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事実婚とは。メリットデメリットと向いている女性

パンジー薫

刈谷龍太(弁護士)

事実婚のメリット&デメリット

実は私たちは、2017年の秋に事実婚するも、2018年の1月に法律婚へと切り替えました。

わずか5カ月で事実婚を終えた理由は「子ども」でした。

なぜ妊娠・出産をきっかけに法律婚に切り替えたのか。ここからは事実婚のメリットとデメリットについて紹介します。

メリット

名字を変えなくてすむ

前出の友人がまさにこのメリットを得るがために事実婚していますね。

法律婚では夫婦同姓が原則として定められていますが、事実婚なら法律上は赤の他人。夫婦で別々の姓を名乗れるため、結婚しても名字を変えたくない人にとってはメリットとなります。

名字変更による事務手続きの必要なし!

名字を変更せずにすむということは、名字変更に伴う変更作業も発生しないということ。

本来なら面倒な免許証、パスポート、保険証……の変更作業をする必要がありません。こういった作業が面倒な人にとってもメリットですね。

精神的に自由でいられる

「婚姻制度は政府の国民管理の制度にすぎない」
「戸籍・入籍制度に反対」
「家族のカタチはさまざまあっていい」

など、自分の思う生き方や自己主張が一貫して実行できます。

デメリット

私たちのように、妊娠・出産をキッカケに法律婚へと踏み切る事実婚カップルは少なくありません。

夫婦「2人」であればメリットの多い事実婚ですが、子どもができると以下のようなデメリットがあるからです。

子どもが「婚外子」に

戸籍上、夫婦と認められていない2人の間に生まれた子どもは婚外子(非嫡出子)となってしまいます。

子どもは母親の戸籍に入ります。「認知」されない限り父親の欄は空欄に。

父親からの扶養や相続を受ける権利もありません。

遺産相続権がない

法律婚の場合、パートナーが亡くなれば自動的に残された相手に遺産が相続されますが、事実婚はちがいます。

財産をパートナーに遺すには、「生前贈与」または「遺言書」を残す必要があります。

これをしないと、どんなに長く連れ添おうとも財産をパートナーに遺すことができないのです(子どもがいる場合、子どもが認知されていればその子どもには相続権があります)。

また、遺言書を用意した場合でも、相続税における配偶者の軽減措置※が法律婚とはちがい受けられません。

※法律婚における配偶者は、被相続人の財産形成への貢献や、被相続人の死亡後の配偶者の生活への配慮などから、法定相続分または課税価格1億6000万円までの財産を相続しても相続税が課税されない。

得られない権利や受けられないサービスがある

法律上、赤の他人である事実婚には「配偶者控除」や「扶養控除」が認められていません。

夫婦2人で稼いでいる場合は問題ないですが、どちらかが家庭に入りたい夫婦の場合、税的な控除が受けられないのはとても大きなデメリットです。

また、結婚している事実が把握しづらいという点で、生命保険の受取人として断られたり、住宅ローンを組む際にスムーズにいかないことも。

対策として、事実婚に関する公正証書を作るという手があります。

公正証書があれば、(病院の方針次第ですが)家族として入院や手術の同意書にサインが可能になることも。また、代理手続きをする際などに、スムーズに夫婦を証明できます。必要だと思うカップルは作っておくといいかもしれません。

次ページ:事実婚に向いてるカップルとは

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