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コラム 結婚

結婚するなら「完璧な人」より「完璧じゃない人」?

あたそ

結婚に対する焦燥感は、きっとある日突然訪れる。気がついたら真後ろにいて、私の肩を強く叩く。そういうものなのだと思う。

■このまま死ぬまでひとり? 誰もが覚える「結婚への焦燥感」

マンガ『ガラスの靴は割れてもはける』の主な登場人物である4人の元追っかけ女子たちが、結婚への焦燥感を覚えたきっかけは、追いかけていた俳優の突然の結婚報道だった。

(c)都 陽子/祥伝社フィールコミックス

超、わかる。私は特段好きな俳優がいるわけではないし、追っかけをするほどの興味もない。しかし、自分の好きだった人や好きなもの、あるいはそれらを生み出す人が変化したとき、自分だけが取り残された気持ちに、勝手に陥る。

俳優を追いかけ、時間も金銭もつぎ込んでいればある程度の幸せを担保することはできる。趣味から得られる幸福感や心の満足度は異常だ。まるで薬物かのように、自分の内側を満たしてくれる。それだけで気持ちを強く奮い立たせてくれる気すらしてくる。

しかし、人は欲張りなもので、他人、それも意中の相手でなければ決して満たせない部分があるらしい。私もいつか焦り出すのだろうか。自分が結婚できないことや、恋人がいないことについて。

そもそも私には、結婚願望がない。というか、わりと自分の人生についてはなんでもいいと思っている。はっきりいえば、投げやりだ。物心ついたころから両親の仲が悪く、いわゆる「幸せな家庭」が想像できない。でも、私はこのまま死ぬまでひとりなんだろうか。想像はたやすいけれど、決心なんてつくはずがない。

結婚は、したほうがいいのだろうとただなんとなく思う。こんな価値観をずるずると持ち合わせたまま、私も結婚適齢期に入った。もう、なんかいろいろ焦りだすのも遅いくらいなのかもしれないけれど、やっぱりこと自分に関しては、投げやりだ。

■この世には「完璧な人」なんていない

人間関係は不思議だ、とよく思う。自分の好みのタイプやお互いの条件や気持ちだけでは、うまくいかないことがある。

物語の後半で恋愛願望ゼロの舞(まい)がマッチングアプリで出会った後藤(ごとう)と「結婚に対する条件が合っているから」という理由で結婚を決めたのにもかかわらず、結局うまくいかなかった。これは、結婚だけではなく、恋人や友だち、すべての人間関係において同じことがいえるだろう。

条件だけではなく、自分の気持ちをもってしても、やっぱりうまくいかないことがある。条件、お互いの気持ち、タイミング、いろいろなものが折り重なって、人間関係はできあがっていく。どんな要因があるのかは、本人同士にすらわからなかったりする。

そのあと、後藤と付き合うことになる千佳子(ちかこ)もそうだ。クソ合理的・能面・デリカシーなしの後藤に対する第一印象は最悪。好みのタイプではなく、結婚に対する条件だって合わない。だけど、後藤と過ごす時間が長くなるにつれて、どんどん惹かれていく。最初は「少なくともこいつと結婚はないな」なんて思っていたのに。やっぱり、人間関係は予定調和ではいかない。だから、みんな同じように悩んだりするのだろう。

結婚って、なんなんだろう。私にはまだわからない。でも、この世に完璧な人間がいないことはわかっている。さらにいえば、自分の思い描く「完璧」に近い人ほど、先に結婚していたり、相応の恋人がいたりする。

そう思うと、千佳子と後藤のように、完璧ではない者同士が寄り添って、お互いの欠点を埋め合うように一緒に過ごす時間を作り、なんでも素直に言い合える関係性というのは案外長続きするのかもしれない。結婚なんてその先何十年も付き合っていくことが前提だ。だからなおのことなのだろう。

イラスト:つぼゆり

こんなふうに、私も誰かと関係を保ってみたい。相手の顔をうかがったりせず、素直に、常に思いやりをもって接していけたらいいと思う。

しかし、恋人のいない私は、今から何ができるんだろう。やっぱりマッチングアプリ? 物語の途中で4人が決めた「自分にとって譲れない条件を3つ決めて、それに当てはまる男子とはピンとこなくても会ってみる」というのをやってみる?

私の条件……うーん、そうだなあ。「自分の意見がはっきり言える」「私をひとりの人間として接してくれる」「趣味がある」かなあ? いやあ、でも結婚だったら、自分よりお金を持っている人がいいし、家事もある程度できる人がいいし、やさしい人がいいし、口うるさくいろいろ言ってこない人がいい。全然3つの条件だけではおさまらないし、きっと条件にぴったり当てはまるような都合のいい人はいない。あれだけ上で述べても、自分にとっての「完璧な人」を追い求めてしまうなんて。

私の結婚への道のりは、まだまだ遠そうだ。

(文:あたそ、イラスト:つぼゆり)

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