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落ちたのは「ラメ沼」。青ラメを偏愛するnasiさんの場合 #コスメ垢の履歴書

ひらりさ

同人サークル「劇団雌猫」所属の美容オタクライターひらりささんが、いま気になるTwitter「コスメ垢」の実態を探る連載【コスメ垢の履歴書】。

今回は、ここはインスタかと勘ちがいするくらい、キラキラ輝くラメアイシャドウの写真でTwitterを彩る「nasi(@nasi0927)」さん。「アイメイクの着画(※メイクを施した写真のこと)が本当に素晴らしいんです!」と語るひらりささんの熱望により、今回の取材が実現した。

お会いしてみると、イメージ通りのThe・美女! 普段は事務職として働いているnasiさんがコスメにどっぷりとハマったきっかけや、ラメアイテムへの愛を聞きました。

「ラメ沼」への入口は、キラキラペンを集めていた子ども時代

――アイメイクの着画がとても素敵だなあと、いつもTwitterで拝見しています。nasiさんがコスメを好きになったのはいつごろでしょうか?

大学生になってバイトをはじめてからコスメを買うようになりました。でも当時はそんなにお金があるわけでもないから、買えるのは「KATE」くらいで。今年で30歳なので、10年くらい前ですね。そのころはまだプチプラのコスメが今ほど洗練されてなくて、カラーバリエーションもほとんどなかったんです。

――たしかに、今ほど「プチプラコスメが優秀!」みたいな声も聞かなかったですよね。

だからあんまりコスメにときめきは感じていなかったのですが、そんなとき海外旅行に行って、免税店で見つけたのが「Dior」のパレット。アイシャドウやリップが一緒になっているパレットで、手に取った瞬間にワクワクしたんです。「コスメって、こんなに気持ちを上げてくれるものなんだ!」と、そのとき知りました。

――そこからコスメに散財するように?

頻繁に買うようになったのは、社会人になってからですね。最初に入った会社がちょっとしたブラック企業で(笑)、そのストレスを解消するためにコスメを買うように……。「コスメ好き」と言えるほど大量にコスメを買うようになったのはここ2~3年。コスメアカウントも、自分の記録用に3年ほど前にはじめました。フォロワーが増えたのは最近。今年の夏にDiorのアイシャドウ「サンク・クルール」の限定色である「ヒートアップ」の着画をあげたときに、とても多くの方がRTしてくださったんです。「買いました!」というメンションやDMをくださった方も多くて、うれしかったですね。

――nasiさんは「ものすごくたくさんのアイシャドウを持っている人」というイメージがあります。いったいどれくらいの数のアイシャドウを持っているんでしょうか?

ほかのアイテムもあわせて、無印良品の大きい収納ボックス2つ分というところでしょうか。わりとぎっしり詰まっています(笑)。

大きめのボックスにラメコスメがぎっしり!

――これは圧巻ですね……! 本当に、全部ラメ!(笑)

私、とにかくキラキラしているラメアイテムが好きで。人から見ると「同じじゃない?」と思われるのを承知で、いくつも買ってしまうんですよね。さっき話したDiorの「サンク・クルール」も9色くらい持っています(笑)。いま思い返すと、子どものころからキラキラしたシールやペンを集めるのが大好きだったんです。

――あー! ありましたよね。ラメラメした線が描けるペンとか、パステルカラーのペンとか。女児はみんな買っていた……。

そうそう、匂いがついていたりマーブルになっていたりとか……。何十本も集めていて、筆箱にパンパンに詰めて学校に行っていたんですよね。あれが、いまのキラキラコスメ好きの原点だったのかもしれません(笑)。ビーズアクセサリーとかも好きでした。

――コスメ沼の中に、さらに細分化された「沼」がいろいろあると思うんですが、nasiさんがハマっているのは「ラメ沼」そのものですね。

青ラメを求めて、東へ西へ

――nasiさんがいちばんときめくラメは、どんなラメなんですか?

やはりブルーのラメでしょうか。赤系の中にブルーが入っていたり、角度によってブルーの色味が変わったりするようなコスメを見つけると、どんどん買ってしまう……。最近買ってよかったのは、「ILLAMASQUA」という海外ブランドのハイライトです。「10TH ANNIVERSARY BEYOND POWDER」というアイテムなのですが、アイシャドウではなくハイライトなのに青ラメが入っているんですよ~! 日本のブランドにはない色使いでうっとりしています。

――かわいい~! たしかにこれは日本ではあまり見ない感じのラメですね。

でも残念ながら、めずらしいラメのアイテムほど廃盤になってしまうことも多いんです。たとえばNARSの「デュアルインテンシティーアイシャドー」の1928 カシオペアは、最強にかわいい偏光ピンクのラメなんですが、もう廃盤になってしまったので、残りのラメを宝物のように大切に使っています……。

――聞けば聞くほど、nasiさんのラメへの愛が尋常じゃない。ラメアイテムは平日も使うんですか?

会社の規定が比較的自由なので、ラメアイテムを使って出勤することもありますよ。でも、平日はそんなにメイクに時間をかけられないので、あれこれ楽しむのは休日ですね。平日のメイク時間は15分だけど、休日は1時間くらいかけています。

――平日の4倍……! ちなみにメイクポーチには、普段どんなものを入れているんでしょうか。

だいたいこんな感じですね。

左から、
・あぶらとり紙
・Jo MALONE LONDON イングリッシュオーク&レッドカラントコロン
・NARS パワーマットリップラスター 2789
・エクセル リップケアオイル LO05 アイシーダズル
・クレ・ド・ポー ボーテ レオスールデクラ 11
・ヴィセ リシェ フォギーオンチークス BR301
・インテグレート シルキーマットリップ BR385

エクセルのリップケアオイルは、青ラメが入っていてお気に入りです。あとクレドのフェイスパウダーもやはり青系カラーのもの。残念ながら廃盤になっています……。インテグレートのシルキーマットリップは最近買ったのですが、リップとチークどっちにも使えてとても便利。色もかわいい! ドラッグストアコスメも最近はカラーバリエーションが豊富なので、ついつい買ってしまいます。特にキャンメイクは本当に素晴らしいと思います。

――月のコスメ支出は、だいたいどれくらいですか?

