくなってしまうのは当然だといえるでしょう。

(3)選択肢にプラス面とマイナス面が混在しているから

3つ目は、選択肢のいずれにもプラス面とマイナス面がある場合があります。

Aが理想ではあるものの値段が高くて予算オーバー。Bは予算内だが内容がいまいち。このように、どちらも甲乙つけがたいときも決めるまで時間がかかってしまいます。

彼と結婚したほうがいいか、彼とは別れたほうがいいか、会社を辞めて転職したほうがいいか、といったように悩むときなど、プラス面とマイナス面の両方があるために、なかなか決められなくなっているのです。

(4)損得にこだわりすぎるから

決められないのは、本人の内面的な要因による場合もあります。典型的なものとしては、「絶対に損をしたくない」「できるだけ得をしたい」といったこだわりの強さです。

Aを選んでもBを選んでも、結果的にはそれほど大きなちがいがなかったりするのに、損得にこだわりすぎるために決めるのに時間がかかってしまうのです。

(5)まわりを意識しすぎているから

あるいは、まわりの反応を過度に意識するあまり決められないこともあります。

これに決めたら「なぜそんなものを?」と批判されるのではないかと気になって、なかなか決められないのです。

自分で決められない人の特徴5つ

「自分で決められない」理由について簡単に説明しましたが、次は「自分で決められない人」によく見られる特徴を挙げてみたいと思います。

(1)失敗を恐れすぎている

何かを決めるのに時間がかかるのは、無意識のうちに「絶対に失敗したくない」と強く思っているせいかもしれません。「もし間違った選択をしたらどうしよう?」と不安が湧いてきて頭の中がパニック状態となり、冷静に考えられなくなっているのです。

失敗を恐れるのは、「失敗するのはよくないことである」という思い込みが染みついているためであり、それは大人に成長する過程で身についてきた可能性があります。

(2)悲観的に考えるクセがある

「どうせうまくいかないんじゃないか」と悲観的に考えていると、思い切った決断がしにくくなります。「うまくいかないならやるだけムダだ」と考えてしまうのです。

なぜ悲観的に考えてしまうのかというと、過去に成功よりも失敗したことのほうが多かったからかもしれません。その経験を通して「自分がやることは失敗する」と悲観的に考えてしまうクセがついてしまっているのです。

(3)まわりの目を気にしている

「あんな選択をするなんておかしい」といったような批判をまわりからされることを極端に恐れていると、なかなか自分では決められなくなってしまいます。

私のことを悪く思われたくないという意識が強くなってまわりの目が気になってしまい、自信を持って決めることができなくなるのです。

(4)判断基準があいまいになっている

甲乙つけがたい選択肢の中から決めなければならないときは、何が自分にとって重要かという判断基準を明確にする必要があります。

たとえば、数あるパッケージツアーの中から選ぶ際には、予算重視なのか内容重視なのか、あるいはほかに譲れない条件があるのか、といった判断基準を明確にしておかないとひとつに決めることは難しいでしょう。

ところが、なかなか決められない人は、その判断基準があいまいになっていて、そのために決められなくなっているのです。

(5)目先の結果にとらわれすぎている

これがいいと思って決めたのに結果的には別のほうがよかった、といった経験をした人も多いと思います。逆に、仕方なく選んだものが意外によかった、ということも起こり得ます。

決めようとしている時点で想像していた展開が必ずしもその通りになるとは限らないのはよくあることなのです。それなのに目先の結果にとらわれすぎていると、どうしても迷いが拭えずに延々と考えつづけてしまうことになります。

自分で決められない性格を改善する方法

自分で決められるようになるには、先ほど挙げた5つの特徴を踏まえた取り組みを心がけることが役に立ちます。それには次の3つのステップで考えてみることをオススメします。

(1)メリット・デメリット分析をする

考えられる選択肢それぞれのメリット・デメリットを表にまとめて紙に書き出します。

たとえば、会社を辞めるか、辞めずに続けるかというふたつの選択肢があるとしましょう。

それぞれのメリットとデメリットを考えると、会社を辞める場合のメリットとしては、ストレスがなくなる、キャリアアップができる、といったことが考えられるかもしれません。デメリットは、転職先がすぐ見つかるかどうかわからない、転職後の仕事が楽しいかどうかわからない、といったことです。

