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コラム デート・カップル

女子から人気の伊達政宗は戦国時代の「おっさんずラブ」だった #R18の伝記

五十嵐綾子

今回のお話は、日本の歴史の中で特に有名な戦国武将を取り上げます。そう、その男の名は戦国時代末期~江戸時代を生きた武将・伊達政宗。今でもたくさんのテレビやアニメ、ゲームなどで登場する、武将ファンの心をつかんで離さない戦国武将。

伊達政宗といえば、荒々しく豪快で勇猛、それでいて冷静沈着な頭脳派のイメージもある。まさにTHE・戦う男のイメージじゃない? でも戦の裏では、自分の身の回りの世話をする少年に恋しちゃう乙女おっさんだったことでも知られているとか。ちょっと、ドラマやゲームの制作会社、伊達政宗のキャラ都合よく脚色しすぎじゃない? こうなったら、この連載で伊達ちゃん(もうこの呼び名でいくね)の乙女おっさんな部分を明らかにしなくちゃ。

伊達ちゃんは52歳という立派なおっさんに仕上がっていたころ、自分の身の回りのお世話をしてくれる少年・只野作十郎(ただのさくじゅうろう)と恋仲にあった。しかも只野少年はたいそうな美少年だったとか。ねえ、羨ましい。だけど、そんなウッキウキな伊達ちゃんの耳に気になる噂が入る。「作十郎に思いを寄せる男がいる」と。

いや、当然だろ。そんな美少年、男にも女にもモテて当然。おっさんが独り占めなんて、いくらケンカが強いからって厚かましすぎ。でも“恋は盲目”状態に陥ってる伊達ちゃんの心は、只野少年への疑いと嫉妬で支配されていく。酒の席で只野少年の浮気疑惑を非難しちゃった。

乙女おっさんの暴走。まわりも困っただろうね、この飲み会。酔っ払って嫉妬で狂う乙女おっさん。わりと惨状だと思います、はい。

もちろん、伊達ちゃんは本当に只野少年を責めたいのではなく、この一件で絆を深めたかったらしい。そういうわかりにくいアプローチをする女子って、今の時代もいる(そしてだいたいこじらせてる)。

戦術はピカイチでも、恋テクとなるとちょっとパッとしない伊達ちゃん。

身に覚えがない只野少年はただただショックを受け、濡れ衣を晴らしたいと手紙を送る。その手紙の内容がまた衝撃的。その当時、男色の誓いとして自分の体を傷つけることが流行っていて、只野少年も政宗への愛の証明として自分の腕を切りつけちゃった! そしてその血判を手紙に押して……ってどんな流行よ!?

今の時代に置き換えて無理やり拡大解釈すると、TATTOOで相手の名前入れる的な? りゅうちぇるがぺこちゃんと息子の名前入れた的な? 「いやいや、ちがうわ」ってりゅうちぇるの声が聞こえる(気がする)。

只野少年、それただのケガだから。痛いだけだから。

只野少年の手紙を受け取った伊達ちゃんは、あらぬ疑いをかけた自分の行動を恥じ、自分も血判を押した長文の手紙を返したらしい。

乙女おっさん、命がけの手紙の文面はこちら。

「先日の晩、酒の勢いでずいぶん失礼なことを言ってしまった。お前を疑う気持ちはなかった。そもそも酔っていて、何を言ったのかまったく覚えていない。お前が浮気していると告げ口した者がいたのだ。『ちょっといじめてやろう』と思って少し注意するはずが、酒の勢いで、きつい言い方になってしまったのだ」

酒の酔いのせいにしちゃう52歳。覚えてないと言いながら、けっこう言い訳できるくらいの記憶はある矛盾。あと、さりげなく告げ口してきたやつへの責任転嫁も忘れない。伊達ちゃんの器の小ささが露呈しはじめたけど、ここはまだ序章。どんどんいくわよ。

「自分の腕を切って血判を押したこと、本当に心が痛む。もし私がその場に居合わせていたら、お前の刀にすがりついてでも止めていたのに。私もせめて指を切るなり、股か腕を突くなりしてお返ししたいところだが、すでに孫がいる身。水浴びなどのときに傷痕を見られて、『年甲斐もなく』と笑われたら、子どもにも迷惑をかけてしまう。

若いころはよく股や腕を突き通したものだった。でも今はいい歳で、世間に笑われてしまう。とはいえ、このままではお前に申し訳がたたないので、血判を押した誓いの手紙を送る。どうか、私の思いをわかってほしい」

たぶん、今回は指先をちょっとだけ切ったんだね。痛いもんね。でも昔は股でも腕でもグサっといったんだぜ? っていう過去の栄光アピールがいろんな意味で痛々しいよ、戦国武将。百戦錬磨の戦の王も、惚れた相手にはめっぽう弱い乙女おっさんになるってことか。

只野少年への熱い思いをぶつけていた伊達ちゃんだけど、実は本命は別の少年だったという。ただでさえややこしい話を何層にも重ねてくるおっさん特有のくどさ、ここにあり。

その相手の少年の名は片倉重長(かたくらしげなが)。それはそれは美しい少年として有名で、ほかの武将からストーキングされるほどだったという。ねえ、羨ましい。しかも、その美貌からは想像できないほどの勇壮さも兼ね備えていて、強くて美しい“ハイスペック武将”として成長する。

そして、片倉くんが30歳のときに大きな戦が起こる。待ってましたと言わんばかりに片倉くんは伊達ちゃんのいる仙台城に向かい、「私を戦の先鋒にしてください」と頼みこむ。先鋒っていうのは戦の先頭に立って、戦うこと。そんな危険なこと、伊達ちゃん許すの? と思いきや、

片倉くんの手を引き寄せ、頬にキス!

もう一度言う、頬にキス!

そして伊達ちゃんは「お前以外、誰を先鋒にするというのか」と涙。片倉くんも「誠にありがたき幸せ」と号泣。

伊達ちゃん、乙女おっさんとか言っちゃったけど結果モテモテ。こんな美少年 の熱い愛をほしいままにしちゃって。片倉くんなんて命がけだし。

なんか、何周か回って乙女おっさんのことかわいく思えちゃう、こんなドラマ、最近話題になったような……。この際、変に武将としてのカッコいい部分だけを取り上げるんじゃなくて、「伊達ちゃんずラブ!」みたいなドラマやったら人気が出るような気がしないでもないが、どうだろう。

(文:五十嵐綾子、構成:マイナビウーマン編集部、イラスト:たけだこうへい)

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