最近は月2~3万円でしょうか。11~12月はクリスマス限定アイテムの発売シーズンなので、いろいろ買ってしまいましたね。シュウ ウエムラのラ・メゾン・デュ・ショコラとコラボしたルージュ、SUQQUのフロウレス リップ グロス限定色、Jo MALONE LONDONのコロンコレクションなど。あー、あとボビイ ブラウンの限定品「ハイライト&グロウ ハイライティング パウダー デュオ」も買ってました。

――今年のクリスマスコフレはどのブランドもかわいくて、私もどれを買おうか迷っていますが、まさかnasiさんは4つも買っていたとは!

コスメという趣味に出会えたことが、何よりも幸せ

――ドラッグコスメから海外輸入コスメまで、ひたすらラメアイテムをゲットし続けているnasiさん。日々お店をまわってラメアイテムを探しているんですか?

百貨店やコスメストアには、実はそんなに行くわけじゃないんです。むしろ家でTwitterを通じて情報収集をして、「これがほしい!」と決めてからお店に向かうようにしていますね。目的がないのに行っちゃうとどんどん衝動買いしちゃうだろうと思って、自分を律しています(笑)。

――具体的にはどんな雑誌やアカウントを見て情報収集しているんですか?

雑誌だと『美的』や『MAQUIA』などの美容雑誌ですね。Twitterの個人アカウントだと、らのさん(@__ranon)さんが大好きです。コスメの写真がとっても綺麗なんです。彼女のアカウントに憧れて、私もコスメアカウントをはじめたと言ってもいいくらいで。

――nasiさんのアカウントのお写真も、とっても綺麗だなと思います。撮影は何でしているんですか?

全部スマホですよ。ただ、日光の入りやすい午前中に、窓際で撮るようにこだわってはいますね。納得がいくまで撮り直します。加工アプリは「Clip Clop」を使っています。

「Clip Clop」で加工中。こうしてnasiさんの美しすぎる着画が作られていく。

――nasiさんの、アイメイクの着画の美しさの秘訣が知りたいです。ブラシか何かを使っているんでしょうか?

いや、アイシャドウは指で塗っちゃうことが多いですね。むしろ指で塗ったほうが発色がよくなるとも聞いたことがあって。写真を撮るときは、手鏡をうまく使って外カメラで撮るように気をつけています。

――そういえば、nasiさんはご結婚されているんですよね。旦那さんから、コスメに関して何か言われたりしますか?

特に何も言われないですね。「そんなに買う必要があるのかな」と不思議に思われている可能性はありますが(笑)。でも、夫が残業続きであまり顔をあわせられない時期があったんですけど、その時期が落ち着いたあと「好きなコスメを買ってあげるよ」と言ってくれて、ちょっとうれしかったです。

旦那さまから買ってもらったというコスメの一部。うらやましい……!

――素晴らしい旦那さん! しかも、nasiさんが好きな「コスメ」を買ってくれるというのが理解ありますね! そんなnasiさんでも「そろそろコスメはもういいかな」と感じるときはありますか?

全然ありません! モノとして綺麗なアイテムが無限にあって、本当に楽しいんです。どれもちょっとずつ色がちがうからいくらでもほしくなりますし、ほかのコスメアカウントの方が発信している情報をチェックするのも、人のアイメイクを見るのも飽きないし……。実家の猫の写真を撮ったり、友だちと日本酒を飲みに行ったりするなどの趣味もあるんですが、その中でもコスメという趣味に出会えたことが何より幸せだなと思います。

――ありがとうございました。nasiさんの今後のコスメ道も応援しています!

コスメ垢「nasi」さんの履歴書

ラメを偏愛し、ラメコスメを収集し続けるnasiさん。社会人になって、仕事に追われて、結婚して……。ライフステージがどんなに変わっても、根本にある「綺麗なものが好き」という気持ちは幼少期から変わらない。なんでもない日常を、よりキラキラと輝かせてくれるもの。それが彼女にとっての「コスメ」なのだろう。

(取材・文:ひらりさ、編集:高橋千里/マイナビウーマン編集部)

『だから私はメイクする 悪友たちの美意識調査』劇団雌猫

劇団雌猫の大人気同人誌『悪友DX 美意識』のグレードアップバージョン。化粧、ダイエット、エステ、整形、ロリータ、パーソナルカラー診断、育乳……。さまざまなジャンルのおしゃれに心を奪われた女性たちが、ファッション・コスメへの思い入れや、自身の美意識をつまびらかに綴り、それぞれが「おしゃれする理由」を解き明かす匿名エッセイ集。

※この記事は2018年12月22日に公開されたものです

ひらりさ

1989年生まれ、東京都出身。ライター・編集者。女性・お金・BLなどに関わるインタビュー記事やコラムを手掛けるほか、オタク女性4人によるサークル「劇団雌猫」のメンバーとしても活動。主な編著書に『浪費図鑑』(小学館)、『だから私はメイクする』(柏書房)など。

ブログ:It all depends on the liver.
Twitter:@sarirahira

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