お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

面接で「尊敬する人」を聞く企業の思惑とは? 好印象な答え方【例文】

藤井佐和子(キャリアアドバイザー)

朝日絵美瑠

「尊敬する人」を答えるときのOK例&NG例

「尊敬する人は?」の質問に対して、単に人物名を挙げるだけではもちろん採用につながりません。面接での答え方について、具体的な例文とともにポイントをまとめました。いい例とダメな例を見比べながら、自分の答えを考える参考にしてください。

採用に近づく「好印象な例文」

「私の尊敬する人は、前職の上司だった課長です。常に私たちメンバーにチーム目標を丁寧に語ってくれ、私たちのやりたいことや強みもよく理解した上で任せてくれていました。

ある時、私が隣の部署とのやり取りを任されたのですが、仕事を進める中で理不尽なことを押し付けられたことがありました。しかし、やり取りしていた人が私よりも数年先輩だったため我慢していたところ、『仕事はチームで動いているんだ。自分ひとりが我慢すればいいと思ったら大間違いだ。結果、チームに迷惑をかけることになるんだぞ』と課長から指摘されました。

課長から『自分が代わりに対応することもできるがどうするか?』と聞かれ、私は自分の成長のためにも自分で交渉したいと申し出たところ、交渉における注意点を指導され、任せてもらいました。結果、交渉はうまくいき、仕事もスムーズに進めることができました。

その後、小さいチームですが私自身が部下を抱えることになり、あのときの課長にならってすべてに手を差し伸べるのではなく、部下の成長を意識してときに助言しながら、それぞれが主体的に行動できるように関わっています。これからもその意識で自身のリーダーシップスキルを磨いていけたらと思っています」

例文のポイント

1.その人の行動でよいと思ったところを具体的に挙げている

有名人ではない場合、面接官はその人がどんな人か知りません。そのため、具体的なエピソードを盛り込むことで、面接官の理解も深まります。

2.意識していることや今後の課題などを語っている

実際に自分の行動に取り入れたり、意識していたりすることを伝えると、行動力や応用力の高さを感じさせます。

3.その人との関わりによって自分が成長できたことのアピール

尊敬できる人のエピソードだけでなく、その人から自分が影響を受け、成長して行動することができたという具体的なエピソードを話すと、向上心をアピールするポイントになります。

採用が遠ざかる「NGな例文」

「イチロー選手です。とにかく粘り強く、一生懸命なところが尊敬できます。私はあきらめるのが早いので、ただただ、すごいなーと感心してしまいます。残念なことに、私の身近にはなかなかすごいと思える人がいないので、ぜひこれからは尊敬できる人のもとで働き、自分も成長したいと思っています」

例文のダメなポイント

1.どこが尊敬できるのか具体的にわからない

誰もが知っている有名人だとしても、その人物のどんなことがすごいと思ったのかを具体的に伝えなければいけません。

2.尊敬する人以外を持ち出す必要はない

「身近にはすごいと思える人がいない」とありますが、わざわざ身近な人を持ち出す必要はありません。また「尊敬できる人のもとで働きたい」という話も、他人への依存度が高いと思われてしまいます。

3.自分と関連した内容になっていない

自分がその人の何を参考にしているのかや、影響を受けたことなど、自分と関連づけて語る必要があります。

この例では、自分を「あきらめるのが早い」とマイナス要素でアピールしてしまっているのが逆効果です。尊敬する人から学んで自分が実践していることなど、きちんとプラス評価となることを伝えましょう。

次ページ:自分にピッタリの「尊敬する人」を見つけるには?

SHARE