絶対うそやん。
それがshin5さんのTwitterを見た、編集部唯一の既婚者である私(オカン)の第一声。同じ編集部のたかはしが、特集「いろんな恋のカタチ」 でshin5さんを取り上げたいと相談してきた。なんでも結婚10年目でも妻に恋をし続けていることで有名な人物だとか。shin5さんのTwitterフォロワーは20万人をこえている。もうこれは立派なメディアといってもいい。その中で呟かれている内容はというと、日々の何気ない瞬間を切り取って妻への愛や感謝を伝えている、いわばラブレターのようなもの。
ちょっとまってよ、こんなん絶対うそ。善良なたかはしは最近彼氏ができて恋にのぼせ上がってこんな呟きを真に受けているだけ。そう思い、一緒にshin5さんを取材することにした。脇には「ただただ顔が見てみたい」というミーハーな理由でついてきた編集部のさちこを添えて。
「妻に恋をする」shin5さんの恋のカタチ
はじめまして、編集部のたかはしです。shin5さん、今日はどうぞよろしくお願いします。こちらは、同じく編集部のオカンとさちこです。3対1の取材になりますがよろしくお願いします。
はじめまして、オカンです。shin5さんって、結婚して10年目とお聞きしましたが。
はい、2009年5月に結婚したので、今は10年目。来年の5月で丸10年になりますね。
何を隠そう、私も結婚10年目です。同じですね。だからこそ言わせてもらう。あのTwitterで披露している奥さまとのラブラブなやりとり、あれうそですよね。駄目ですよ、うそついたら。
さちこです。オカン、ものすごく直球に失礼なこと聞いた。
いや、すべて本当ですよ。普段のLINEのやりとりでも、出せないもののほうが圧倒的に多いです。Twitterに載せているのはほんの一部です。
奥さまはshin5さんがTwitterの有名人であることは知ってたんですか?
実は、僕たちのエピソードがマンガになるまで妻は知らなくて。インタビューを受けることもあったので、そのタイミングでさすがに言わなきゃなって。で、言ったら「え!?」ってびっくりしていました。
奥さまは普通の会社員として働くshin5さんしか知らなかったのに、「実は僕たちマンガになるよ」って聞いて、shin5さんのTwitterの存在を知ったということですか?
はい。妻はもともとSNSやらない人だったので 、知らなかったですね。
私だったら絶対にびっくりして声も出ない。旦那が実は自分への想いをTwitterに呟いてるなんて。
言いにくいけど、オカンには絶対に起こらないことだから安心していいよ。
マンガの中でも、shin5さんと5歳年上の奥さまが出会ったのは以前勤めていた会社だと描かれていましたね。当時はシングルマザーだったとか。
そうですね。会社の飲み会で出会って好きになって、この人もしかして子どもいるのかなと思って聞いたら、そうだよって。ちょっとびっくりしたけど、僕も子どもが好きだったので。それに、ただただ純粋にこの人と恋愛してみたい気持ちのほうが大きかった。
長男は今中学3年生だけど、出会ったころは4歳くらい。反抗期もちょっとありましたが、とてもやさしいいい子に育ってくれました。
出会ったときからお母さんの一面がある女性ってことか。それは年下の男性からしたら魅力的なんじゃないだろうか。
今まで出会った女性の誰とも全然ちがいましたね。自分のことも子どものこともしっかりやっているし、元気があって魅力的でした。それまではどちらかというと年下と付き合って依存されるパターンが多くて、わかりやすくいうと彼女がメンヘラ気味になっちゃったり、逆に自分も好きになりすぎて束縛してうまくいかなかったり。
でも、妻にはそういう危うさみたいなのがまったくなかったんです。余裕があって魅力的で。
早まるな。誰もがシングルマザーになったからってshin5さんみたいな人に出会えるわけじゃない。
まあ、今旦那と別れて恋愛マーケットに放り出されても、ひとつも勝負できる気はしない。
まず、せめて白髪は染めて。それ以前にパパにもっとやさしくしてあげて(※オカンの旦那さまは編集部員からパパと呼ばれている)。
shin5さんの奥さまへの愛情が本当に伝わってきます。今まで出会った女性と比べて、どこらへんが特別な女性でしたか?
