いい人をやめると変わる? 仕事や恋愛の人間関係がうまくいく方法
仕事や恋愛で「NO」が言えない、いい人になっていませんか? 周りを気にしていい人を演じるのは、疲れてしまいますよね。この記事では、いい人をやめる方法を心理カウンセラーが解説。お人好しを卒業して人間関係をうまくいかせる方法を学びましょう。
こんにちは、心理カウンセラーの萩原かおりです。気遣い上手で協調性を重んじる日本人は、どうしても周囲を気にして「いい人」におさまりがち。よく「いい人、いい人、どうでもいい人」と言いますが、かえってあなたの魅力を損なっている可能性があります。今回は「いい人」の特徴や心理、そこから脱却する方法を解説します。
なぜ「いい人」になろうとするの?
ついつい「いい人」を演じてしまう人には、どんな心理が働いているのでしょうか。
「いい人」を演じる心理って?
どんな人にも「~したい」という欲求があります。それがあるから、何らかの行動をするのです。こうした行動を説明するために分類した欲求を社会的欲求と言います。
そして、代表的な社会的欲求に「人と結びついていたい」と考える親和欲求と、「自分の存在を他人に認めさせたい」と考える承認欲求があります。
「いい人」を演じがちな人は、この親和欲求と承認欲求が高い人だと言えます。ある程度は必要ですが、過剰だと「いい人」になりすぎてしまい、かえって自己主張がなく芯がない人だと思われてしまいますよ。
承認欲求との向き合い方を、心理カウンセラーの笹氣健治さんが解説しています。
つい「いい人」になってしまう人の特徴
「いい人」になってしまう人には共通点があります。あなたにもこんな一面はありませんか?
他人に気を遣いすぎる
自分といるときに居心地がいいと思われたいあまり、友人に気を遣わせまいとする人は「いい人」になりがちです。かえって自分が相手に気を遣いすぎて、気疲れしてしまうタイプ。
ほかにも頼りにされたいと思って落ち込んだり悲しんだりしている友だちにこまめに連絡を取る人も、相手に気を遣いすぎて心に負荷をかけてしまうことがあります。
他人からの印象を気にして行動する
会社のミーティングなどでも、その場にいる人たちにどう思われるかが気になってしまい、とにかく嫌われないようにふるまう人も「いい人」になってしまいます。大事なシーンでも自分の意見を言えず、のちのちすれちがってしまうことも。
「偉そうな人だと思われたくない」「わがままだと思われたくない」というように、「~と思われたくない」と考えている人は要注意です。相手に合わせて自分の考えを変えるのは、あまりいいことではありません。
人の目が気になる理由と対策をご紹介しています。
NOと言えない
「いい人」はNOと言えない人でもあります。
「嫌われたくないから、いっしょにいて楽しくない人でも誘われたら断らない」「本当は疲れて家に帰りたくても、飲み会に誘われたら無理してでも参加する」というように、相手に言われるがまま自分の都合を無視して行動してしまう人も「いい人」の特徴を持っています。
ノーと言えない人の心理と特徴に迫ります。
自分の本音を伝えられない
相手に負担に思われたくないからと自分の本音を隠してしまうのも「いい人」の特徴。
「こんなことを言ったら相手の負担になるんじゃないか」「めんどうくさいやつだと思われるんじゃないか」と思って、相手に本音を伝えられず、悩みごとを相談できないことはありませんか?
そうやって知らず知らずのうちに自分の感情に蓋をしてしまい、ストレスがたまっていきます。
本音を言えない人の心理と、上手に自己主張をする方法を催眠心理療法士の浅田悠介さんが解説します。
「いい人」を演じるのが疲れる理由
「いい人」を演じるとストレスになり、疲れてしまいます。なぜかと言うと、自分中心ではなく他人中心の考え方で行動しているから。自分自身に注意関心を向けず、他人にばかり注意関心を向けているので、自然と負担に感じることが増えていきます。
こうした行動を積み重ねると、他者意識ばかりが育っていき、ますます相手主体のコミュニケーションを取るようになります。
「自分がどうしたいか」よりも「他人から自分がどう思われているか」が気になってしまい、本当に自分が望む行動とはちがった行動をするようになるのです。
「いい人」をやめる方法とは?
それでは、どうしたら「いい人」をやめられるのでしょうか。
「いい人」をやめるとどうなる?
いい人をやめる=悪い人になるということではありません。「いい人」をやめると、たくさんのメリットがあるのです。
一番大きなメリットは、対人関係によるストレスが減ること。承認欲求や親和欲求が高い人は、全体的に気疲れする傾向があり、コミュニケーションも消極的になりがちです。
さらに、他人からの評価を気にする「評価不安」を抱えている傾向があり、劣等感を抱えている人も多いのです。「いい人」をやめてしまえば、こうしたことが気にならなくなり、ストレスが緩和されます。
人間関係でストレスを感じた時の対処法を、心理カウンセラーの大塚統子さんが解説します。
「いい人」をやめるための3つの方法
ここでは「いい人」をやめる3つの方法を紹介します。ひとつずつチャレンジして「いい人」から抜け出しましょう。
嫌われる勇気を持つ
相手から拒否されたくないという欲求が強いと、集団の中で自分の居場所や役割を確保しようとやっきになり、対人関係での気苦労が増えます。それがストレスになり、自分の中に蓄積されていってしまうのです。
これを解消するためには、嫌われる勇気を持つこと。相手が自分を嫌うことは相手の課題であり、自分の課題ではありません。自分がコントロールできるものではないのです。自分のせいだと思わず、割り切って考えられるように意識してください。
苦手な相手を無理に避けようとしない
関係を回避したいという欲求が強いと、気を遣うシーンが増えていきます。相手からの攻撃を避けて、自分を守ろうとするのです。しかし、避けようと思えば思うほどかえって意識してしまい、心の負担は増えていきます。
苦手な人と無理に付き合う必要はありませんが、やたら気を遣って穏便に済まそうとするのも疲れてしまうもの。「まあ死ぬわけじゃなし」くらいの気構えで、無理に避けようとするのはやめましょう。その方がかえって気が楽です。
他者評価ではなく自己評価で生きる
他人から賞賛されたいという欲求が強い人は、他人の目線から逃れられず、どうしても「いい人」を目指しがちです。いい印象を持ってもらいたい気持ちが強いうちは、なかなか抜け出せません。
他者評価ではなく自己評価を基準にしましょう。他人からの評価で自分を判断するのではなく、昨日の自分や1年前の自分と今の自分を比較してください。そうすれば、自分のいいところに気づくことができて「いい人」の呪縛から解き放たれます。
自分らしい魅力が一番
承認欲求や親和欲求はだれしも持っているものです。それ自体は悪いものではありません。要は扱い方次第なのです。他者目線の「いい人」という枠から飛び出して、自分らしい魅力をブラッシュアップしてくださいね。そういう人はまわりから見ても魅力的です。
(萩原かおり)
※画像はイメージです
※この記事は2018年09月10日に公開されたものです