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お金のプロが分かりやすく解説! 結婚したら得する税金リスト

川部紀子(ファイナンシャルプランナー/社会保険労務士)

朝日絵美瑠

これから結婚を考えている人や結婚の予定がある人なら、「配偶者控除」という言葉を一度は耳にしたことがあるでしょう。結婚したら、もしかして税金の負担が減るの? となんとなく期待してしまいますが、実際は、一定の条件をクリアしている場合に限定されています。税金について学ぼうとすると、仕組みや計算が複雑で、理解するのはなかなか難しいですよね。そこで、FPの川部紀子さんに、結婚してから得する税金のポイントを、分かりやすく解説してもらいました。

結婚したら得する税金ってどんなものがある?

結婚後に受けられる税金のメリットとして、多くの人が思い浮かべるのは「配偶者控除」でしょう。実は、これ以外にも、条件に当てはまれば税金を減らせる制度がいくつかあります。ぜひ知っておきたい結婚後に税金の負担が減る制度について、初心者の方向けに簡単にご説明します。

「配偶者控除」&「配偶者特別控除」とは?

「配偶者控除」

まず、夫婦が完全フルタイムの共働きでは、「配偶者控除」の恩恵はありません。夫婦のどちらかが仕事をしない場合やパートタイマーとして働く場合に該当する可能性が出てきます。

この制度に男女の区別はありませんが、仮に「夫が会社員、妻がパート勤務」のケースを例にして説明します。この場合、妻のパート収入が年収103万円以下なら、夫の収入の中で所得税が課される予定だった金額から38万円を差し引いてもらえます。これが「配偶者控除」です。38万円を差し引いたあとの金額に対して税率が掛け算されるので、夫の所得税が独身時代よりも安くなるという仕組みです。

「配偶者特別控除」

では、妻の収入が103万円を超えてしまったらどうなるのか。その場合でも、妻の収入が年収201.6万円未満であれば、収入に応じて3万円から38万円までの控除を受けられます。これが「配偶者特別控除」です。ただし、これは夫の年収が1120万円以下の場合に限られます。この年収を超える場合は、仕組みは同じですが控除額が少なくなります。

また、住民税にも似たような仕組みがあります。住んでいる市区町村によって条件が変わりますが、妻の年収がおおむね100万円を切るようであれば、住民税の「配偶者控除」を受けられる可能性が高いでしょう。

「扶養控除」とは?

「扶養控除」とは、16歳以上の子どもや親などを扶養している場合に該当します。税金が少なくなる考え方は「配偶者控除」と同じで、扶養している人の収入の中で税金が課される予定だった額から一定の額が控除されます。

まず、16歳以上の子どもを扶養している場合、子ども1人につき38万円の控除が受けられます。さらに、子どもが19歳以上23歳未満の時は、控除額が63万円と大幅にアップします。これは、子どもにお金がかかる時期であることを考慮されているからです。また、親を扶養する場合は、条件によって48万円または58万円の控除を受けられる可能性があります。

夫婦が「贈与税」で得する仕組みとは?

通常、その年に110万円を超える財産をもらうと、もらったのが家族であっても、超えた分に対して「贈与税」がかかります。しかし、婚姻期間が20年以上の夫婦であれば、自分が住むための不動産やそれを買うためのお金をもらうという条件のもと、最高2000万円までを配偶者からもらっても贈与税はかかりません。20年一緒にいる配偶者が不動産や現金を持っていることが前提なので、この制度を利用するのはハードルが高いですね。しかも注意したいのは、この非課税のルールが使えるのは1回だけです。

「国民年金」の保険料がタダになるって本当?

会社員や公務員などに扶養されている配偶者は、条件をクリアすれば男女関わらず国民年金を支払わなくてもいいとされています。この対象者を第3号被保険者と言います。この第3号被保険者として判断される大きなポイントは、年間収入が130万円未満です。ただし、パート先によっては年収が106万円(月8万8千円)から厚生年金がつくことがあります。この場合は、第3号被保険者にはなれません。

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