意外と頼りにされることもあったんですよね。彼女はしっかりしているので、自分が何かに困っているときに答えを出してくれることも多かったんですけど、年上でもありながら自分を頼ってくれるのがうれしかった。そういうところで僕も応えられるようにがんばっていました。
あとは今もそうなんですけど、いつも前向きで、いろんなことに挑戦しているところも素敵です。
私の旦那は、私が何か挑戦しようとすると全力で「やめとけ」って言う。続いたためしがないから時間と金の無駄だと。
ジムに通うと言い出したオカンへの猛反対はものすごかったね。ジムが戦場なのかっつうくらい引き止めてた。絶対に行くなって。
でも逆に、オカンさんのそういう飽きっぽい性格をよくわかっているってことじゃないですか。
さすがshin5さん、ナイスフォローです。奥さまを女性として意識するときはどういうときですか?
妻は、子どもに見せる一面と、僕だけに見せる一面があるんです。よく一眼レフやスマホで妻の写真を撮っているんですけど、子どもに見せる表情と僕に見せる表情が全然ちがうなって。
レンズ越しに奥さまを見つめるshin5さん。そして奥さまもshin5さんにだけ母親とはちがう顔を見せる瞬間ですね。すてき!!
おいおい、まじかよ。なんかの歌詞かよ。J-POPかよ。やってられねえ。
やさぐれないで。shin5さんにパパのインスタ見せて。
うちの旦那、出かけ先でも旅行でも、いつも息子の写真ばっか撮ってるんですよ。息子か食べ物。私という存在を抹消してるのではという疑惑があったので、お台場に行ったときに「たまには私を写真に写してインスタにアップしろ」って命じたんですよ。そしたら、これ。
リアルに旦那のインスタに上がった1枚。夏空に向けて力強く掲げたピースがものすごく悲しい。
この写真まじでおもしろい。センスあるわぁ。何がなんでもオカンの顔を写したくない気持ちが伝わる(笑)。
えっと、shin5さんって怒ったりすることはないんですか?
僕が怒ることはないですけど、妻が家のことをきっちりやる人なんですよ。去年子どもができて、妊娠中も家事・育児をきちんとやろうとしていたので、それはダメだと怒りました。
うん。私は言われなくてもしっかり休めるタイプだから、shin5さんに怒られる心配はなし。
オカンは何もしなさすぎ。パパ、いつもあかぎれの手で一生懸命洗濯してるじゃん。かわいそうに。
別にあいつのあかぎれは、私になんの関係もない。ねえ、shin5さん。本当の本当に、今でも奥さんにドキドキとかします?
本当にします! たとえば、僕の気持ちが沈んでいるときに「仕事が落ち着いたら一緒にどこか出かけようよ」と外に連れ出してくれたり、「考えすぎじゃない?」と励ましてくれたり、新しい仕事がはじまるときにお財布や名刺入れをプレゼントしてくれたり……サプライズをされることも多いんです。僕のことをちゃんと考えてくれているんだなって、ドキッとします。
でた、サプライズ。定期的にサプライズをするとドキドキが持続しますね。
子どもたちが育ち盛りだから、夕飯のカレーを子どもたちに完食されちゃうことがあって(笑)。だから「僕のためにごはんを作って待っていなくてもいいよ」って言っているんですけど、今日は早く帰れるよーってLINEしたときは、「ごはん用意して待ってるからね」って言ってくれる。
オカン、飽きないで。そしてあからさまに態度に出さないで!