次に、辞めずに続ける場合についても同じようにメリットとデメリットを考えます。

この作業をする際は、できれば自分だけで考えるのではなく、信頼できる上司・先輩・同僚などの意見を聞くと、より大局的な分析ができるでしょう。

そうやって、選択肢それぞれのメリット・デメリットを把握することで、なぜ自分が迷っていて決められないのかがハッキリ見えてくるはずです。

(2)絶対に避けたいことを考える

メリット・デメリット分析の中で、これは自分にとって重要だと思う要素をピックアップし、さらにその中から「絶対に避けたいこと」を選び出して順位をつけます。そうすることで自分がどういう判断基準を持っているかを自覚できるようになります。

たとえば、今の会社でストレスにさらされつづけることを避けたいのか、それとも、転職先が見つからない事態を避けたいのか、どちらがより嫌なのかをハッキリさせることが決断をする際に役に立つでしょう。

なお、「避けたいこと」ではなく「自分にとって好ましいこと」に注目してはダメなのか、と思われるかもしれませんが、「自分で決められない」人にとっては、「避けたいこと」に注目するほうが有効です。

なぜなら「自分で決められない」人は、チャンスよりもリスクを恐れる傾向が強いので、「避けたいこと」を考えるほうが、決断をする際には役に立つからです。

(3)「なるようになる」と割り切る

そもそも「決められない一番の原因」は、それが将来どんな展開になるかわからないから、です。当然ですが、結果がわかっていれば誰も迷うことはないでしょう。しかし、未来のことは誰にもわかりません。うまくいくときもあれば、うまくいかないときもあります。

ですから、最終的には運を天に任せるしかないのです。運を天に任せるというのは、「なるようになる」と割り切ることです。

たとえそれが自分の望む展開ではなかったとしても、1年後、2年後、さらに10年後、20年後を考えてみると、あながち悪いことではなかった、となるものです。つらい経験は自分を成長させるトレーニングだったりします。苦手なことを避けてばかりいたら、それはずっと苦手なままです。

そう考えれば、選択した先の結果がどうなるかをアレコレ考えつづけるのはほどほどにして、腹をくくって早めに決断したほうがいいと思えるようになるのではないでしょうか? あとは「流れに身を任せて、自分にできる範囲でがんばるしかない」と思ってやるべきことをやればいいだけです。

自分で決めることの大切さとは?

最後に、「自分で決める」ことの意味を考えてみましょう。

実際、自分の人生を「自分で決める」ことはとても重要です。たとえば、自分で決めたことがもしうまくいかなかったとき、後悔はしたとしても「自分が決めたことだから」と割り切りやすくなります。

また、「自分で決める」ためには、自分の中の判断基準をしっかり持つことが大切ですが、判断基準は自分で決めることの繰り返しによって明確になっていくものです。

さらに、決めるためには、その分野に詳しい人や頼れる人の意見を聞くことも必要になってきますが、そうやって自分ごととして考えていくことによって見識が広がっていきます。

つまり、「自分で決める」ということは、「自分の人生に責任を持って一人前の大人として自立していく」ことだといえるのです。

自分を成長させるためにも「自分で決める」ことにチャレンジしよう。

「自分で決める」ことに慣れないうちは、誰もが「自分で決めるのは難しい」と感じるものです。

逆にいえば、慣れれば誰でも「自分で決められるようになる」ということです。そして、慣れるには場数を踏むことが必要であり、それには失敗を恐れずどんどんチャレンジすることが肝心です。

失敗しても命をとられるわけではありません。失敗から多くを学んで、それを次に生かすこともできます。

「自分で決める」のは気が重いときもありますが、だからこそ大きく成長できるのです。ぜひ勇気を出して「自分で決める」ことにチャレンジしてみていただきたいと思います。

(笹氣健治)

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※画像はイメージです

※この記事は2019年04月02日に公開されたものです

笹氣健治(心理カウンセラー) (心理カウンセラー)

メンタルトレーナー・心理カウンセラー
1967年生まれ。国際基督教大学を卒業後、NTT(東京支社)に入社。その後、地元の仙台に戻り、スポーツクラブ「グラン・スポール」の経営に携わる。企業を経営する上で人間心理を理解する必要性を痛感して心理カウンセリングを学び、現在は、ストレスやコミュニケーション問題の解消をテーマにした講演やカウンセリング、目標達成のためのメンタルトレーニングを行っている。『「やる気」のある自分に出会える本』(スリーエーネットワーク)、『仕事の悩みを引きずらない技術』(PHP研究所)など、著書19冊。

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