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前田敦子も、桐谷美玲も。20代女優が早々に結婚するのはなぜ?

ヨシムラヒロム

桐谷美玲、早見あかりときて、前田敦子である。日本中が猛暑のなか、3人の女優はそれ以上に熱い恋を実らせたのだろう。

人間とは不思議なもので、心の底から「自分はイケるはずない」と理解していても、異性のタレントが結婚すると妙に残念な気持ちになる。自分の人生にまったく関係ないのに……。ファンならずともそうなるのだから、ファンは尚更落ち込むだろう。

芸能界の出来事は、一般人のロールモデルになる

桐谷美玲は28歳、早見あかりは23歳、前田敦子は27歳。男性ファンも多い3人、結婚をすれば仕事に支障をきたす可能性は大きい。しかし、彼女たちは仕事よりも自らの幸せを選択した。芸能界での出来事は一般大衆のロールモデル。タレントの影響力はたしかだ。

最近の芸能界は、皮肉芸がメインストリームである。有吉弘行、マツコ・デラックス、指原莉乃は天才的な皮肉の使い手だ。成功がつかみにくい世相ゆえ、斜に構えて斬るスタイルが映える。タレントといういわゆる“持っている人”でありながらも、自らの幸せは一欠片も漏らすことはない。

その逆をいくのが、若くして幸せを手にした上記の3人。美しい人が真正面から結婚という幸福を享受する。これはこれで華やかな芸能界らしくていい。離婚率30%などネガティブな情報にだけ耳がいってしまう結婚。しかし、わかりやすい幸せを目の当たりにすると、自分もと追随したくなるのが大衆だ。近年の晩婚化の揺り返しがきたのか、20代のうちに結婚相談所に登録する女性も増えているそうだ。

20代半ばで結婚する、「短距離型」の女優たち

女優には長距離型、短距離型と2種類のタイプがある。

10代から晩年まで長く活躍する長距離型の女優、代表例は綾瀬はるか、長澤まさみ、新垣結衣だ。彼女たちは登場から現在まで長い全盛期を送っている。30歳を超えた国民的女優は、まだ誰も結婚していない。年を重ね、若さが失われても、それ以上のキャリアと年齢相応の美貌を保っている。

たいして、桐谷美玲、早見あかりときて、前田敦子は短距離タイプだ。三者三様にわかりやすい輝きの全盛期があった。桐谷美玲はドラマ『好きな人がいること』で月9初主演を果たしたとき。早見あかりは所属していたアイドルグループ・ももいろクローバーを卒業した直後。前田敦子はAKB48のセンターだった時期だ。

彼女たちは全盛期に誰よりも輝きすぎたために、あるときを境に詰まってしまった。以降、3人の芸能生活は緩やかな下り坂を降りることに。一時期の輝きを全国民が知っており、それを求めてしまう。しかし、全盛期を取り戻せないことをもっとも知るのは当の本人。結果、女優という職から生まれる幸福よりも、結婚から派生する家族を選択したのだろう。先ほど延べた、早々に結婚相談所に登録するような20代の一般女性にも共通する、現実的な考え方を選択したといえる。

舞台裏とのギャップがたまらない。前田敦子の魅力

個人的に、前者3人のなかでもっとも惹かれていたのが前田敦子。AKB時代の彼女は、間違いなく時代のアイコンで。圧倒的な美貌を誇るわけではないが、キラキラと光を放っていた。

その魅力は態度にも表れる。AKB48のドキュメンタリーを観ても、前田敦子だけは何を考えているかまったく読めない。普段は、手遊びをしながらアンニュイな表情を浮かべている少女。しかし、舞台に立つと誰よりも目立ってしまう。そのギャップにはたまらないものがあった。

余談だが、僕は10年ほど絵日記をつけている。食べたもの、日常のこと、あと適宜気になった美女のイラストを描画。そのなかで一番登場回数が多いのが前田敦子で、計3回も描いている。

つまり、今回描いたイラストは4回目の前田敦子。そんなこともあり、僕は前田敦子の幸せを勝手に祈っている。陰の陰ながら。

(文・イラスト:ヨシムラヒロム)

>女性目線から考えた「前田敦子の結婚」コラムは近日公開予定

※この記事は2018年08月08日に公開されたものです

ヨシムラヒロム

1986年東京出身。武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業。イラストレーター、コラムニスト、中野区観光大使。五反田のコアワーキングスペースpaoで週1度開かれるイベント「微学校」の校長としても活動中。 現在、小学館@DIME『勝手に宣伝部長』、小学館週刊ポストセブン『ウェブテレビを見た感想』、PARTNER『コラムニストの憂鬱』を連載中。2017年3月に単著デビュー作『美大生図鑑』を上梓。
 
ヨシムラヒロム事務所:http://mcc-tokyo.com/

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