多分、そういう思いやりがなくなったらドキドキしなくなると思うんですよ。ただただ家族を続けているだけじゃ。でも僕も思いやりを大事にしたいから、たまにサプライズでケーキやお花、ほしがっていたピアスや指輪を買ってプレゼントしています。それがお互いにあるからいいのかも。
うちそんなのないよ! お花なんてもらったことない! サプライズのサの字もないわ。私、かわいそう。
でもオカン、パパの誕生日プレゼントをパパに着払いで支払わせたことあるでしょう。そういうとこだと思う。
奥さま自身も、いつまでもドキドキする関係でいるために気をつけていることとかあるんでしょうか? メイクとか、服装とか。
褒めますね。あと服を選ぶときも、どっちも似合うから両方買おうとか。それか「くるって回ってみて」って言って、そのくるっとした感じで、「かわいい! こっち!」って。
私は、旦那にこれとこれどっちがいいかなぁって言ったら「どっちもいらんわ」って言われましたけどね。shin5さんは奥さまをなんて呼んでいますか?
名前で呼んでいます。呼び捨てはあまりしないですね。ちゃんづけ、さんづけ。2人でいるときは、ママ、お母さんとは呼びません。
おもしろいですね(笑)。僕はたまに妻を呼び捨てで呼ぶこともあって、ドキッとするからやめてって言われます。だからたまに呼びます。
うわ、それはやばい! やっぱり結婚10年目の夫婦とは思えないラブラブっぷり。
Twitterに投稿しているLINEもすごいじゃないですか。日々のささいなことのやりとりが、細やかな気づかいで丁寧に。暇なんですか?
暇ではないですよ(笑)。喧嘩しているときは「駅着いた、今から帰ります」「気をつけて帰ってきてね」とか、業務的な感じになりますし。
喧嘩してるときでさえ「気をつけてね」とか言うのすごい。私なら「気をつけるな! 死なない程度のまあまあ痛いケガしろ」って思う。
日本人って愛情表現が下手な民族じゃないの? 私、奥さんのことめっちゃかわいいって言ってる人はじめて会いました。
前に妻とカラオケに行ったんですけど、ずっと妻のことをスマホで録画してました。そして仕事の合間とかに見返して、かわいいなあって思う。
今でも妻に「仕事が忙しいからって放っておかれると、ほかの人のところに行っちゃうからね」って言われることがあります。
風船のように、手離したらどこかに行くよって言っておかなきゃってことか。結婚したら1年に1回くらい言えばいいのかな。この子、まだ恋愛できるモチベーションがあるんだ、って思ってもらうのが大事なのかも。
うちの旦那は、私をまた世に放てば人様に迷惑をかけるから、仕方なくこちらでかくまってるとのこと。
言われ方ひどい(笑)。油断しきった関係にならないのが大事ということですね。
そう思います。だから僕もオチオチしていられない。選び続けてもらわなきゃいけないので、家の中ではできるだけパンイチでうろうろしたりしないようにしています。たまにするけど。
奥さんいいなあああ!!!! 私、もう信じられないんですよね。男性が浮気もしないで何年もひとりの女性だけ愛し続けるっていうのが。
何があったんですか(笑)。でも、僕も自分がこうなるとは思ってなかったですね。20代前半で結婚するとも思ってなかったし、誰かにずっと愛情を注ぎ続けることも考えなかった。Twitterの投稿に対して共感の声も多くて、男性にそうあってほしい、愛情を伝えてほしいと願っている女性はこんなにいるんだなって。
女性が、彼氏に気づいてもらえるように僕のツイートをRTすることもあるそうで、逆に彼氏も「好き」って気持ちを素直に伝えられないから僕のツイートをRTすることもあるらしい。お互い素直じゃないのはよくないなって。好きな気持ちを正直に伝えることが大切だと思います。それに妻が応えてくれて、関係を築いていく。どれだけ長く一緒にいても、伝え合って気持ちをたしかめ合うことを怠るのはダメですね。
shin5さん、こんな編集部ですみません。shin5さんのような素敵な男性と出会えても、出会えなくても、自分らしい幸せな恋愛・結婚ができるように編集部一同がんばります。ありがとうございました!
(取材・文:マイナビウーマン編集部)
※この記事は2018年12月23日に公開されたものです